2010-04-25

1Q84 読了

1Q84読了しました。
今回の作品は,とてもメッセージ性が強かったと思います。
一つだけ補足事項。

登場人物の川名天吾の耳は,「カリフラワーみたいにくしゃくしゃしている」という箇所がありました。彼はずっと柔道部に所属していたことから,畳でこすれて最終的に「カリフラワー耳」になったのでしょう。格闘家の間では一般的に「耳がわく」と言いますが,実はこの耳がわくというのに憧れたことがありました。しかし,カリフラワー耳形成における初期段階では内出血を起こして,耳がぱんぱんふくれるのでかなり痛いのです。ということで,川名天吾は,そうとうやりこんだ柔道家です。しかも寝技系で,得意技は腕十字 (これは私の勝手な妄想です)。

以上,どうでもよい補足事項でした。

追記: 柔道ベースのプロ格闘家で,私が憧れていた方は菊池昭さんです。修斗時代には寝技大魔神という異名を持っていました。菊地さんのパスはこうくるんだろうなと判っていても防ぐことができない,すごいパスでした。
先日の柔術クラスで腕十字を習いました。回り込む腕十字ではなく,いったん上四方のようなポジションを取ってから入る腕十字です。インストラクターのTさんが「菊地さんから教わった腕十字だ」と説明してくれました。ジムで菊地さんという話がでれば,それは菊地昭なのです。

講義準備とボルダリング

明日の特別講義の準備がやっと終わった。
大学院生のなかには,有機合成とか微生物資源から有用産物の探索が主なフィールドである学生もいるので,イントロをかなり入れていかないと,初めから寝落ちされる危険性が大である。通常の学会等で使用しているスライドをそのまま使うと,情報量が多く学生がついてこれない。学会のプレゼンとは真逆で,極端に情報量を少なくしたスライドを多用し,緩急をつけていく講義スタイルに変更中である。あくまでスライドは補助的であって,話しているこっち側が主役であるような講義に近づけていきたい。これをやると配布用資料は別に作成する必要があるので大変。しかし学生あっての今のポジションなので有り難い。そして,自分の進歩に繋げていきたい。

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昨日は早めに終わって,娘と遊ぶ日,と決めていた。バスで渋谷まで向かって,そこから原宿まで歩いていき,原宿駅前の石井スポーツで新しいクライミングパンツを買う予定だった。結婚するときに一つだけ約束があって,もう山は登らないという誓いであった。だから山は登らない。それまでは,単独行で何日も深い山に入っていくのが趣味だった。ということで山の店にはノスタルジーで行く。渋谷駅前で苺のシュークリームを買って,原宿目指して出発した。

ポクポク歩いていくと,キャットストリートの近くで何やら壁にへばり付いている一群を発見。お,ボルダリングでは? 娘が「これやりたい!」という。店員さんに伺うと,子供専用壁もあるので,早速,入会し,親子で山へ登る疑似体験をした。ボルダリングをしたのは,かれこれ20年以上も前だ。八ヶ岳の編笠岳周辺に大きな石がたくさんあったので,そこでやったのが最後。

室内の人口壁にはカラフルな突起がでていて,そこに色分けされたシールがついている。そこに手をかけて,てっぺんの突起に両手でタッチすればクリア。つまりマーカーのつけられ方で,グレードがたくさんあるという仕組み。娘がクリアしたのは一番下のグレード。次のグレードは足を使って積極的に上がらないと,ゴールできない設定になっていて,足を開いて上に登る動作に恐怖心を感じるためか,クリアできない。最後は悔しさで涙をいっぱいためて,20回ほど同じルートを挑戦したが,結局,できなかった。かれこれ,3時間近く登り続けていたが,次に期待。いや,しかし,疲れないのかな?と思った。

ボルダリングは体幹部の強化に良いので,また,娘のありあまるエネルギーを壁が吸い取ってくれるので,再度トライしようと思います。

2010-04-23

Point of no return

いつも講義の最初にするのは,実験の精度の話である。

精度をあげる努力は,生き残るために重要であると思う。

だから心して,たくさんの失敗をしてほしい。
たくさんの失敗を心に刻み込んでほしい。

Point of no returnの境界を自分でつかみ取るには,
それしかないから。

2010-04-22

リアルタイムで論文作成 最終回

本日,I君に論文草稿を渡しました。あとは彼がエンドノートで論文リファレンスを挿入し,細かな詰めをお互いに行ってほぼ完成。
今回は短い論文なので早めに草稿が終わりましたが,出してからが勝負なので,気合を入れるのはこれからです。ということでこの連載は,今回で最終回でしたー。自分にプレッシャー系なブログでしたが,楽しかったです。

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明日からは7月の終わりまで,分子細菌学の講義が続きます。本日は,資料作成とプレゼン用データの作成でした。フォントが気に入らなくて,全部統一していたら,あっという間に時間がなくなりました。まあでも,自分が嫌だなと思っているフォントで,プレゼンしたくないです。しかし,前回はフォントに違和感を感じなかったのは何故? あ,小塚明朝を知らなかったからです。小塚明朝はヒラギノよりもいくぶん丸めの感じです。また横への安定感も気に入りました。学生さんにとっては,ヒラギノも小塚もそんなに変わらないのですが,重要なのは自分の意気込みだと思います。

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教育については,アラン・ケイが言い尽くしています。
本日は,自分が明日の講義で,何かを学び取る,そのための準備でした。

ある点を過ぎると,本当に世界のことを何も知らない,
これから学ぶことが多すぎると,分かってくる。
そして,その一点を過ぎると,教育のある人は生涯学習者になる。
ここまできたら教育終わり,はい教養人というわけではない。
教育とは1つの旅のようなものだ。 
アラン・ケイ



2010-04-20

もうちょっとまって

いま、大急ぎで論文を仕上げている最中です。ディスカッションと図の説明が終われば、全体像が完成です。

あとは論文を回して、コメントをもらい、しっくりこない部分をブラッシュアップしていきます。論文を書き始めると、今度は他の仕事が遅れますが、周りに散らばっている時間をかき集めて、大きな塊にする必要があります。私の場合、ある程度の塊、丸一日分の呼び水が、どうしても必要です。そこで英語脳へ変換していき、居室に篭り、ワードで打ち込んでいきます。ある程度、打ち込んだら、あとは断片的な時間で何とかするようにします。

ということで、論文の大きな流れは完成しました。

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この論文は修士の学生さんの研究内容です。修士も3年あれば、論文としてもう少しかたちに残るのになと思います。しかし2年間で何もできないかというと、そうでもなくて、修士の皆さんが根気よく面白い現象をみつめてくれたお陰で、新たな芽がでようとしているプロジェクトもあります。じっくり何度も、研究の精度をあげていく課程で、新たな発見に繋がる場合もあります。スタッフなら1−2回で当たりがつけられる実験も、10回ぐらいでやっと安定してくる過程で「あれ、これは何?」みたいな発見もあります。また、卒研生の方も、どんどん研究に参加してほしいですね。以前、卒研生に石川君という学生がいましたが、彼が構築した発現用ベクターは今でも使われております。

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全部が全部、論文に繋がれば嬉しいのですが、一つでもかたちにしていくことが、私の役目であると思っております。いやしかし本当に遅れてごめん。この借りは論文できちんと返します!


2010-04-19

違っていい

本日,スタンフォード大学 集中講義という本を買った。

ライフハック,ビジネス書,啓蒙書のたぐいは,米国産が多い? 留学で知り合った友人達は,かなり意見がはっきりしていた。ボスにも自分のやりたいことを明確に伝えていたと思う。

他人と自分の意見が違うのは当たり前。それが大前提で物事を前向きに進めていくのは,どうしたらよいのか,他人との意見の違いをいかに吸収して,より次元の高いところへ全体で向かっていくのにはどうしたら良いのかという点に,多くのビジネス書が向かっている。しかも,どちらかが我慢するのではなく,皆が快適になるような方向性を目指して行く。ちょっと明るいことも,大切な要素だ。

元々,他人とは意見が異なる,また,異なっても良いというのが前提なら,人間として生き方が楽だと思う。この辺の精神構造は,日本人とだいぶ異なっている。日本のビジネス書は,まだまだ真面目すぎで,スケールが小さいと思う。そして,もう少し笑いがほしい。

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本日は午前中に大学に行って,論文の結論まで進め,ワードのツールバーもver.2 (ただ単に本日の作業で使わなかったメニュー項目を削除) となり,かなりすっきりした。

それから娘に掛け算を教えて,こっちもいい加減飽きたので,iPhoneの掛け算ソフトをダウンロードして,バトンタッチした。まあ何とかクリアしたところで,二人で有栖川公園に行って鬼ごっこした。いつも鬼担当ですが,やるときは本気。本日もタッチしたところで,娘がビビりすぎて転んでしまった。まだまだ負けねえ。

帰宅して,愛犬と一緒に散歩して,体もいいようにほぐれて一日が終了。本日は妻が外出で,娘と二人でメキシコ料理にいった。となりの3人の会話はかなり寒かった。しかし,聞こえてしまうのはしょうがない。昨日は焼鳥屋さんで,となりのオヤジ2人の会話が聞こえてきた。「このオヤジの言う事を鵜呑みにしては駄目だ! 自分のことだろ,しっかりしろ」と言いたくなったが,ぐっとこらえた。

かなりぐだぐだなブロクですが,アップします。

2010-04-17

ワード擬態化計画!

昨日はワードのせいで悶々としていました。しかし,昨日のブログには,確固たる行動指針のようなものがありませんでした。確かにPages + EndNoteの組み合わせで論文作成は可能です。問題となるのは,他ラボと共同研究が進んでいる場合などの論文のやりとりです。相手の都合にあわせてワードでのやりとりが必要になります。。。ジャーナルもワード指定が多いようです。

そこで,マイクロソフトの基本路線が何でも詰め込むのが大好きなら,俺なりのワードを構築していこうと,前向きな気持になりました。前向きが俺の取り柄です!

つまり,アップルで出しているワープロソフトPagesのユーザーインターフェースに近づける擬態化作戦です。

まずは,環境設定でゴチャゴチャしている意味不明コマンドを外します。環境設定をいじっていて,お宝的発見は「編集と日本語入力」項目に「グリッドオプション」がありますが,ここで図形の移動を細かく設定が可能なことでした。科研費とかで斜線を引こうとして,線が大胆に動いて,ごせやけること(頭にくる,の福島語)がありませんか。図形移動のグリッドを細かくすることで,線形,図形のなめらかな移動が可能です! あと「図の挿入」は前面をデフォルトにしました。斜線や丸枠で字を囲む,を多用するので,デフォルトで図を前面に出したほうが私にとっては圧倒的に使い易い環境です。また,オートコレクトもほとんど外しました。入力オートフォーマットもうざいので外しました。

結局,俺は,マイクロソフトに頼らずに,マニュアルモードで大気圏突入をしたいのです。

まあ,これだけでは,到底,擬態化されてません。次はメニューの徹底的な擬態化作戦です。ここは「表示メニュー」項目にある「メニューバーのユーザー設定」を使いまくります。ここを選択した状態で,メニューに並んでいるアイコンをドラグすると,他のメニューバーに移動可能です。メニュー外ではなすとアイコンがメニューから消えます。リセットで元に戻す事が可能(たぶん)ですから,ばんばん意味不明アイコンを潰していきます。シンプルさを維持しつつ,多用するアイコンをミニマムに配置し,ひたすら使いやすさを追求しました。

↓の画像で上がPagesで,下がPagesに擬態化したワードのカラムです。すごくシンプルになりました。もっとはやい段階でこのような決断をすれば良かったのですが,そこまでの怒りがなかったので,ずるずるとお互いに倦怠期的な関係を続けていたのです。「ま,お互いに書ければいいかな」みたいな感じで,無為な時間を過ごしていたようです。ワードもとりたてて俺を責めてくるような嫌な相手ではないし,たまにフリーズして嫌がらせを受けることはありましたが,基本的にはチームのなかでは大黒柱です。これからは心機一転で,お互いに良い関係を進めていこうという結論に達しました。

ということで,デフォルトではイケてないソフトでしたが,苦労を重ねた結果,大変身です。これならすっきりで,本来の文章入力に集中できそうです。


クリックで拡大が可能です。

リアルタイムで論文作成3

本日はしょうもないデファクトスタンダード、マイクロソフトのワードのせいで2時間ぐらいロスりました。スペルチェックをしようとしたら、ところどころスペルチェックがかからないセクションがありました。表示メニューから「書式の詳細」という項目を選択し、スペルチェックがかからない箇所を選択しました。何が起きているのか見てみると、なんとその領域だけスペルチェックしないという制御がついていたのです。環境設定でスペルチェックのON, OFFができることは知っていましたが、センテンスごとにスペルチェックする、しないの設定ができるのですね。しかし、そんなメンドクサイ設定を誰が使うのか不明。機能を詰め込んだら、なんでもできるソフトになりましたが、誰が喜んで、あんな一貫性のないインターフェースのソフトを使いたいのか。

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対処法として、書いている部分を全選択し、スタイルという項目で「標準」を選択することで、ところどころスペルチェックしないという項目を全部ワイプアウトしました。なにが起きて、このようになったのかも不明。もう少しワードの説明書を読むべきなのかも知れません。しかし、大きな会社なのだから「このインターフェース使いにくくないですか」という社員がいてもよさそうだけれど。。。

PagesとコバンザメソフトであるEndNoteという組み合わせを、真剣に検討する時期が来ているのかも知れません。

2010-04-15

リアルタイムで論文作成2

本日はPapersというソフトで,論文資料を集めました。
もちろん,これまでの関連論文はフォローしているつもりですが,抜け落ちている論文が数編ありました。最終的に戦略的に重要な論文を16報抽出し,Papersから両面印刷しました。その16報を最新の年代からソートして,大きめのステープラーでばんと全部閉じました(↓のような感じ)。それぞれに付箋を貼って見出しをつけます。これら16報についてはエクセルで重要項目を書き出し,目次のようなものを作成。この1冊になったものについて,ざっと目を通し,自分たちのウリの部分がまだ生きているのかを確認。
16報は7つの独立した組織から出されていて,このうち2大学の組織が最大勢力。イントロは抜け目なく,2組織の成果を評価しながら,自分たちのアドバンテージを出していく必要があります。あとの組織からは単報で,もうこの領域はフォローしていないと判断しました。

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ということで,まずは結果の骨子を決めてから,結果より書きだします。私の場合,結果とマテメソは同時進行し,それからディスカッション,イントロ,アブストラクトの順序でしょうか。結果の骨子は図の構成を考えて行く段階で,かなり方向性が決まっているので,iMindMapとかのソフトは登場させなくても,書き進めていくことが可能です。書き進められないのなら,それはデータに穴があることを意味します。往々にして書いていく過程で,「あ,このデータ足りない! 」なんてことになりますが,今回は大丈夫そうです。
書き方は人それぞれですが,最初にアブストラクトから突っ込まないほうが良いでしょう。全体を俯瞰してのアブストラクトであるべきですから,私は最後に書くことにしています。

こんな感じで夜は更けていきます。。。



追記: イントロ,ディスカッションは同時進行かな。まあこの部分は行ったり来たりで,重複を極力避ける事が重要です。

2010-04-14

リアルタイムで論文作成1

現在,修士学生さんの研究内容をまとめているところです。卒業してから何度か来て頂いて,こちらもまとまった時間を作ってというか,時間の寄せ集めを行い,何とかここまで辿り着きました。本日,サバイバル試験についてログランク検定や,他のグラフの有意差検定を終わらせ,やっと図の断片をまとめることができました。生物学的な統計解析を行なう場合には,Prismというソフトがお薦めです(堀口さん,ありがとう!)。各種グラフをPrismで作成した後は,グラフを最高解像度で画像化してエクポートし,イラストレーター上でまとめ上げて行きます。グラフの文字・数字の部分はジャギーにならないようにイラレ上で再度打ち込んで,私の場合,9-10 ポイントのHelveticaで統一して作成しています(ま,ジャーナルによって推奨フォントが異なりますが)。イラレが好きな理由として,イラレで編集可能なPDFとして保存することができる点ですね。論文を送付するときには,ほとんどの雑誌社がPDFを推奨していますので,無駄なファイルを増やさないためにも,イラレは重宝しています。

作図後,プリントアウトして,スタッフとディスカッションを行い,細かな部分を詰めました。とりあえず,図の全体像が完成。

明日からは論文を書いていきます。ジャーナルの投稿規定を熟読して,まずタイトル,アブストラクト,イントロ,結果,考察,,,という順序で,骨子となる項目を書き込んでいきます。ここからはMindMapを使って骨子を考えていきます。例えばEPECのエフェクター関連のイントロなら,EPECの大凡の病原因子論,病原性発揮にはIII型分泌装置が関与すること,III型分泌装置の基本的な概略,次いでそこから分泌されるエフェクターの概要,エフェクターのレパートリー,次いで論文の題材となるエフェクターに触れ,これまでの報告があるのなら簡単に触れて,今回の論文で何を明らかにするのか焦点を絞って,イントロの最後に非常にさらっと論文概要を述べて,読者を引きつけてから,結果に入っていきます。まあこの辺の流れは,何を強調したいのか,また各ジャーナルの性質(専門誌なのか一般誌なのか)によっても異なります。

話を戻すと,それぞれの骨子をMindMapで決めてから書き始めると,ぶれません。上記イントロの例で説明すると,[EPECの大凡の病原因子論], [病原性発揮にはIII型分泌装置が関与すること]が個々の分岐となります。大枝である[EPECの大凡の病原因子論]は,さらに[EPECは主に乳幼児に下痢を起こす],[EPECの類縁菌としてEHECがある]という小枝に分岐していきます。あとは文章を各枝に従って紡いでいけば良いことになります。骨子の部分が決まらないままに書き始めると,重複があったり,文脈が前後したりと,あとで大変な思いをすることになります。まあ,散々な思いを今までたくさんしてきたので,骨子の重要性を述べているのですが。。。

ということで明日からいよいよ本番です。
いやしかし,図の構成が決まったので,あとは前に向かって突き進むだけです!
明日からはiMindMap, ワード,EndNote, Papersというソフトが主戦場となります。

それでは〜。

2010-04-13

それぞれのミッション

先週,土曜日に雑用をしていると,業者が入ってきて,今年度の予算申請に如何っすかーと,どさっとカタログをおいていった。高額機器のセットアップも含めて,研究存続可能な戦略を十分に練っておかないと,本当に大変なことになります。ああ,せめて宇宙服一着分の予算があったら,おそらく定年退職までの研究費はもつはずだ! などとスケールの小さいことを考えてしまう。生命維持装置等を含めると宇宙服一着は,約10億円。高いのか安いのか判らない。

情熱大陸にある日本人宇宙飛行士がでていた。「いつか地球が滅びるから,そのために宇宙ステーションで,地球外で暮らせるようなシステムを構築していくうんぬん,,,」という話があったが,どうなんだろうなあと思った。仮に地球という惑星が滅びるとして,どれだけの人間が宇宙にいけるのか。ふと「Gattaga」という映画を思い出した。

「バイオスフィア2」という計画があった。これは100年継続するプロジェクトであったそうだ。しかし2年で頓挫。バイオスフィア建設の目的も,人類が宇宙に移住する場合に,宇宙ステーションと同様に,閉鎖された生態系で生活が可能かどうか研究することであった。宇宙へ出ていかなくても,閉鎖的な,宇宙に近い環境は構築することは可能だ。宇宙へ行く理由は「単純に行きたいから」で良いのではないだろうか。宇宙空間で暮らしていけるような閉鎖系の構築は,地球上でさえうまく機能しなかった。それは宇宙飛行士なら当然知っていたであろう。

ということで,「いつか感染症で人類が滅びるかも知れないから,そのために私も研究しているのです」。まあそれもあるけど,純粋に病原菌の病原性発揮のメカニズムを解読して,それをワクチンに応用することが,私のミッションだと思っています。遠い将来ではなくて,自分が生きている間に納得できる成果を上げたいと思います。あ,定年とかあるので,あと十数年でミッションをコンプリートする必要があります!


2010-04-11

研究におけるライフハック

私は新しいものが大好きです。OSのアップデートもラボの誰よりも率先して行い,人柱になったりします。。。色々試してダメだったというほうが多いと思います。しかし,そういった取捨選択のなかで生き残っているガジェット,ソフトがあります。

1 ペリカンの安価な万年筆: 論文を書く場合はワープロでざっと書いていきますが,最終的な段階になるとプリントアウトした草稿に手描きで修正していきます。また,学生さんの書いた論文も手描きで修正します。以前は顔料ペンを使用していたのですが,インク交換が頻繁なので万年筆にかえました。インクはカートリッジではなくインク壺から吸い上げるタイプのものです。先日,卒業した大滝さんのお祝いとして万年筆を贈りましたが,初めて使うらしいです。また,他の学生さんにも聞きましたが,今は入学祝いに万年筆とか贈らないのですね。もっとも,中学校の頃にもらった万年筆はすぐに床に落として,ペン先がぐにゃっとなりましたが。話を元に戻すと,万年筆は弾力がありますので,たくさん書いても疲れにくいという長所があります。

2 スキャンスナップ: イメージスキャナーです。何でもPDFにします。大学関連の書類は何でもPDF化していき,どんどん捨てていきます。読み取りも速いので重宝しています。たまったファイルは段ボールにまとめて,セキュリティー会社で書類を溶解してもらいます。ステープラーの針がついていてもOKなので便利です。シュレッダーはあまり使わなくなりました。

3 ボーズのヘッドフォン: QuietComfort 3というノイズキャンセリングヘッドホン。集中するときに使用しています。また,飛行機,新幹線などの移動時に使用しています。ちなみにヘッドフォンとかつけながら,歩いている人が結構いますが,あぶなくないですか。私はだめです。ちょっと怖い。あと,関係ないのですが携帯を見ながら歩いている人も危ないと思う。ていうか,歩いている姿として美しくない。

4 iPhone: どこでもメール。以前,山奥の湿原で火急のメールを受け取り,添付されているパワポのチェックをしました。パワポ,エクセルのファイルもとりあえず閲覧可能なのが便利というか,ますます雑用を多くさせている原因かも知れません。「iPhoneしまいなさい!」と妻に恫喝されるシチュエーションが,多々あり。

5 iMindMap: BuzanのMac用のマインドマップ作成ソフト。ちなみにウインドウズ版もあり。マックOSのアップデートでしばらくver.3が動きませんでしたが,最近のアップデートで再び動くようになりました。これまでは,紙媒体のノートでミーティング内容をまとめていたのですが,ラボの打ち合わせのときもiMindMapでまとめるようにしました。このソフトの良いところは思考にストレスをかけないので,私に合っています。研究のプロジェクトもこれで練っております。枝の分岐とかも綺麗ですので,是非どうぞ。

これは便利,というものがあったら,是非紹介して下さいませ。
速攻でレビューします!

ラボミーティング

最近,メールでのご連絡が遅れています。すみません。

新年度を迎えるにあたり,ラボで何をやって,何をやらないか,優先事項は何か?ということを再確認しておりました。中長期的な優先事項は決まったので,私のほうからスタッフ・学生さんに,言う事はあまりありません。あとはミーティグでぐだぐだかき回して,会話数をなるべく多くするようにして,詰めるべきところのポイントで,「ポン」とアイディアがでるようにしています。私の役目は,そういった雰囲気作りでしょうか。

特に我がラボは,スタッフ・学生数が少ないので,皆がたくさん発言しないと,とうていアイディアの数は限られてしまいます。だから,じっくり考えぬいた発言ではなく,何か宇宙のかけらみたいなもので良いのです。指向性のない会話のなかにも,もしかしたら誰かが拾うかも知れないし,リラックスしたなかで,誰かが「ポン」と閃けば良いのです。みんなでボールを回していけばいいのです。

はたから見れば,「こいつら馬鹿だ」と思われるようなミーティングが理想です。

「ポン」と閃いたときには,ぱっと顔が輝きますから,そういう体験を皆がして最終的には全員がスーパーサイヤ人になれば良いのです。万人の万人によるスーパーサイヤ人。そんな感じです。とにかく研究はもっともっと,ゾクッとするべきものなのです。新たしい発見の最先端にいつでも研究者は立っているのですから。。。何処かに通じている道を僕は歩いているのじゃないと,高村光太郎も言っています(たしか道程)。また,未だ知らざる土をふみ,淋しくもすすむなりとも,言っています。道の先端にいるのは孤独です。でも,皆で先端にいけば怖くはない。そのようなミーティングを目指していきたいです。

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木曜日,久々にジムに行きました。ケトルベルでコンディショニングした後に,心拍数が150以上になるようにキープしながら,自転車を20分ぐらいこいでひと汗流した後,プロ練習を見学していました。プロ錬が終わりそうな頃に,Kさんとスパーリング。ぼこぼこにされました。それからプロで活躍している堀友彦さんに各種技のご指導を頂きました。最後は,新ジム生と5本ぐらいスパーリング。いつもはやられる一方なので,新人さんとスパーリングして「俺,強くなった」という雰囲気のなかで終わりたかったのですが,高校生にサイドをとられ,そこからV1アームロック。何とかエスケープしたかったのですが見事に1本取られました。この子は体を柔らかく使うので,将来,大化けすると思います。フックしても柔らかく抜いてくるので,当たりが弱いと思っていると,いつの間にかサイドをとってきます。ついこの間までは,楽勝でコントロールできていたのですが,技の吸収が早いです。皆,ゆっくり強くなっていけば良いと思います。あ,私の場合は,もっともっとはやく強くなります。







2010-04-10

お祝い事

ラボも新年度に突入です。

D2の久留島君の論文が,先月,Microbiology and Immunologyにアクセプトされました。

EspJ effector in enterohemorrhagic E. coli translocates into host mitochondria via an atypical mitochondrial targeting signal (p )
Jun Kurushima, Takeshi Nagai, Kanna Nagamatsu, Akio Abe
Accepted Article Online: Mar 8 2010 4:14AM
本来ならばアクセプトされたときにお祝いをしたかったのですが,細菌学会総会の準備とか年度末の雑用が重なり,それなら桑江講師がストックホルム大学から帰国してからお祝いしましょう,ということになりました。論文が通った時はシャンパンで乾杯しています。今回はモエ・エ・シャンドン アンペリアルのマグナムで祝いました。ぽんと抜いたコルクには久留島君の名前と雑誌名を記入し,ラボで永久保存となります。ここからが彼の研究人生のスタートです。これからもよろしくです。永松さんがワシントン大学に1月に留学し,桑江講師がストックホルム大学から戻ってくるまでの間,久留島君が引継ぎを担当し,オーバーロード気味でここまで頑張ってきてくれました。いやな顔をまったく見せずに,前線で戦ってくれたことに感謝です。

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また,今回は3年間の留学を終えて,桑江講師が無事に帰還。彼が戻ってきてからラボのミーティングが数段活性化されました。会話量が10倍以上増えました。これってアイディアも10倍に増えることになります。またラボで起きていることをもっと深く共有できるようになりました。感謝です。試作ワクチンのプロジェクトを行っている金木さんも,いい感じで研究が進行しています。正直,このプロジェクトはこんな少人数では無理だよと弱音を吐きたくなりましたが,金木さんのお陰で何とかこれました。感謝です。4月からは桑江君の帰還とともに,卒研生が新たに入ることになります。T倉さんという方でK戸大学のK済学部出身です。銀行でバリバリ仕事をこなしたあと天啓を受け?,北里大学薬学部に入りなおした強者です。証券アナリストの肩書きをもつ卒研生は初めてなので,今度のラボの経営戦略について相談したいと思います。ラボに来てくれたことに感謝。

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最初はシャンパンで始まり,ついこの間,修了した大滝さんも加わり,久保田の万寿をあけ,それから八海山の大吟醸を楽しみました(群馬大学の富田先生,ありがとうございます!)。知らない間に,他ラボの新修士1年生も参加して賑やかな会となりました。こういったお祝い事を通じて,学生さん同士の横の繋がりがもっと広がれば良いと思います。10人ぐらいかなと思っていたので,焼肉を2キロぐらいしか用意していませんでしたが,いつの間にかふくれあがっておりました。ということで,次はもっと用意します。

これだけの人数でここまでこれたことに感謝です。各人が実験と実験以外の自分でやるべきことを理解してくれているから,ここまでこれたと思います。スタッフ,学生の垣根をとっぱらって同じ目的をもつ仲間が集まってくれば良いと思います。

あとはボスがシャンパンを用意するだけで,ラボは動いていく? 

シャンパンをあける準備はできています。






久留島君へ: 次のシャンパンも用意しています!
大滝さんへ: 新社会人,おめでとう。



2010-04-04

最近の出来事

iPhone周辺のソフトが最近,進化してきた。正確には,iPhoneと親和性が良くなったソフトが充実してきた感じがする。一番はEvernote, Dropboxあたりかな。EvernoteはMac上でもiPhone上でもファイルの同期を可能にするソフト。私の場合,EvernoteはiPhone上でAwesome Noteというソフトと同期しながら使用している。一見,面倒臭そうだが,Awesome Noteでカテゴライズしたほうがはるかに管理しやすい。それに一旦同期させてしまえば,あとは同期ボタンを押すだけでEvernoteとシンクロする(Palmが懐かしい。。。)。また,PC上のEvernoteにもAwesome Noteで分類しているフォルダーが現れるので,あとはこれらのフォルダーに書類を振り分けていくだけ。

一方,Dropboxというソフトは,Evernoteと同じようなソフトであるが,こちらには主にPDFを保管している。何故ならDropboxはiPhoneアプリのGoodReaderというソフトと同期が可能で,重たいPDFもサクサクと表示可能だからである。結論としてメモ,スナップショットはEvernoteで管理して,PDF書類はDropboxで管理している。個々のソフトの性質上,このような整理方法が良いのではないだろうか。

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あと,ツイッター関連。

海外の研究者から,続々とiPadの使用状況が寄せられてくる。ちょっと複雑なKeynoteファイルは,iPadで展開すると文字がずれてしまうとか,Macからは充電が可能であるが,PCからは無理とか,速報的な話題が面白い。

ハッシュタグは,#ipad_bio で,まとめてipad関連の話題を眺めることが可能。ipad関連の情報を集めるべく,本日,ハッシュタグの有効性を理解したのですが,自分では今ひとつ使いこなせていない感じ。

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あと,どうでもいい関連。
本日,銭湯に行った。風呂あがりのおっさんで,右足の親指が床から浮いている人がいた。風呂上りでリラックスしているはずなのに,どうして緊張しているのだろう。湯上りのおっさんのなかで,俺に襲いかかってくる人がいるとすれば,このおっさんかもしれない。一応,マークしておいた。まあ,日常のなかでも,全体的に見渡すようにしている。

風呂に入っている時にKさんの技を思い出した。マウントから十字締めを狙ってきて,それを防ごうとして腕を伸ばすと,すかさず腕十字。十字絞めはフェイクなのが解っているのに,3度も同じ連絡技で負けてしまった。悔しい。この借りを早く返したいのだが,なかなかジムに行けない。具合も悪い。ということでロシアンパワー育成法という本を買った。日本の筋肉強化方法とは全然違う。眼からウロコ。まず,日本式では筋肉強化で反動を利用するのは結構タブーとなっているが,ロシア式では反動バリバリ使いましょうと指導している。国が違うとここまで違うのか。。。総合格闘でもロシア人は強いので,一度はロシア式で練習してみたい。最近,ケトルベルでの筋肉強化に興味があるので,ロシア式,意外といけるかも知れない。

数ヶ月前に脱臼をしてしまい,体の動かし方を変えなければならなかった。不思議なのは腕立て伏せもできない状態がしばらく続いたのに,ジムの練習には通っていたことだ。右肩を庇いながらスパーリングを続けたのは,脱臼ではないだろうという楽観的な気持ちから。。。脱臼していてもある程度は戦えるという自信には繋がりましたが,鎖骨がポンと浮き出ています。左肘の軟骨剥離のネズミちゃんは,ちょっと落ち着いてきた感じがします。アームバーくらって軟骨剥離。もう少し体を大事に,使っていきます。スパーリング中はアドレナリンのせいか,ほとんど痛みを感じないので,冷静に判断しないといけないですね。

俺の体,ありがとう。

2010-04-03

素になる覚悟

昨日は久々に桑江講師が参加したミーティング。彼はウプサラ大学,ストックホルム大学に3年間留年し,4月1日に無事に帰還した。久しぶりに彼を交えてのディスカッション。

永松さんがセントルイスのワシントン大学に留学し,桑江君が戻ってくる間,3ヶ月ぐらい私のほうで一方的に仕切って,ほんとに20-30分ぐらいで毎週のラボミーティングが終わっていた。自己完結している良くないミィーティングであった。そこで,しばしボルデテラ領域から離れていた彼がミーティングに参加し,学生さん,スタッフがこれまでの経緯を細かく説明していく時点で,私の色々な解釈上のミスに気がついた。

もしかすると面白い発見に繋がるかも知れない。ディスカッションはぐだぐだになりながら,いつもの倍以上の時間を費やして終了した。もちろん実験上の大きな軸のズレはなかったと思っているが,まだまだ洗い出しする必要はありそうだ。ディスカッションは,学会のようなディフェンスではないから,馬鹿をさらけ出して,誰もが自分の知りたいと思っていることを素直に受け取れるような場にしたいと思っている。本日はこうだと思っていた解釈が見事にひっくり返され,気持ちよかった。そして,あぶなかった。

結論として,ディスカッションは会話量を多くしていった方が楽しいということに気がついた。また,新たな視点からの発見は,馬鹿馬鹿しい意見も含めて,とにかくたくさん入り交じったなかで,ポンと飛び出るものであると思った。凡才が天才に打ち勝つためには,ひたすら馬鹿になることだと思う。本日は,久々に馬鹿になれて新しい論理に発展しそうな会話量の臨界点を超えた感じがした。

俺はノーガードで馬鹿でいく。
いまからでは天才になれない。
馬鹿になるほうが簡単だ。
素になって,一歩踏み込んで行く勇気,
そこを目指していきたいです。

2010-04-02

帰還

ストックホルム大学から,桑江講師が帰還しました。

留学ご苦労様でした。

卒研生のT倉さんに,留学の意義を質問されました。

私なりに自らの留学体験を振り返ると,それは人生のリセットだと思います。今まで自信をもってやってきたことが,ガラガラと音を立てて崩れる,人生のリセットだと思います。そのような過程で,自分で何でもこなしてきたと思っていたことが,実は多くの人々に支えられてきた,という事実に気がつきました。留学はそんなに大げさな事かと思われるかも知れませんが,私には貴重な体験でした。

ともかくも無事に生還,おめでとう。

朝の9時から夜の9時過ぎまで,間をおきながら,この3年間で何をしてきて,何ができなかったのか,また詰めなければならないところなどを,ディスカッションしました。

あらゆる繋がりに感謝です。