2010-04-14

リアルタイムで論文作成1

現在,修士学生さんの研究内容をまとめているところです。卒業してから何度か来て頂いて,こちらもまとまった時間を作ってというか,時間の寄せ集めを行い,何とかここまで辿り着きました。本日,サバイバル試験についてログランク検定や,他のグラフの有意差検定を終わらせ,やっと図の断片をまとめることができました。生物学的な統計解析を行なう場合には,Prismというソフトがお薦めです(堀口さん,ありがとう!)。各種グラフをPrismで作成した後は,グラフを最高解像度で画像化してエクポートし,イラストレーター上でまとめ上げて行きます。グラフの文字・数字の部分はジャギーにならないようにイラレ上で再度打ち込んで,私の場合,9-10 ポイントのHelveticaで統一して作成しています(ま,ジャーナルによって推奨フォントが異なりますが)。イラレが好きな理由として,イラレで編集可能なPDFとして保存することができる点ですね。論文を送付するときには,ほとんどの雑誌社がPDFを推奨していますので,無駄なファイルを増やさないためにも,イラレは重宝しています。

作図後,プリントアウトして,スタッフとディスカッションを行い,細かな部分を詰めました。とりあえず,図の全体像が完成。

明日からは論文を書いていきます。ジャーナルの投稿規定を熟読して,まずタイトル,アブストラクト,イントロ,結果,考察,,,という順序で,骨子となる項目を書き込んでいきます。ここからはMindMapを使って骨子を考えていきます。例えばEPECのエフェクター関連のイントロなら,EPECの大凡の病原因子論,病原性発揮にはIII型分泌装置が関与すること,III型分泌装置の基本的な概略,次いでそこから分泌されるエフェクターの概要,エフェクターのレパートリー,次いで論文の題材となるエフェクターに触れ,これまでの報告があるのなら簡単に触れて,今回の論文で何を明らかにするのか焦点を絞って,イントロの最後に非常にさらっと論文概要を述べて,読者を引きつけてから,結果に入っていきます。まあこの辺の流れは,何を強調したいのか,また各ジャーナルの性質(専門誌なのか一般誌なのか)によっても異なります。

話を戻すと,それぞれの骨子をMindMapで決めてから書き始めると,ぶれません。上記イントロの例で説明すると,[EPECの大凡の病原因子論], [病原性発揮にはIII型分泌装置が関与すること]が個々の分岐となります。大枝である[EPECの大凡の病原因子論]は,さらに[EPECは主に乳幼児に下痢を起こす],[EPECの類縁菌としてEHECがある]という小枝に分岐していきます。あとは文章を各枝に従って紡いでいけば良いことになります。骨子の部分が決まらないままに書き始めると,重複があったり,文脈が前後したりと,あとで大変な思いをすることになります。まあ,散々な思いを今までたくさんしてきたので,骨子の重要性を述べているのですが。。。

ということで明日からいよいよ本番です。
いやしかし,図の構成が決まったので,あとは前に向かって突き進むだけです!
明日からはiMindMap, ワード,EndNote, Papersというソフトが主戦場となります。

それでは〜。