2012-09-30

情報発信

先日,何気なくラボのホームページを見ていたらマップがリンク切れになっていました。「終了しました」みたいな札がぶらんと揺れている画像が,哀愁を誘いました。

今まで,アップルのiWebでラボのサイト管理を行なっていたのですが,最近はメジャーアップデート,ありません。多くの人々はウエブ発信よりもより簡単なブログ,よりライブ感のあるツイッター,より親密なフェイスブックに移っていったことで,iWebという路線はメンテナンスモードになったのでしょう。

そうは言っても,インターネットによる情報発信は必要なので(まあこれもフェイスブックでいいのかな),違うソフトを探してみました。最終的にBiND5というソフトに決定しました。独特のインターフェースで最初は戸惑いましたが,1) ボックス構造でサイト内を作る,2) ボタンやバナーは独自のインターフェイスで作成する,ことを理解できれば,あとはすんなり行きました。iWebと比較して見栄えは良くなったと思います。あとは Publicationsに入れる中身だけです(笑)。まあ,みんな見るところは一緒ですからね。

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あとツイッター,やめてしまいました。当分の間,フェイスブックとブログに集約します。深い意味はないのですが,情報の収集と発信のバランスを考えてみると,収集過多だったような感じがします。

これから台風がきますので,このへんで。。。


2012-09-24

蝶々の心臓 : 石川祐樹 写真展

僕の趣味はブラジリアン柔術です。世間一般にはグレイシー柔術といったほうが,理解されやすいのかも知れません。

普段はトライフォース青山(TFA)というところで,練習に励んでおります。大学から自転車で15分ぐらいのところにあって,ストレス発散に汗を流しています。

TFAでは,石川先生のご指導を受けております。先生にお会いしたのは,柔術の出稽古でした。2ヶ月間限定で,先生のお世話になるはずが,そのままTFAに籍をおくことになりました。

↓の写真は僕のスパーリング風景です。研究室で優しい先生?と言われていますが,本当の僕はそれなりに強いのです。

石川先生は,こういったジム生の写真も撮っています。生徒としては,格好いい写真を撮ってもらって,モチベーションが激しくあがります。そんな僕らの先生が,新宿で写真展を開くことになりました。

詳細はこちらをどうぞ。

僕は週末に行こうと思います。








2012-09-23

CROSS ROAD

音楽朗読劇,CROSS ROAD を観に行きました。朗読劇って,少々無理があるんじゃないかと思っておりました。しかし,そこは数々の新境地の開拓されておられる藤沢文翁さんが手がけた脚本だけあって,最後までのめり込みました! しかも,音楽朗読劇なのに,リアルな情景が目の前に,ばぁっと広がりました。

チビも,次回はもう少し前で観たいと,興奮していました。子供にはまだ早すぎるとか,子供には理解できないだろうとか,そういったことをあんまり考えずに,いろんな世界,しかも,本物の世界をみせてあげることは,重要だと思いました。

何かを体験して,身震いがする境地,完全にのめり込める世界が,何らかの拍子で見つかるかもしれません。何かをものすごく極めたい,その延長線上に学問とか大学があるのであって,それが逆転しまうと,いつまでたっても自分探しの旅が続いてしまうのかもしれません。

僕が研究の領域が好きで,未だにサイエンスの領域に関わっているのは,どんな小さな発見でも,未だに身震いがするぐらいに感動するという事実です。それをラボの人たちと共感できれば,なおさらです。

人生の岐路,そして,様々な選択の積み重ねのなかで,自分というものが決定付けられていきます。ついつい自分の不運を,外的要因に見出そうとしてしまいますが,苦しい岐路に立っている時でさえ,選択をしなければなりません。立ち止まっていても,時は流れていきます。僕はもちろん天才肌ではありませんが,色々な選択の中で,自分の軸を通して生きていくことは可能であると思っています。大義名分の研究よりも,自分の軸を大切にしたいと思います。

2012-09-17

第11回韓日微生物学シンポジウム

 韓国の古都・扶余というところで,韓日微生物学シンポジウムが行われました。日本側のオーガナイザーは細菌学会理事長の神谷 茂先生(杏林大学)で,スピーカーとしてご招待頂きました。また,細菌学会国際交流部会担当の桑野剛一先生(久留米大学),神谷先生のスタッフには,細々としたアレンジを行なっていただきました。ありがとうございました!

 羽田から飛行機にのって2時間弱で金浦空港につきました。そこから扶余までマイクロバスで移動したのですが,韓国の運転手はものすごく飛ばしますね。生きた心地がしませんでした。シートベルトに自然に手が伸びていきました。

 そして,怒涛の2日間でした。帰りの飛行機のなかで,機内食をつつきながら,ビールを飲まない理由はなかったので,ちびちび飲みながら,僕なりに現状分析を行いました。

 結論として,日本細菌学会を母体としている細菌学関連(他の基礎系はあまり知らないので)の研究は,ぎりぎりで韓国と同じラインで並んでおり,あと数年後には確実に追い越されるかも? と思いました。そういった勢いを,確実に感じたのです。また,韓国では若手研究者がはやくから独立したポジションについて,良い研究をしているのが,はっきりとわかりました。また,研究の切り口にしても,旧来にこだわらない攻め口を展開していると思いました。僕は4年前に同じ学会に参加したのですが,正直言って,上記なようなことをまったく考えもせずに帰国しました。しかし,このころから韓国側での構造改革が確実に進んでいたのでしょう。

 日本細菌学会でも「細菌学若手コロセウム」などを積極的に支援し,若手研究者の育成に取り組んでいますが,もう少し突っ込んだところでの改革が必要なのかもしれません。韓国では,サバティカル制度を含めて米国型の研究体制を敷いているようですし,システム的なものが,じわじわと,効いてきたのでしょうか。あるいは根性でしょうか。このへんについては,もう少しリサーチしてみます。

 今回は,久留島君(現:群馬大学医学部)が発見したボルデテラ属細菌の分泌性転写調節因子BspRをメインに発表しました。III型分泌装置によって分泌される因子が,菌体内のタンパク質発現を含めて,何故,グローバルに調節しているのか? について興味があります。このへんについては,さらに踏み込んでいく必要があると思っています。

 会期の2日間,結核の研究をされている松本壮吉先生とじっくり,お話をする機会を得ることができました。また,東大医科研の笹川千尋先生とは羽田発着のフライトでしたので,空港のラウンジで,かなりまとまったお話を伺うことができました。研究の進め方,PIのあり方,論文でのプレゼン方法など,とても刺激的でした。ちょっと蒸し暑かったので,僕はかき氷を注文したのですが,僕が想像していた大きさよりもはるかに大きく,話している内容と,かき氷が妙にアンバランスでした。
 
 あと,面白かったのは,僕の拙い韓国語で若手研究者に色々と伝えようとしましたが,まったく通じませんでした。最後にわかったのですが,ベトナムからきている留学生でした。。。どうりで蔘鶏湯とか景福宮とかいう単語がわからないのも,理解できました。ビビンパを遠慮しながら,混ぜていると,もっと混ぜろと言われたのも,良い体験でした。

 2年後には,同シンポジウムが日本で開催される予定です。僕らのラボでは,どんな研究が進展しているでしょうか? 百日咳は世界レベルで増加傾向にあるので,何とかそれを止めるような未来を,見ています。  
 

2012-09-10

ポットラックパーティー

先週,金曜日は,ラボにて納涼会を開きました。

いつもは,肉のハナマサで大量に仕入れてきて,焼肉パーティーになるのですが,外国でよくやるような「ポットラックパーティー」にしました。皆が何かを持ち寄っておこなうパーティーのことをさすのですが,各自の趣向があって非常に楽しかったです。修士の西村君は,本格的なスペアリブでした。お母様に作って頂いたそうです。これにあわせて,久留島君から頂いた白ワイン,卒業生の佐久間君から送られてきた山形のお酒も美味しく頂きました。ありがとうございました!

薬学からは,Hねだ先生とMリヤ先生も参戦して頂きました。皆が持ち寄ってやるパーティーも楽しいですね。今年度の卒研生は日本酒が好きで,ということは各自の限度を知っているので,安心しました。

日本でこのようなパーティーをおこなうと,ついつい華やかになってしまいます。僕はカナダに4年間留学しましたが,本場のポットラックパーティーでは,いろんなものがありました。一番驚いたのは,Safewayで大きなパンを買ってきて(2ドルぐらい),他の人が持ち寄ってきたBBQをたくさん食べる奴が印象的でした。

他のポスドクからは,あいつはStingyだからな! と陰口を叩かれていました。夏のある日のポットラックパーティーでは,道端にとうもろこしが10本ぐらいで,これも1−2ドルで売られているのですが,それを持ってきたのです。ほとんどのポスドクは,きちんとオードブルを作ってきたり,BBQ用のお肉を買い込んでくるので,そいつがとうもろこしを,しこたま持ち込んだときには,皆の目が点になりました。

そしてなんと,その大量のとうもろこしを,

僕のBBQセットに突っ込んだのです。

で,そいつは案の定,他のポスドクがもってきた肉類を食べるのに忙しく,とうもろこしが焼けすぎて,もうもうと,燃えあがってしまったのが印象的でした。あとで掃除をするのが大変でした。日本では,このようなタイプの女性にあうことはないでしょうから,スケールの大きさに驚くばかりでした。

僕はバンクーバーに住んでいました。世界で一番住みたい都市,みたいに言われますが,どうでしょうかねー。11月ごろから雨がふりっぱなしで,それが3月ぐらいまで続いたかな。実験が失敗して,どんよりした雨雲を見つめながら,さらにどんよりしてしまったのを覚えています。

実際に住んでみなければ,その都市が自分に本当にあっているのか,わかりません。

とりとめもないので,このへんで。。。



2012-09-08

Scrivenerでプレゼン準備

あっという間に8月が終わり,来週は,韓日微生物シンポジウムのために,韓国へ出張です。

ということで,シンポジウムのプレゼンファイルをKeynoteで作成しています。英語でのプレゼンは,必ず原稿を用意しています。プレゼンは時間内に終わるのが鉄則ですが,英語でのプレゼンだと,どうしても時間の感覚がずれてしまいます。そのため,原稿で下ごしらえをして本番に望むようにしています。もちろん本番は,原稿なしに進めなければなりませんが。。。

これまで何度かにわけて,Scrivenerで物書きを行う優位性について,このブログで述べてきました。実はScrivenerには,強力なプレビュー機能がついているのです。

僕の場合,原稿を左側のカラムで開いて,右側にKeynoteで作成したファイルを開きます。Scrivenerでは何事もなかったかのように,Keynoteファイルが展開します。↓の画像では最初のタイトルがあらわれていますが,マウスでプルダウンすることで,次のスライドに進めることが可能です。

右側のスライドを送りながら,プレゼンで話すべき内容を,左側のカラムでまとめることが可能です。ワードとKeynoteを同時に開いても同じようになりますが,ワードの醜悪なメニューやポップアップにつきあうことになります。Scrivenerだとすっきりした画面で集中することができるのです。また,Keynoteファイルは,Scrivenerから展開して,プレゼンファイルを訂正することも可能です。

↓に紹介したプレゼンファイルと原稿の画像はドラフト版です。これからじっくり練り直す必要がありますが,このようなプレゼンの資料作りにも,Scrivenerは威力を発揮します。

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以前,フランスでの学会に,呼ばれたことがあります。そのときは文科省の特定領域研究専門委員会も担当していて,準備期間が圧倒的に足りなくて,朦朧となりながらフランスにつきました。フランス人はお昼からワインを飲んでも全然平気なようでした。無碍に断るのも,なんですので,つがれたワインを飲んで時差ボケのなかでの発表となりました。

それからは,僕のなかでのワーストプレゼンとなりました。次に出てくるスライドがまったく思い浮かばずに,頭が真っ白になりました。焦れば焦るほど,しどろもどろになっていきました。こういった経験は一度でたくさんです。まあでも良い経験となり,プレゼンに関して,より慎重になりました。

プレゼン準備もScrivenerが便利ですが,実際のプレゼン内容は,Scrivenerで自動生成できませんので,ああでもないこうでもないと,試行錯誤ちうです。