あとは論文を回して、コメントをもらい、しっくりこない部分をブラッシュアップしていきます。論文を書き始めると、今度は他の仕事が遅れますが、周りに散らばっている時間をかき集めて、大きな塊にする必要があります。私の場合、ある程度の塊、丸一日分の呼び水が、どうしても必要です。そこで英語脳へ変換していき、居室に篭り、ワードで打ち込んでいきます。ある程度、打ち込んだら、あとは断片的な時間で何とかするようにします。
ということで、論文の大きな流れは完成しました。
******
この論文は修士の学生さんの研究内容です。修士も3年あれば、論文としてもう少しかたちに残るのになと思います。しかし2年間で何もできないかというと、そうでもなくて、修士の皆さんが根気よく面白い現象をみつめてくれたお陰で、新たな芽がでようとしているプロジェクトもあります。じっくり何度も、研究の精度をあげていく課程で、新たな発見に繋がる場合もあります。スタッフなら1−2回で当たりがつけられる実験も、10回ぐらいでやっと安定してくる過程で「あれ、これは何?」みたいな発見もあります。また、卒研生の方も、どんどん研究に参加してほしいですね。以前、卒研生に石川君という学生がいましたが、彼が構築した発現用ベクターは今でも使われております。
******
全部が全部、論文に繋がれば嬉しいのですが、一つでもかたちにしていくことが、私の役目であると思っております。いやしかし本当に遅れてごめん。この借りは論文できちんと返します!