しかし,ここからは焼き鳥屋さんの話になります。
ある焼き鳥屋さんに行きました。そこにはS根大学の学生さんが2人,アルバイトで働いおり,その学生さんたちの立ち振る舞いが感動的でした。他の従業員の後ろを通るときには,「後ろを通ります」と,きちんと声をかけ,洗った皿は何も言わなくても別のアルバイト生がそれを受け取り所定の場所へ。また,仕事中に自分たちが飲んでいる飲み物は,お客から見えないように気をつかっていました。
実は,俺はこういうこと,周りの状況を的確に判断した立ち振る舞い,をきちんと学生さんに教えたいのだなあと実感しました。研究がいくらできても,所詮,枝葉にしか過ぎず(註1),最終的に残るのはコミニュケーションの取れた人間性だと思います。2人のアルバイト生の動きは完璧であり,マスターは日頃,どのようなことを教えているのか気になりました。
俺は学生さんに厳しく接するほうですが,バイトの学生さんたちはもっと別なものをマスターから受け取っているような感じがしました。厳しいだけでは,おそらく十分ではないのでしょう。もっと根幹に触れるような,自分自身の立ち振る舞いが重要なのか? と思いました。
また,研究を突き詰めていった場合,研究を自分ではしない(できない)ポジションもあるわけで,管理職の場合は,過去に研究ができたかよりは,部下とうまくつき合うコミニュケーション能力のほうが重要であります。
俺のしてきたことは何かを教えてきたと言うよりは,インプットに対するリアクションにしか過ぎないと実感したわけ。
目指すところは遠いところにあると,島根の焼き鳥屋さんで思いました。
******
註1: もちろん研究は重要です。枝葉と表現したのは,でっかい人間性の上に研究がのっていないと,結局は研究も活きてこないということです。とういうことで,俺も頑張ります。