2015-10-28

Fire TV Stick が来た!

僕は,かなり長いあいだ,アップルTVを使用してきましたが,今日からアマゾンの Fire TV Stick に乗り換えました。早速,その使用感について紹介したいと思います。

まずは,この小さな箱に全てが詰め込まれています。とは言っても,対照がないのでわかりませんよね。。。ごめんなさい。




なかにはリモコンとFire TV Stick 本体が梱包されております。この小さなStickをHDMI端子に差し込むのですが,延長ケーブルも付いており,HDMI端子に直接させないときの対応もしっかりしています。このStickには USB 端子がついていてケーブルを介し電源ポートに接続します。USBケーブルと電源ポートも付属しているので,何かを買う必要はありません。

あとは,Wi-fiの設定をして,すぐに視聴できます。また,iPhoneアプリには Fire TV Stick のコントローラーアプリもあって,こちらで音声入力が可能になります。「未来少年コナン」も日本語で認識してくれました。

プライム会員特典の無料で観られるコンテンツがたくさんあって嬉しいです。ちなみに「未来少年コナン」もプライム会員は無料で視聴可能です。

アップルも新たなアップルTVを出すみたいですが,映画とかテレビ番組を観るのなら,これで十分だと思います。

最近,アップル Watch にしても,TV にしても,リリースされるまでの期間が長すぎると思います。熱狂が冷めてしまって冷静に判断できる頃になって,さあこれだ!と出されても。。。アップルウオッチなら,次期バージョンでGPSが搭載され正常な進化を遂げたら買おうかなと思います。

お尻を叩く人もいなくなって,また元のアップルに戻ってしまうのでしょうか。MacBookにしても長いことアップデートされませんし,ちょっと寂しいです。もちろん今のスペックには満足しているので,急に出さなくてもいいのですが,,,

そう,スペック的には,既存マシンでもほとんどの人は満足なのです。たぶん。。。

今のマシンでも良いんじゃね,というところに資金投入をしたくはないというのがアップルの本音なのかもしれません。売れないですしね。。。

それでも僕にとって,コンピュータありきのアップルなのです。アップル Watch も TV も様子見というところに,少しだけ寂しさを感じている自分がいます。

成熟しすぎた林檎は,やはり美味しくない。

もうすこし尖ったアップルでいて欲しいですね。




2015-10-13

ファストパッキングに向けて:レイヤリング再考

レイヤリングについてのアップデートはコチラになります。

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以前のブログでも紹介しましたが,ファストパッキングに向けて,レイヤリングの軽量化を行っております。これまでは以下のようなレイヤリングでした。

1. ドライレイヤー(ドライナミックメッシュ,ミレー)
2. ベースレイヤー(ACTIVES MERINO ZIP TOP,ホグロフス)
3. ミッドレイヤー(ドラウトセンサー,ファイントラック)
4. ミッドシェル(ニュウモラップ,ファイントラック)
5. アウターシェル(ストームクルーザージャケット,モンベル)

今回,ミッドシェルとアウターシェルをストライクジャケットに統一してみました。前回のブログでも取り上げましたが,ストライクジャケットは 130 g という驚異的な軽さのレインウエアです。しかも透湿性にも優れているので,ニュウモラップとストームクルーザージャケットの機能をこれ一本に絞りました。

【気になったこと】ニュウモラップはファイントラック製品に共通する「リンクベント」と呼ばれるベンチレーターが付いています。しかし,他製品のジャケットのポケット部分と同じような位置についているので,ポケットに入れたと思った小物が地面に落ちてしまったことがありました。他のジャケットと混在するような山行では注意が必要です。メッシュをつけるなりして,ポケットと明確に区別できるよう改善して欲しいですね。

ドライレイヤーにはすっかり定番となったドライナミックメッシュの長袖がリリースされたので,これを買いました。また,ベースレイヤーは ibex のメリノウールにしてみました。肌触りも良く,個人的にはこちらの方が良かったです。また,磐梯山は風が強いので,ミッドレイヤーもフードのついた Alpha Houdi にしました。

1. ドライレイヤー(ドライナミックメッシュ長袖,ミレー)
2.  ベースレイヤー(FDインディ,ibex)
3.  ミッドレイヤー(Alpha Houdi,HOUDINI)
4.  アウターシェル(ストライクジャケット,ノースフェイス)

結論として,春先や秋にかけてはストライクジャケットを利用することで,快適に軽量化できると思います。ただし,全体的にタイトな作りになっているので,厚手のインシュレーションジャケットは着にくいと思います。より厳しい環境のときには(とは言っても厳冬期は除きますが),ニュウモラップやストームクルーザージャケットの方が良いかもしれません。また,長袖もラインナップに加わったドライナミックメッシュは,オールラウンドで使える鉄板的なドライレイヤーで,一番のお気に入りです。このような組み合わせで,汗をかいても身体は冷えることなく快適でした。

前回の内容と重複する部分があるかと思いますが,画像を載せておきますね。

追記:ストームクルーザージャケットは本来レインウエアなので,積雪期の山行にはモンベルならダイナアクションパーカが良いと思います。個人的には,MHWのクエーサー II ジャケットにも興味があります。新作が出ると,ついつい悩んでしまいますね。。。






2015-10-11

磐梯山にて: その者蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし アルコールストーブとストライクジャケットを試してみた

その者蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし。磐梯山にて。

アルコールストーブについて前回のブログで取り上げましたが,実際に日帰りの磐梯山にて使用しました。また,ファストパッキングの道を目指して,ノースフェイスのストライクジャケットも試しました。

2015-10-05

アルコールストーブの WHITE BOX を購入しました

夏に行った尾瀬,秋に行った会津駒ケ岳,どちらもフリーズドライ製品で水を沸かすだけのクッキングでした。山では凝った料理を作らないので,基本,お湯を沸かして,フリーズドライの何かを食べることになります。なので,強力なガスストーブもいらないかと思いました。

持ち運びに便利なアルコールストーブもいいんじゃないかと。。。

そこで,モンタナの小さなファクトリーで作っている White Box という製品を購入しました。本当に小さいです。風防と合わせて,総重量が 58 g です。白い箱に入ってきましたが,空箱じゃないかと思うぐらい軽かったです。今使っているガスストーブはカートリッジと合わせて約 500 g ぐらいですから,いかに軽いのかよくわかります。

火力では劣るけれどもソロで行くファストパッキングの旅は,アルコールストーブもいいんじゃないかと思います。

今度の山行で試したいと思います。

マウスと比較しても小さいのがよくわかります。右にあるのが付属の風防です

この上に温めるものを直接のせるので,五徳は不要です。結構,勢いが強いのでシェラカップには向いていないかも

2015-09-29

会津駒ヶ岳へ


 シルバーウィークは深夜バスで尾瀬の大清水に入りました。しかし,今回の目的は尾瀬ではなく,会津駒ヶ岳に登ることでした。大雨の影響で野岩線は不通となり,手配していた深夜発電車はキャンセルとなりました。そこで,尾瀬を横切って会津駒ヶ岳の登山口まで行けばいいのではないか?ということになり,大清水に午前三時半につくバスに乗り込みました。大清水に着いたときに,オリオン座が明るく見えました。

 僕が装備のチェックをして出発しようとしたときに,豆電球みたいに真っ暗なヘッドライトをもったおばあちゃんがスタスタとこちらへ近づいてきました。僕のヘッドライトは,この日のために準備してきたので,バッチリ夜の登山道を照らしました。明るくなるまで,快活なおばあちゃんと一緒に歩きました。

 おばあちゃんと別れたあと少し急ぎました。なぜなら,尾瀬の大江湿原を突っ切って,沼山峠で会津路線バスに乗らなければいけないからです。8:30の始発を逃すと駒ケ岳アタックは絶望的なものとなります。さいわいにも予定通りに沼山峠についてバスに乗車して,滝沢登山口で下車することができました。

 会津駒ヶ岳,最初の急登がきつかった。尾根にある唯一の水場で,2 L ほど水を確保して,宿泊地である駒の小屋にむかいました。あいにくの霧で,駒ケ岳登山は明日に延期しました。

 晴れていたら,駒ケ岳を登ったあと下山し燧ヶ岳に登る予定でしたが,雨のなか燧ヶ岳の長い登山道を登る気がしませんでした。そこで,駒ケ岳と中門岳を登ったあと,大杉岳を経由し御池まで約16キロを縦走しました。すれちがった登山者はたった一人でした。

 長い尾根伝いに御池まで降りると,雨は唐突に止んで晴れ渡った秋の空を見ることができました。御池の休憩所で生ビールを飲んで,それからカレーを食べました。バスでキリンテまで降りて,ぬかるみで湿ったマウンテンマゾヒストを脱いで,国道を裸足で歩きました。乾いたアスファルトがとても気持ちよく,檜枝岐の上ノ原まで下っていきました。夏の尾瀬登山のときにお世話になった民宿「郷」でゆっくりしました。

 今回,燧ヶ岳を登ることができませんでしたが,会津駒ヶ岳から御池まで縦走できたので充実感はありました。僕は東北の山が好きです。すれ違う人もまばらな山々に強く惹かれます。特に一人で歩いている稜線上で,強い風に吹かれるのがとても好きです。うまく言えませんが帰ってきたときに,山で感じた孤独な気持ちに懐かしさが上乗せされ,また,静かな山に行きたくなるのです。

【装備について】

今回,下記のようなレイヤーで山に登りました。

 1. ドライレイヤー(ドライナミックメッシュ,ミレー)
 2. ベースレイヤー(ACTIVES MERINO ZIP TOP,ホグロフス)
 3. ミッドレイヤー(ドラウトセンサー,ファイントラック)
 4. ミッドシェル(ニュウモラップ,ファイントラック)
 5. アウターシェル(ストームクルーザージャケット,モンベル)

 ミレーのドライナミックメッシュ NS クルーはとても気に入っています。ベースレイヤーのアクティブメリノが汗で湿っても冷たく感じることはほとんどありませんでした。あまりに気に入ったので,ドライナミックメッシュの長袖を購入しました。なぜならベースレイヤーの袖だけが汗で濡れてしまったからです。。。今回は濃い霧が立ち込めるような天候で,湿度が高いせいかニュウモラップの透湿性能についてはよくわかりませんでした。このジャケットはストレッチ素材で着心地はとても良いので,透湿性については別の山行で試してみたいと思います。いずれにしても,レイヤリングはとても重要であることを雨の山行で実感しました。

沼山峠発バス。ボッチでした
晴れていた滝沢登山口
霧が少し晴れたところで撮影。小屋はもう少し
駒の小屋

遠くに駒の小屋がみえた。駒ケ岳登山の帰り道
幻想的な中門岳
境界線のはっきりしない天候でした

大杉岳付近。買ったばかりのトレランシューズ
美味しそうだけど不明
下山後にようやく見えた晴れ間

2015-09-26

Papers 3 iOS 版とMac 版の同期

ついにというか,唐突に,Papers 3 for iOS がフリーになりましたね。なので,Papers 3 Mac 版をすでに購入している方は,iPad に iOS 版の Papers 3 をインストールしてもいいかもしれません。

ここでは,Papers 3 Mac 版と iOS 版の同期について,少しだけ解説したいと思います。

まずはじめに,Papers Mac 版の設定をおこないます。Preferences 項目で「Sync」という項目をクリックすると Dropbox の設定があらわれますので,ここを ON にしておきます。また,Dropbox ユーザーでない方も Wi-fi 環境にて同期が可能です。そのときは,Local Network をクリックして同期します。同一の Wi-fi 環境に Mac と iPhone が接続されていれば同期が可能です。

図1 Papers 3 Mac 版での設定
次に,Papers 3 iOS 版の設定をおこなってみましょう。 Automatic Library Syncing をONにしておくと,自動的に同期されます。一方,Automatic File Downloads を ON にしておくと,デスクトップに保存してある PDF が iPad / iPhone に全部ダウンロード・同期されるので,容量が減ってしまいます。なので,読むものだけをクリックしダウンロードしたほうが良いと思います。

図2 Papers iOS 版での設定
このように簡単な設定で Mac - iOS 間の同期が可能なので,フリーになった Papers 3 for iOS を体験されるのは如何でしょうか?

2015-09-08

40代からのブラジリアン柔術

このブログのタイトルにもありますように,僕は40代からブラジリアン柔術をはじめました。正確には,42歳からはじめたので,かれこれ10年以上のキャリアになります。

最近,僕が激しく気づいたことがあります。それは股関節の柔軟性がとても大切だということです。特に,下になって相手の攻撃を防御するときに,股関節の柔軟性が必要です。

たとえば,スノボー初心者は,股関節と膝の柔軟性をうまく使えないために,アイスバーンの斜面に入ったときにガチガチになります。下からの衝撃が腰と膝でうまく吸収できないために,身体のブレが激しくなり,そこに恐怖心が上乗せされ,ますますコントロールできないという状態に陥ります。しかし,ある程度慣れてくれば下半身の柔らかさを利用し,うまくアイスバーンを乗り切ることができます。

実は,格闘技においても同じようなことが起こるのです。たとえば,あなたが初心者で体重が10キロ以上も上の相手と戦う場合は,とても不利な状況に追い込まれます。さらに股関節が硬い場合には,肢体にある大きな筋肉をうまく使うことができません。相手の動きを止める場合には,相手の腰に足をあてたりしていなす場合があるのですが,身体が硬いと相手の力をダイレクトに受けることになります。特に,大きな相手から力がダイレクトに加わってくると,とても焦ります。焦るので負けずに力で返そうとします。力がはいると,どこに力点をおけばいいのか,相手に知らせることになります。力でも不利な相手に,さらに,攻め所を教えているようなものです。。。

一方,股関節が柔く膝のクッションを利用して戦うような場合は,相手の力を吸収しつつ,その力のベクトルをうまくそらすことで,相手から時間をかせぐことができます。この時間差が戦略的に優位となります。なので,筋力トレよりも重要なのがストレッチなのです。40過ぎてから,わかいアンちゃんに筋力で勝てるはずがありません。末端にある筋肉よりも,体幹部の大きな筋肉を使うために,柔軟性が大切です。

わかりやすいのは,上級者の方とスパーリングしている動画をとってもらうことです。自分の動きがこんなにカッコ悪いの! と驚くはずです(笑)

力に頼らないスパーリングは,最初はボコられるかもしれません。まあでも力に頼っていたのでは,加齢とともに自分の技が効かなくなってくるといった負のスパイラルに巻き込まれます。

僕は最近,まったく柔軟体操をしていなくて,とても弱くなって,また柔軟性の大切を理解したところです。もうストレッチをサボることもないでしょう。なぜなら,上達の近道は身体の柔軟性にあるのですから。

こういった日々の発見があるのも,柔術の楽しいところです。

2015-09-06

5レイヤリングについて考えてみた: ニュウモラップの購入

レイヤリングについてのアップデートはこちらになります。

 ニュウモラップについてはストレッチ性に富んでおり,また,リンクベントも良いなと思っていました。しかし,リンクベントの位置が他のジャケットのポケット部位と同じようなところにあり,財布や iPhone を何度か地面に落としてしまいました。せめてアウターとして使用するニュウモラップのリンクベントはメッシュ素材で覆うなどして,ポケットとしても利用できるようにして欲しいですね。僕にあわなかったということで,現役引退ということになりました。それ以外の性能はまあまあだったので残念です。

2015-08-30

モントレイルのマウンテンマゾヒスト III アウトドライを購入してみた

舗装されていない山野を走るトレイルランニングという世界があります。

先日,尾瀬でテント泊で楽しんできたのですが,小屋泊にして荷物を極力軽くしたら,これはこれで楽しいのかもしれない。じゃあ,やってみよう!ということになりました。

2015-08-25

Penny ロングボード 36" が来た!

この夏,Pennyからリリースされたロングボード 36 インチが,手元に届きました。
左が Nickel 27 インチ。36 インチバージョンは想像していたより大きいです。また,ボード長だけではなく,ホイールも一回り大きい物を使用しています。

Nickel 27 のデッキは滑りやすいので,デッキテープを張っているのですが,ロングボードのデッキ部分はザラッとしているので,滑りにくいです。スノボに近いスタンスで乗れるので,ロングボードも楽しいですね。

まだまだ初心者ですが,これら2つのボードと付き合って行きたいと思います。

購入時の参考となれば嬉しいです。


2015-08-24

2015 バックパッキングの装備について

少し長めの夏季休暇をとり尾瀬にでかけました。今回のキーワードはライトウエイトの山歩きです。今回,装備の再考をおこない,新たに購入するモノが多かったので,財布の中身もライトウエイトになりました。。。

また,コンパクトに荷物をはこぶためにコンプレッションドライサックを多用しました。こまごましたものはHOBOROLL (写真1:右上の青いサック)というサックでオーガナイズしたことで,荷物の整理が楽しくなりました。日本には上陸していないので,RAKUNEWのお世話になりました。

尾瀬トレッキングは2泊3日のテント泊でしたが,この食事量(二人分)は多かったです(笑)フリーズドライ製品はとても軽いので「これじゃ腹の足しにならないだろう」と思って,持ちすぎました。。。

ということで,今回のトレッキングを装備から整理してみました。

【装備全体の概要】装備のリストについてはエバーノートにまとめてみました。こちらをどうぞ。

写真1
【寝る】テント泊にあたり,NEMO TANI を購入しました。このテントについては,こちらで解説しています。初めて使用しましたがとても快適で,テント内の結露もありませんでした。写真は見晴キャンプ場で撮ったものです。テント数はまばらでしたがガイロープは反射式の素材にして正解でした。特に,入口付近のロープは足を引っ掛けやすいので,自分のためにも良かったです。モンベル恵比寿店で反射式のガイロープを購入しました(なお,NEMO TANI にも必要最低限のガイロープが付属しています)。

写真1 NEMO TANI

【食べる】僕が使用したストーブは,SOTO ウインドマスターです。20年以上にわたりガソリンストーブを使用しており,ガスストーブは心もとないと思っていました。このウインドマスターはそういった不安を払拭するのに十分な火力をもっており,横風に強いのも特長です。風防とかなしに安定した火力を生み出します。
2泊3日をフリーズドライ製品で過ごしましたが,ボンベ1個で十分でした。なのでこれからは,より軽量なガスストーブを利用しようと思います。

一方,クッカーは,DUG(ダグ) POT-L DG-0208 という製品を使用しています。このクッカーには,ガスボンベとウインドマスターがきちんと収納できます。自動添加のストーブですが,百円ガスライターも予備に持参しています。あと,オレンジ色のカラトリー(エコソウライフ)は,自然に還る素材でできており,なんとなく質感が良かったので購入しました。

写真2 ウインドマスターとカラトリー
どうでも良いことなのですが,赤ワインもペットボトルに入って売られているので,有り難いですね(写真3)。トレッキングにはメンテナンスが楽なクピルカのククサを愛用しています。話は変わりますが,弥四郎小屋でキンキンに冷えた生ビールが飲めて感動しました。

写真4 弥四郎小屋の生ビールとククサ
通常のナルゲンボトルですが,OTF用キャップに変えました。キャップをいちいち回さなくても良いので,◎です。

写真5 
OTF用キャップをつけたナルゲンボトル
今までガーバーのナイフを使用していたのですが,そんなに大げさなものは必要ないと思い,スイスアーミーナイフに変えました。親指を引っ掛けやすいように丸い穴がついています(写真6)。マルイチベーグルをランチに食べました。

写真6 スイスアーミーナイフとベーグル
【寝袋】寝袋はコンパクトなポリゴンネスト4x3(写真7)というファイントラックの製品を使用しました。重さは430 gで収納時の大きさも13 x 26 cm と,非常にコンパクトです。 素材的にカシャカシャした感触なのですが,すぐに慣れました。それよりも,水に濡れてもある程度の保温力は保てる,乾きやすい,などの点を考慮しました。ダウンも魅力的でしたが,日本の気候を考えて雨に強いモノを選びました。これまで,このポリゴンネストの2倍ぐらいの大きさで重さも1キロ以上のものを使用していましたが,この大きさに慣れてしまうと,あとには戻れないですね。もう少し寒くなったらシュラフカバーをつけて,防寒対策をしたいと思います。

写真7 ファイントラックのポリゴンネスト4x3
【寝袋,マット,テント】この3点セットで重さは約2.5キロ。これまで使用していたテントは,3.4キロでした。時代とともに装備はどんどん軽くなっていきますね。

写真8 ポリゴンネスト モンベルのマット NEMO TANI 

【移動する】僕はバルトロ75というグレゴリーの製品を利用しています。現行モデル(2015)より一つ前のパックです。バルトロはヒップベルトが素晴らしいです。
バスの移動とかでベルト部分の収納に苦労しますが,この製品の問題ではありません。。。山行でのゴミは全て持ち帰りなので,ゴミとともに移動することになります。プラチナドンキのプラスチック袋は,丈夫で重宝しました(笑)

写真9 バルトロ75にプラチナドンキ
【まとめ】今回,食料重視でいきましたが,フリーズドライ製品は思ったより美味しかったです。僕のオススメは,シチューとカレーです。また,ペパロンチーノもいけてました。一方,いまひとつなのはチャーハン系でした。水で戻しますから「炒めもの」の再現はどうしても難しいですね。
あと意外に馬鹿にならないのは,反射素材のガイロープです。テントサイトは真っ暗ですから,自分のテントの位置を知るためにも重宝しました。

ここでは紹介してませんが,太陽光で充電するLEDランタン,カモノハシマークの折りたたみ式ボトルも重宝しました。あと,GPSアプリは必須ですね。

今回はゴーリキ系の山行でしたが,重量をギリギリに切り詰めたトレラン的な山行も興味があります。装備を変えることで,趣向がまったく違ったトレッキングになりますので,これも楽しみの一つだと思います。ご参考になればさいわいです。

2015-08-20

「現在」「過去」「未来」 8月13日,午前 3:08 に気付いたこと

今日は少しだけ真面目な話をします。

われわれが,実際に物理的に掴むことができるのは,「現在」に存在している形あるものです。

また,大切なのは「過去」におきたことでもなく,「未来」におきることでもありません。大切なのは「今を生きること」です。

わかりきったことですが,それを実践するのは難しいと思っていました。

一方,われわれの抱えている問題や悩みは,「過去におきたこと」と「未来におきること」で占められています。現実には存在しないものに,心を煩わされているのも事実です。

夏の休暇を取って8月9日に尾瀬に入りましたが,僕の心には引っかかるものがありました。空は晴れているし,まさに絶好のハイキング日和でした。まあしかし,ちょっとした瞬間によぎる気持ちで,暗く沈み込んでしまうこともありました。

13日は実家で夜の9時頃までペルセウス流星群を探してねばりましたが,眺めることは叶いませんでした。眠りについたのは,11時頃だったと思います。

色々考えながら眠ったせいか,夜中に目が醒めてしまいました。やがて心は曇った糸に絡め取られるように,鬱々としてきました。僕にはよくあることで,何度か寝返りを打ちながら夜が明けるパターンです。またかと思いながら,うつらうつらしていました。

しかし,13日の夜は,いつもと違ったのです。

それは,

「すべてを,まるでそこにあるのかのように,つなぎとめておくことはできない」

「手でつかまえられるのは,今,目の前にあるものだけ」

ということを,よくわからないけれども直感したのです。

毛糸玉のような意識が中空に浮かんでいて,それが幾千本もの細かい糸でつなぎ止められている感覚がイメージされました。そしてその細い糸たちは,ゆるやかに消失していき,最後には丸い意識だけになったのです。

「思い,不安,欲,執着心,,,」というたくさんの細い糸で,自分の意識を,まるでそれらがないと壊れてしまうのかのように,繋ぎ止めていたのです。

「つなぎとめておくことはできない」と思ったときに,それらの糸はなくなり,とてもリラックスした感情が押し寄せました。この感覚はとても軽やかで,大切だと思ったので,枕元にある iPhone で時間を確認しました。

それが,2015年8月13日の 3:08 でした。

大切なのは,今を生きることです。しかし,この感覚をきちんともつことができませんでした。自分の意識を細胞骨格のように取り巻いていた「細い糸たちの切り離し」を行うことで,「今」が見えてきた感じです。

僕はこれまで,自分だけではなく周りをも強くコントロールしようとする気持ちが強すぎました。しかし,「過去におきたこと」,そして,「未来におきること」もコントロールすることはできません。そういった執着を午前 3:08 に手放したことで,気持ちがラクになりました。

あまりにも強すぎる願いは,かえって人を弱らせます。

まだ観察中ですが,この感覚と寄り添っていたいです。こういったことが穏やかにわかってくるのも歳をとるという恩恵なのでしょう。

皆さんの気持ちが少しでも晴れやかになれば,さいわいです。











2015-08-01

スリーシーズンのテントはこれだ: NEMO TANI 2P

二十代の終わりから,ノースフェイスのVE-23というテントを使用してきました。大人が3人ラクに寝られるようなテントで,まだまだ現役です。今年の夏もVE-23で山に行こうと思っておりましたが,ポールの長さが80 cmぐらいあって,ザックからはみ出してしまうのが難点でした。また,重さも4 キロ弱。。。もう50を越えたので,山に苦行を求めなくてもいいかな? と思うようになりました。

そこで,現在の主流でもあるライトウエイトテントを探してみようということになりました。

最終的に,2人用でありながら 1.23 kg という超軽量の「NEMO TANI 2P」を購入しました。これに専用のフットプリント (テントの下に敷くグランドシート) もあわせて購入しました。あと,付属のペグは最低限必要な5本なので,それに7本足してガッチリ固定したいと思います。なのでガイロープも別途購入しました。

テント本体・フライとポール。ナルゲン1Lのボトルと比較するとそのコンパクトさがわかります。

http://www.iwatani-primus.co.jp/

あらかじめ,テント本体とフットプリントをつないでおいたほうがいいかも。

四隅のポール差込口に装着。

あとはテント本体のフックをポールにかけて,フライをかぶせれば完了です。一人でも数分で組みたてられます。

コンプレッション式のスタッフサックに組み立て方が書いてあります。
あらかじめフットプリントとテント本体をジョイントしておいたほうが,現地での設営がラクです。テントを収納するスタッフバッグはコンプレッション式で,フットプリントを付けたままで収納が可能です。このへんも親切な作りとなっております。

設営場所についたらフットプリントと本体をばっと広げて,本体4隅についているプラスチック製のポール差込口にポールを入れ,この自立したポールにテントについているフックを引っ掛けるだけで設営が完了します。たったのこれだけです。
ものによっては,ポールをテントにセットするときに,すごく力が必要なものもあるのですが,NEMO TANI 2P は女性でも簡単に設営することが可能です。

僕が2人用テントを購入する上で注意したのは,

1. 重さが2キロ以下であること
2. ポールの通しなど設営がラクであること  
3. ポールがカーボン製でないこと

です。軽量化のためにカーボン製のポールを採用しているメーカーもありますが,縦にピシっと割れたという記事を読むことがあります。一方,NEMOのほうは,DAC社製のなかでも接合部強度が高いアルミ素材を使用しています。また,このテントも2代目ということで,改良が加え続けられております。

唯一,僕が気にしたのは,ポールを装着する部分の受け手です。この部分はプラスチック製なので,その強度に不安がありました。しかし,粘着質的にWebで検索したのですが,この部分のトラブル報告もありませんでした。

総合的な評価で,NEMO TANI 2Pにしました。まだ山行にいっておりませんが,使用レポートなどは改めて報告いたします。

いやしかし,今のテントは本当に軽いです。山の備品はお金をかけることで軽くなっていくので,財布にはやさしくはないですね。。。

つい最近,テントを Zerogram El Chalten 1.5P に変えました。コチラでレビューを書いてますので,よかったらどうぞ。

2015-07-26

論文と研究者

4月の半ばに出した論文が,昨日,ようやくアクセプトされました。論文審査に加わった2人のレビューワーも好意的で,追加実験の指示もなく,久々にすんなり通りました。

本来,論文のレビューシステムというものは,自分の研究領域に近い研究者が論文の査読をすることで,論文のブラッシュアップをおこない,より質の高い論文として,世の中に送り出す役目を背負っているのですが,まあなかには,重箱の角をつつくようなコメントを頂くことも,多々あります。それでも,全てのコメントにレスポンスしなければ,リジェクトされる確率が高くなりますので,「めんどくせーな」と思いながら,黙々とこなす必要があります。なので,変にプライドが高い人間とか,他人の意見をふだんから聞けない人間は,研究者には向いていないのかもしれません。

話を元に戻すと,
今回の論文は,データ量が足りないと判断されるかもしれないと思って,レビューワーのコメントを想定した追加実験もしていたのですが,結局,既存のデータを全部吐き出すことでOKでした。

なので,今あるデータは次の論文にまわせるので,ツイていました。まあしかし,しつこいようですが,こういったことはそんなにないです。

なので,本日は,晴れ晴れとした気分で週末をおくっています。

研究者は潜水艦の乗組員みたいなものだと思っております。ほとんどのデータは水面下にあり,それらがまとまると,久々に陸に上ることができます。まあしかし,それもつかの間で,また大海原の深いところに潜っていきます。

晴れていても,曇っていても,水面下で黙々と仕事をこなし,アクセプトという陽の目を見る機会は1年に何回もあるものではありせん。

まあそれでも研究が好きだから,続けていられるのでしょうね。

*****

2日前に,蛍光顕微鏡にて,とあるタンパク質の培養細胞内での挙動を観察しました。FLAGタグで標識されたそのタンパク質は,顕微鏡下で眩い緑色の蛍光として検出することが可能です。眼下にある細胞はとても美しかった。

また,研究の世界に戻ることができて,幸せです。

2015-06-09

徒然に思う: あと10年!

 カナダ留学から帰国して,北里研究所に戻ってきたのが1999年で,それから自分のラボを立ち上げ,気がつけば今年で50歳。天から授かった命を知る年頃になりました。研究に残された時間はあと10年ちょっということになります。漠然とひろがっていた研究領域もこのような現実を突きつけられると,当然できることは限られてきます。この10年間は自分の好きなように基礎研究を行いました。あと10年は何をするのか,いや,何を残したいのかということを,昨年あたりから自問自答しました。結論として,今後10年を人材育成と社会還元に使おと思いました。もちろん論文を出して行くことは研究者として重要だと思います。しかし数年前の論文ですら,すぐに忘れ去られてしまいます。研究者は前に進むことによって,研究者としての存在理由があるのですから,あとに論文が残されるとい思いは自己満足にしか過ぎません。しかし,若い人材により良い研究環境を与えることができたのなら,彼ら彼女らが独立したときに新たな種子が蒔かれるでしょう。そのときに私が論文としてまとめてきた「こと」が先へと繋がっていきます。

 カナダから帰国し日本で研究を開始したときに,腸管病原性大腸菌の仕事ではワクチンにならないと言われました。北里研究所が製造しているバクテリア関連のワクチンのなかで,III型分泌装置をもっているものは百日咳菌しかありませんでした。III型分泌装置は私のメインテーマでもあり,ここは主軸としたかったので,必然的に百日咳菌関連の研究テーマになりました。そこで百日咳ワクチンの改良についてワクチン製造部の先輩に申し出ると,「その必要はない!」と断られました。私は先輩から免罪符をもらったような気持ちになり,ワクチンの研究をすることもなく,つい最近まで基礎研究を続けてきました。しかし百日咳は全世界で再興感染症と認識されるに至り,ワクチン接種率が高いにも関わらず患者数が増加の傾向にあります。このようななかであと10年で何をするのかという個人的な問いかけが始まって,最後はワクチン開発で勝負しようと思いました。もちろん基礎あっての応用のスタンスは崩しませんが残りの10年は社会還元することで,これまでお世話になった方々へ感謝をこめてペイ・フォワードしていきたいと思います。


 さて堅い話はこれでおしまいにします。研究者として一番重要なのは,自分でこれだと思ったらとことん突き詰めることだと思います。そこには精神的な苦痛が伴うかも知れませんが,何かを成し遂げたいと思ったら,覚悟を決めることだと思います。またバランス感覚も重要です。私は毎週必ず総合格闘技のジムで汗を流すようにしています。42歳からブラジリアン柔術を初めて,かれこれ7年になります。習い始めた当初は,家に帰るだけのエネルギーしか残っておらず,家についてそのまま動けないまま朝を迎えたことが何度かあります。それまでは研究のストレスで不眠症だったので,何も考えることができずに朝を迎えることができて,とても落ち着いた気持ちになったのを覚えています。昨年は,練習中に肋骨を折って長らく戦線から離脱しておりましたが,ランニングという趣味も加わりました。しかし,東京マラソンは抽選から外れました。総合格闘技のジムで嬉しいことは,高校生ぐらいの子が徐々に体力をつけて,やがては私を追い越して,プロになっていくステップを歩むことができたことです。

追記:特定領域のニュースレターに掲載されたものです(2011年1月執筆)

2015-05-30

食指が動かない Apple Watch。。。

Apple Watchがリリースされからしばらく経ちますが,今回は何か「すごい!」と思いませんでした。


僕なりに時計に求める基準があって,それは,


  • 充電する必要がない
  • 時刻を合わせる必要がない
  • カレンダーも合わせる必要がない
  • シュノーケリングぐらいなら大丈夫な防水

一番重要なのが,何もしなくとも正確に時を刻んでくれることです。あと,アラーム機能がついていれば最高ですが,電子音のピッという音はそろそろ再定義されても良いかと思います。

さて,Apple Watch ですが,僕が今ひとつだと思っていることは,母艦の iPhone がないとその機能を十分に発揮することができないということです。

あと,GPSは実装して欲しかった。どうしても実装して欲しかった。そうすればランニングのときだけでも,Apple Watchをつけて走りたいと思いました。

もちろん,Apple Watchはつけてみなければわからない良さがあるのかもしれませんが,老眼の僕にとって,あのチマチマした液晶で何かをやろうという気がありません。

その点,シチズンのプロマスターは上記の基準を満たしており,しかもチタン製です。この軽さになれると,重いステンレス製にもどることができません。

なので,Apple Watchに,GPSが実装され,駆動時間も3日ぐらいになったら買おうかなと思います。今思えば,iPhoneも初代と比べるとかなり進歩しましたし,実現可能な技術だと思います。

僕はアップルの新製品がリリースされるたびに,飛びついていましたが,今回ばかりは今ひとつでした。次のバージョンに期待します!

2015-05-25

「ライフハックで雑用上等」のブックレビューが実験医学に掲載

「ライフハックで雑用上等」のブックレビューが実験医学(vol.33 No9)6月号に掲載されました。

うれしいことに,僕が敬愛してやまない A. Hill 教授(Pond Univ.)が寄稿された書評であります。ものすごく忙しい先生なので,本当に恐縮しております。

A. Hill 教授については謎に包まれている部分も多いのですが,オートファジーの世界的権威者であり,マラソン好きで,アヒル年生まれ,ということがわかっております。

A. Hill 先生による "ロジ裏" 的な書評はウイットに富んでおり,「何でもかんでもいいから A. Hill 先生の書いたものが読みたい」という気持ちになってしまいます。さいわいにも,先生の文章はこちらに収蔵されております。A. Hill 先生に興味をもたれた皆様は,是非とも訪れてくださいませ。

書評には「格闘技系教授の生活と意見」を執筆してほしい,との要望もございました。また,「著者が,全然研究者にみえないところもいい」と,お褒めの言葉をいただきました。

「ライフハックで雑用上等」を執筆したことで,A. Hill 先生からとても楽しい書評をいただくことができました。A. Hill 先生に深く感謝いたします。また,このような執筆の機会を与えて頂きました羊土社の皆様に感謝いたします。

先生の書評にも触れられておりますが,僕は Carpe Diem というところで,ブラジリアン柔術の稽古に励んでおります。道場主の石川先生に紫帯を頂きました。道場は様々な職業のかたが寸暇を惜しんで稽古にきております。
本書の,鮮やかでひと目を引くカバーデザインは,Carpe Diemで一緒に練習している戸倉さん「トサカデザイン」にお願いしました。また僕のプロフィール写真は,写真家の石毛さん(RINTARO ISHIGE OFFICIAL WEBSITE)に撮ってもらいました。ふだんはモデルさんとか美的な被写体なのに,無精髭をはやしたオヤジですみません。。。

戸倉さん,石毛さん,ともに柔術の紫帯。次は誰が一番はじめに茶帯をとるのか楽しみです。

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常々,「僕はほんとうに一冊の本を書き上げることができるのだろうか?」という素朴な疑問がありました。そして,羊土社さんのお世話になり 2冊の本を上梓することができました。

そして僕は本格的に研究の領域に戻っています。本書を通して,自分の立ち位置を再確認することができました。

ラボの規模は小さいのですが研究者としてどこまでいけるのか,ライフハックを活かして実験とラボのマネジメントを両立していきたいと思います。

A. Hill 先生,書評,ほんとうにありがとうございました。

Photo by Rintaro Ishige

2015-05-09

FieldAccess2 の使用環境を aLOKSAK で完璧なものにする

山行には,iPhoneアプリである FieldAccess2 を愛用しています。

FieldAccess2 の画面。山行で利用する紙ベースの25000分の1地形図(国土地理院発行)をデジタル化したもので,日本地図センターが販売しています。紙ベース地図をもっていくことは必須ですが,稜線で風に吹かれた場合にはこっちのほうが便利です。
高校1年のとき,冬の安達太良山で遭難しかけたことがあります。広い稜線でホワイトアウトになりました。なんとか助かりましたが,心臓が締め付けられる恐怖感を味わいました。

iPhoneをもっているのなら,FieldAccess2 の利用をオススメします(ガーミンがあれば最高ですが)。

iPhone が圏外になっていてもGPSは絶えず動作しています。FieldAccess2 にあらかじめ地図をダウンロードしておくことで,圏外でも GPS と連動したマップ表示が可能となります。

人間はパニックになると,ついつい自分の都合の良い方向に歩いてしまいます。ホワイトアウトになっても自分の位置さえきちんと把握していればパニックになることはありません。山行を重ねていればホワイトアウトには確実に遭遇します。

何も見えないので,地図とコンパスだけで切り抜けるのは難しいです。また,吹雪のなかでは地図を広げることもできません。GPSがあれば遭難する割合は確実に減ります。

まあしかし,前回の磐梯山では雨にやられ, iPhone 画面に雨粒が落ちてきて,サッと見てサッとしまうというような貧弱な環境でした。そこで防水ケースを探していたのですが,山のお店で aLOKSAK という防水ケースを発見しました。正確に言うと防水完全対応のジップロックみたいな製品です。なのでポケットに入れてもかさばらないし,また,タッチパネル操作が可能なので雨風を完全にシャットアウトした状態で FieldAccess2 にアクセスすることが可能です。

体調が悪いときに登って雨に降られ激しくやられました。僕以外に誰も登っていませんでした

今回の山行は天候に恵まれていたので悪天候でのテストはできませんでしたが,タッチパネルの認識も大丈夫でした。

ジップロックに近いつくりです。まあでも,ポケットにも入れやすいです

とにかくも,山においては,身体も機器類もドライに保つことが大切ですね。




くろがね小屋: 源泉掛け流し完備の最強山小屋です

今年のGWは,安達太良山に行きました。

頂上からの眺め。こんなに晴れたのは,はじめてです
頂上付近の稜線。冬の安達太良山の稜線はハンパなく厳しいですが,この日は穏やかでした

この山には何度もお世話になっているのですが,山頂から少し下ったところにある「くろがね小屋」には泊まったことがありませんでした。

くろがね小屋。源泉掛け流し温泉完備の最強山小屋です

山開き前なのでゆったりと小屋泊まりを楽しむことができるのかと思いましたが,期待に反して満員状態でした。最初はギシギシでやだなあと思いましたが,同じ趣味ということもあり,すぐにまわりの人たちと打ち解けることができました。


使い古された小屋は整理が行き届き清潔です
僕が山小屋についたときは3時頃でしたが,結構,盛り上げっておりました。登山客の多くはアルコールを持参して,目の前に広がる雪棚で冷やし楽しんでいました。ちなみにビールや日本酒も山小屋で販売しています。キンキンに冷えたビールが飲めるのは,残雪期の醍醐味でもありますね。

くろがね小屋。まだ雪がたくさんあります
面白いのは,この山小屋の晩御飯は,デフォルトでカレーらしいです。晩御飯はカレーのみ。しかしこれがとても美味しかった。お代わりが自由なところも素敵でした。ちなみに朝はカレーではなく味噌汁付きの日本食です。温泉卵も添えられており,こちらも温かみが感じられました。また,自炊も可能です。

名物のカレー

さて,晩御飯が終わると,白色に濁った源泉掛け流しの温泉を楽しみました。浴場で他の登山客に話を聞いてみると,この温泉を目当てに関東からやってきたとのことでした。温泉付きの山小屋,たしかに贅沢といえば贅沢ですよね。

温泉で疲れをとったあとは,ペットボトルに入った安ワインを楽しみ,他の登山客の楽しい話を聞きながら,なんとも言えない一体感に包まれました。

ククサにちかい感じを醸し出すカップ。ワインのペットボトル入りはありがたい
これまで,ソロのテント泊がメインであったので,山でこのような楽しい雰囲気はなかったです。じゃあ何でソロでテント泊なのかというと,新田次郎「孤高の人」の影響が強いのでしょうね。
僕は若い頃,ソロで登れば精神面も鍛えられるのかと思いましたが,そんなことはありませんでした。。。なので,これからは家族と一緒に登る小屋泊まりもいいかなと思うようになりました。

9時になると,発電機が一度だけブルっと震えて,それからは静寂が訪れました。消灯になっても修学旅行生のようにガヤガヤしているのかなと思いましたが,そんなことはなく,皆,眠りについたようです。僕もすぐに寝てしまいました。

小屋から眺めるお月様

ということで,5月の連休あたりに残雪期の山々を楽しみたいと思うのなら,安達太良山で,くろがね小屋という選択肢もアリかと思います。

遠くに見える頂上。雪も緑も楽しめます