2013-03-30

新年度

来週月曜日から新年度がはじまります。

新たな体制でスタートします。

阿部,桑江のスタッフ陣は変わりませんが,特別研究生は,安井さんのほかに新たにTさんが加わります。あと秘書を担当されている方も変わります。

修士の西村君はM2になって,新たに前田さんが加わります。
薬学部(服部先生)からの卒研生は,6年制にともない研究期間が長くなって,卒研生にも1年生,2年生(実際には1.5年ぐらい)がいます。2年生になる畑間さんと寺嶋君のほかに,山根さんが新たに加わります。また,理学部(太田先生)からは,須山君と上田君が加わります。

卒研生(東京都市大学の﨡原先生)の今村君は,中川一路先生(東京医科歯科大学)のところにお世話になります。細菌学会でお会いしましょう。

Take it to the limit!

ということで,大学院生・卒研生をあわせて7名の体制で,新年度をむかえますので,よろしくお願い致します。

1999年にカナダ留学から帰国して,自分のラボを構えて,10年以上になります。最初のラボは社団法人北里研究所にあったので,研究オンリーでした。良い研究をおこない,良い論文を世の中に出すことが目的でした。少ししてから,研究所と北里大学が統合し,僕の所属は大学院大学になりました。

今はそうでもないですが,当初は学生に対して厳しかったです。学生に対しても,研究者としてのスタンスを厳しく要求していた部分がありました。たとえば,こんな感じのメールを事あるごとに,送っていました↓

原文
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修士学生へ

最近の報告会についてなのですが、
どうもたるんでいるような感じがします。
まあ、私がきつく言わない事もありますが、ある部分に関しては退化しています。

桑江君が前に言ったことを、皆さん実践されなくなったのは、いったいどうしてなのですか?
誰が止めていいといったのですか?

どんな小さなプレゼンでも、かならず実験の目的を述べて下さい。
それで結果がどうなったのかをきちんと述べてください。

また、ここからが重要なのですが、ネガティブデータに対してどのような方法で
問題をクリアしていくのかきちんと応えられるようにして下さい。

こっちがいちいち、「それでどうするの」というのにもいい加減疲れました。

プレゼンで各自の緊張感がないのは結構ですが、私の研究室でもあるのです。
そこのところを社会人として成人として、良く考えて下さい。

学生でこの時期を緊張感なしに過ごすのもよいのですが、プレ社会人として過ごされるという選択肢もあります。

研究室でリラックスされるのは問題ありませんが、プレゼンはたとえ短いものでも、実験が失敗していても、
緊張感をもってお願いします。それが教えを乞うという最低限のマナーなのではないかと思いますが。

阿部章夫

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今でも厳しい部分はあります。しかし,それよりも,研究の楽しさをわかってもらうことが最優先である,と思うようになりました。

先日の細菌学会で,僕のラボを巣立っていった久留島君に,久々にお会いしました。富田先生のところで,新たなテーマで研究に取り組んでいる彼の姿をみて,すくわれた感じがしました。

ということで,新年度です。長年,僕のラボを支えてくれたIさんに変わって,Sさんがラボの秘書業務を担当します。ここでの仕事が今後の発展につながってほしいです。

新年度から,スタッフ・学生あわせて,総勢12人でラボを運営します。

次のステージにむかって頑張ります。




2013-03-21

日本細菌学会総会:報告


今回の細菌学会は,山本友子先生が総会長で幕張メッセでおこなわれました。学会初日に開催される国際シンポジウム「RNA world of pathogenic bacteria」の座長を仰せつかり,やや緊張したなかで大会当日をむかえました。朝一番のセッション。人が集まらなかったら,どうしようという不安がよぎりましたが,フタを開けてみれば盛会でした。スピーカーの先生方に感謝するとともに,会場に来てくださった多くの先生方に感謝いたします。

RNAによる転写後の発現調節の世界には疎いのですが,山本先生の企画に何とか協力することができて,光栄でした。3時間ちかい国際シンポジウムを座長として乗り切ったので,初日にほとんど燃え尽きてしまいました。午後は用事があって大学に戻りました。大学から微妙に近いというのも,考えものです(笑) この時点で,2日後に開催されるシンポジウム:New trends of anti-infection strategy の準備 (英語での25分間の発表) がほとんど終わっていませんでした。夜遅くまでかかってドラフト版が完了。

翌日は8時にラボについて,プレゼン資料のチューニング。すぐに会場へ向かうはずでした。ところが,これまで準備してきたものを使って,集中して話すことができないことが発覚。そこで,ほぼ最初から組み立てなおしました。学会会場に向かったのは午後になってからです。

夜は若手研究者が開催する懇親会に参加。ここで,北大の東先生のところ大西さんや,堀口先生のところの中ぴょんと,遭遇。懇親会が終わったあとに,東先生がもう少しだけいきましょう,ということで居酒屋に。。。そこで,琉球大学の鈴木先生のところの高江洲さんと親しくなりました。

そして,最終日。朝一番で「New trends of anti-infection strategy」のシンポジウム。僕は4番目のプレゼンです。いつになっても英語のプレゼンは緊張します。質問も何とか無事に切り抜けて,昼食。午後はポスター会場にて,久留島君と再会。ハンパないデータ量でした。今後の彼の活躍が楽しみです。

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学生さんや若手研究者のスーツ・ネクタイ率が増えてきましたね。僕はジーンズにラフなジャケットでプレゼンしました。ネクタイは息苦しいので,3日間しませんでした。まあでもビシっときめた若い人たちのスーツ姿もカッコ良かったと思います。この学会を終えて,新天地に旅立つ若者もいるでしょう。これからも頑張って欲しいと思います。


どこかに通じている大道を僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
道は僕のふみしだいて来た足あとだ
だから 道の最端にいつでも僕は立っている

高村光太郎

国際シンポジウム終了後の余韻。

群馬大学医学部の久留島先生。阪大微研の堀口先生。

ビシっときめたポスター賞受賞の若手研究者たち。