2008-05-27

串刺しにすると見えてくる

最近,私は,大学基準協会に申請する書類のチェックに追われてました。
各学部からの点検・評価項目を集計し大学基準協会に提出する時は,それぞれの項目ごとに並び替えます。例えば,【講義内容に関する点検・評価項目】は,薬学部,医学部,獣医学部というように,全学部のものが一つにまとめられます。項目をチェックしていて,この列挙方法は審査員にとってはすごく都合が良いと思いました。何故なら,ざーっと読んでいくと学部ごとの傾向が解るからです。私が審査員なら,良く書けてない学部を3つぐらいチェックして,そこを集中して精読することで,マイナス評価をつけることは意外と簡単な操作だと思いました。突出した学部でプラス評価する方法もありますが,基準協会は,大学が基準を満たしているのかチェックするための機関です。学生に不利益がでないようにする大切な機関ですから,問題のある学部からチェックするのが常套手段でしょう。ということで,担当項目の書類不備がないかどうか,全体的に確認するのが私の仕事です。

面白い仕事ではありませんが,審査する側のストラテジーが当初はまったく見えなかった。

しかし今では私なりのストラテジーで,膨大な書類をチェックする方法が見えてきました。そういった意味では面白かったです。まあ,まだ終わってませんが。ていうかこれから提出するのですが(笑)。

同じ項目の情報を,学部ごとに串刺しにすると,その大学の得意分野,不得意分野,端的に言うと改善が必要なポイント,が見えてきます。最初はこんな膨大な情報をチェックするのは,無理じゃん,と思っていましたが,糸口はありましたね。

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ま,今回の仕事も研究者的に分析すると面白かったですね。つまらなそうに見える仕事でも,実は面白かったりします。また面白い仕事でも,実は自分にとっては,社会全体の進歩にとっては,あまり意味のない事だったりします。

ということで,まったく関係のない話をします。今,自分が通っているジムは自分の慣れ親しんだ方法とはまったく別な方法で練習しています。それが非常に頭にくるわけ。しかし,指導者は文句なく強い。この怒りは,「今まで慣れ親しんでいた練習法を取り上げられて,駄々をこねている赤ん坊の怒り」なのです。そこまでわかっているけど,なかなか受け入れられない。そこが進歩の妨げになっているのです。

変化を柔軟に受け止める事も,練習に含まれているのかも知れません。

まあただ多くの凡人は,私も含めて,変化を嫌い,過剰な拒否反応を示すのです。しかし,そういうところで世界が安定であったり,頭の良い人たちにうまくコントロールされて,経済が成り立っているのでしょう。自分で取捨選択しているつもりでも,実は,自分で何も選択していなかったなどという人生もあるかもしれません。多くの人たちは「マトリックス」の世界で,生きているのかも知れません。

職業も,身分も,今まで出してきた論文も,とっぱらったときに,自分に何が残るのか,そこを考えて生きるようにしています。

ということで,愛着を捨て,壊して,また再構築していきます。ちっぽけなプライドも捨てて。そうしなければ,強くなれないのでしょう。天衣無縫な強さの境地に行き着きたいですね。