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細菌学会総会がついに終わった。終わった当日,新幹線に乗って,家について,風呂入って,ゆっくりしたら体が動かないぐらい疲れていた。ともかくも庶務理事としての仕事が無事に終わり,ほっとした(まだ議事録,残ってますが)。
今回の学会では,シンポジウムのスピーカーにカナダのJohn Brumell,Rocky Mountain LaboratoriesのJean CelliとLeigh Knodlerが参加していたので,少しはしゃぎすぎてしまった。特にJean Celliは,Brett Finlay博士のところでポスドク時代を共に過ごし,2年間をシェアした大親友。彼はフランスからポスドクとしてブレットのラボに加わった。最初の1週間ぐらいはとても不思議な英語を話していた。私のほうは,内心,「俺より話せないポスドクがついにキターーー」と喜んだが,それも最初の1−2週間ぐらいで,彼はすぐにまともな英語を話せるようになった。ちょっとがっかりしたと,学会の懇親会で当時の心境を打ち明けたら,「英語は話せるようになったけれど,ブレットの英語は早すぎて2ヶ月ぐらいうまく聞き取れなかった」という返事が返ってきた。これから海外に行く若者よ,多いに安心してくれ。「俺なんかほぼ本能 instinct で,Yes or Noの返事をブレットにしていたぜ」と言ったら大笑いされた。
1999年に私は日本に帰国。帰国間際に,John Brumell,Leigh Knodlerがブレットのラボにポスドクとして加わり,親友のJean Celliはそれからフランスのマルセイユに移り(ゴベル博士のところ),しばらくしてからRocky Mountain Laboratoriesへ移り,生き残って,新しいラボを構えた。上記の3人とも30代後半である。これからの細菌学を支える新たな潮流になるに違いない。私の留学時代の師匠,ブレットもまだ50になっていないし,北米には若手研究者のチャンスがあふれていると実感した。日本やEUはまだまだ年功序列と言うか,保守的なので,米国に人が流れてしまうのだろうなと実感。まあ米国では,米国なりの生き残り競争が厳しいのですが。。。
彼らと話をしていて,精神の成熟性を感じた。それはディスカッションや,また,日常の会話にも表れていると思う。そういえば欧米では子供を叱るときでも親が子供の視線までしゃごみこんで,子供の目をじっとみつめながら,「何故,あなたのしたことが悪いのか?」について延々と説教している風景に出くわす。子供のうちから大人と同じように扱い,大人と同じように一個人として尊敬する。だから早くから大人の目線で社会に参加するようになる。日本では何歳からが成人かなどと議論になっているが,成熟した大人の社会を作るためには,まずは大人が大人として,成熟した考えをもつことが必要だと思う。ということで,日本が成熟した社会になるのには,あと,どれぐらいかかるのでしょう。。。この基礎作りを飛ばして,一流の研究者を作り出そうと国全体が頑張っても,無理だと思うのです。