2007-12-22

第1回日本微生物学連盟のあつまり


昨日から突貫作業で進んでいた総説が夜中の3時頃終わって、 タクシー呼んで自宅まで帰ったが、頭が冴えてしまって眠れない。1時間ほど寝坊してしまった。ラボで総説の続き(図の作り直し)をして、11時からブラックウエル社との打ち合わせ。MI誌のオンライン化に向けて陣頭指揮をとっている高田晴比古先生もここまで来るとほっとしておられるようであった。大学の食堂で一緒に食事をして、高田先生はそのまま東北大学へ戻る。私のほうはそれから総説の最終チェック。本来なら丸一日空けて頭をまっさらにしてから、最終チェックしたいところだが、今回は時間がないのでそのままPDF化して出版社に送る。やれやれ終わったと思ったら、第1回日本微生物学連盟の会合時間をとっくに過ぎている。ラボを出るときにテーブルを見ると、新たな論文審査の封筒が。。。ま、ともかくも自分では一区切りついたので良しとしましょう。それにスタッフや学生さん達が忙しそうに働いているのに、「こっちは暇だなー」なんて態度取っていたらバッサリ切られますので、これぐらいの忙しさがちょうどよいのかもしれません。

日本微生物学連盟の会合場所までタクシーをとばしたが、タイムリーというか会議が終わって意見交換会の席上にジャストインタイム。何だか食事をしにきたみたいなので、おとなしくしていると、「阿部君、会議にも出ないとだめだよ」と連盟代表の野本明男先生に釘を刺されてしまいました。スミマセン。野本明男先生の凄いところは、清濁併せ呑む能力がハンパじゃないところだと思います。それでいて判断は大胆で、しかも細かなところにも気がつくところだと思います。野本先生なら14の学会をうまくまとめながら、さらに大きくしていくことができると信じております。

現在、高田先生がチーフエディターとなって、Microbiology & Immunology のオンライン化に取り組んでおりますが、この雑誌が日本微生物学連盟のアウトプットの一つになればと思っております。現在のIFは約1.6。笹川千尋先生ともお話ししましたが、2倍の3.2ぐらいになれば嬉しいですね。そこを最初の目標にしていきたいです。ということで、これからもこの雑誌の裏方作業を続けていきます。会合には次期細菌学会総会(2008年春、京都)の総会長であります光山先生も出席されておりました。私にとって場違いな感じも致しましたが、各学会のトップのオーラを拝見するのには非常に良い機会でした。

会合が終わって、野本先生がタクシーで帰宅されるときに図々しくもご一緒させて頂きました。「野本先生、実は、私、転写制御とかに興味があったのですが、勝てないとと思って細菌学の世界に入ったのです」「1980年代、ピーエル・シャンボンとか、マーク・プタシニとか、ケビン・ストゥルールとか、凄かったじゃないですか」と私のほうが懺悔している間に、タクシーは私の目的地に着きました。野本先生はそのままタクシーでご自宅に帰られました。先生は別れ際に「感染の本体を捕まえることだ」みたいなことを言われました。感染現象に関わる細菌分子、一方ではその分子と相互作用する宿主側因子があります。そのなかで、もっともファンダメンタルなものを取れと私は解釈しました。細菌学をやっていても今のメインの対象は宿主側因子の同定ですから、1980年代に逃げていたツケを、そろそろ、きっちりお返ししたいと思います。

ということで、アメリカの古い歌。

Do or die, fundamental things apply as time goes by.

それでは、皆さん、良いクリスマスを。


P.S.  帰りに一人でスタンドバーに行きました。今週への乾杯は ゾエ・ルージュ 2005 です。私的にはもうちょっと重いほうが好きかな。