2014-02-25

「もっとよくわかる! 感染症」:エピソード

「もっとよくわかる! 感染症」が,ついに本屋さんにならびました。羊土社編集者の山下さんから,感染症関連の本についてのお誘いがあって,それから2年間におよぶ執筆活動に入りました。

単著で参考書を出すという機会は,これがはじめてでした。途中,ゴールまで辿りつけないと,諦めかけたことがありました。しかし,ここで諦めたら次はないと思い,とにかくも走り続けました。

今は長距離ランが終わったような安堵感を感じています。

2014-02-09

ボルデテラ懇話会 @ Hicott land

先週の金曜日は,阪大微研でボルデテラ懇話会がありました。阪大微研といえば微生物病の総合デパートみたいなところで,細菌だけではなくウイルスや寄生虫などの研究も行っております。

ちょうど東の横綱が東大医科研だとすると,西の横綱が阪大微研なのです。そういった横綱級の研究機関のなかにあるのが堀口研です。僕的にはヒコットランドとよんでいるのですが,どうも定着しません。

堀口先生のラボでは,僕らと同じボルデテラ属細菌の研究を行っているので,お世話になっております。そして,年に一度,集まって「ボルデテラ懇話会」を開催しています。ざっくばらんに未発表データを語り合うという趣旨で,今回が3回めです。

堀口研のデータは厚みがありました。未発表データなのでここでは言えませんが,近い将来,ドカンと出してくれるでしょう。
話を聞いて,こっちも頑張ろうと思いましたね。僕らのラボでは培養細胞でのエフェクター解析系を構築しており,こいつがうまく起動すれば,面白いことになると思っております。そういった予備的なことも含めて,プレゼンを行いました。

最近,堀口研に加わったナカピョン,新澤君も,いい味だしておりました。確実に選手層があつくなっています。うちもオズマ並みの選手がほしいです。ポスドク来てください!

ボルデテラ懇話会が終わったあとは,阪大微研にて,堀口センセ自作によるたこ焼きパーティーがありました。この会にはオートファジー研究の吉森先生,そして,京都府立大学の岡先生も出席され,華やかなものになりました。

僕が堀口先生に出会ったのは,旧北里研究所時代でした。当時,僕は細菌学に鞍替えしたばかりで,このヒトについていけば何とかなる!と,思ったのです。しかし,堀口先生はそれから間もなくして,阪大微研に移ってしまうのです。僕はよりどころを失いましたが,それでも,これからは細菌学だ!と思い,日本ではまだ盛んではなかった分子細胞生物学的な手法を取り入れるために,留学を決意したのです。

堀口先生が旧北里研究所にいたら,このような思い切った決断は,なかったのかも知れません。

そして,今は同じ領域で研究している,この偶然性に感謝しています。また,研究上での偶然的な重なりもあって,不思議な巡り合わせを感じています。そもそも,僕がボルデテラ属細菌(百日咳菌もこれに入ります)の研究に進んだのは「病原性大腸菌ではワクチンにならん。ワクチンに関連する菌を扱え」と上からの通達があったからです。

偶然的な出会いに個人として,どのような重きをおくのか?で,今の自分があります。研究をとりまく環境も,偶然的な出会いのなかに,取捨選択があって(ま,選択の余地がないこともしばしば),形成されます。

今はウエブが発達していて,研究における会話は,ずっと少なくなっています。しかし,どんなにサイエンスが発達しても,ヒトとの出会いのなかで,個人の資質,研究環境が,形成されるのだと思います。

たこ焼きよりは,もんじゃ焼き,がいい!

 という学生さんは,僕のラボに来てください。

うちのラボからは桑江准教授が出席。あの先生やあの先生が,ちらりと見えます。
ナカピョン,サーヤ,オカケ−,テルテルチョコチップス,シンザワ君,シショー,選手層に厚みを増しています。
堀口先生の絶妙なたこ焼き。B研,教授選考の基準になるので「たこ焼き作り」は,おさえておきましょう。
顔は四角でも味はまろやかな,ナカピョン特製のトマトすきやき。
堀口先生のたこ焼き。「これはアカンで」と言いたかったが,美味しかった。
帰りの新幹線。しかし,東京についたら,もっとすごい大雪。
田町駅についたら道場が近いのでブラジリアン柔術の練習。そしたら別ラボの卒研生が体験入門にきていた。