うちの低学年の娘は,ジェット・リーとナイナイの岡村の区別がつかない。映画でウィル・スミスが登場すると「ハンコックの人」に似てるよねと。娘にとって「ハンコック」,「アイ・アム・レジェンド」の主人公はウィル・スミスではなく,リアリティーをもった主人公なのかもしれない。ガルシア・マルケスの「百年の孤独」の舞台であるマコンド村の話のなかに,主人公か何かが芝居のなかで死んでしまうシーンがあって,その芝居の内容に村人は感動したそうだ。しかし,二度目の芝居でその主人公が再登場しているのを見て,「おまえは死んだ人間じゃないか」と,村人が怒り出すという展開があったが(確かこんな感じ),娘もマコンド村の住人っぽい。
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電動ではない,安全ひげ剃りを愛用している。いつのまにか刃が五枚にもなっている。おまけに振動までする。しかし,電動になってしまったら,普通の電動ひげ剃りになってしまう。ということで安全カミソリは進化的な制約がある。安全ひげ剃りの進化に期待しているが,将来,十枚刃になっていたら怒るで。
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ラボのマイクロプレートリーダーが壊れ,修理に出して,もう半年。あれこれわけのわからないコメントをつけられ,半年まったあげくに基板がおかしいとかで13万円の請求。さすがに温厚な私も本社宛に,「もう二度と金輪際,貴社の製品は,買わないもんね」と,さよならのメールを送った。本当にモノを売るという気持ちがあるんでしょうかね。
しかし,クレームをいかに乗り切るかで,逆にプラスのイメージに変えることもできる。
某遠心機メーカーのカタログを信用して五百万円ぐらい費用をかけて遠心機を購入した。ところが購入したローターは,カタログ記載のテフロンチューブが潰れてしまうというトラブルに。実はこの会社,チューブのテストをせずにカタログ記載してしまったらしい。テフロン製のチューブは水切れがとてもよいかわりに,隙間があると,つぶれやすい材質だ。「これぐらいの隙間ならつぶれないだろう」と適当にカタログ記載したローターが運悪く私のラボにきてしまった。最終的にこの会社がとった決断として,テフロンチューブにあうスペシャルエディションのローターを作製することに。ローターにはスペシャルエディションを表す「S」が赤字で刻んである。納品にきた担当者も「これは当社のローターをAMGチューンにしたもので,バリバリに回りますぜ」というような,誇らしさがあった。
この戦いは企業の勝ち。
「クレーム」が「偉い!」に変わった瞬間である。