「怪我とかしているとさあ,何でこんなときに怪我したんだよと,怪我している部分にあたるじゃん」と,Sさん。
まあねと皆が聞いている。
「ほんとは怪我している部分に感謝しなくてはいけないんだ」と,Sさんが何かの本を読みながら,皆に言い聞かせている。「怪我してるってことは,体の中でいちばん頑張ってくれた部分だろ。だから怪我した部分には感謝しつつ治していかないとな」と,Sさん。ほほうと,皆。「ということで,今日から俺をトップアスリートのSと呼んでくれ」と言いながら,Sさんは高気圧チャンバーカプセルに消えていきました。
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結局,Sさんが読んでいたのは何の本だったのか判りませんでしたが,皆,何らかの怪我を背負いつつ,総合格闘をやっているわけで,「怪我をしている部分に感謝」という部分は,なるほど納得しましたね。怪我だけではなく,どんなことにも「感謝」の気持ちは大切なのです。喧嘩ばかりしている俺が言えた事ではありませんが,俺が自分のラボをもってここまで来れたのは「運」も大きいですが,やはり色々な方々との出会いがあって,ここまでこれたのだと思います。Sさんの会話で感じたのは,自分が不満だと思っている現状は,実は「不満」ではなく「感謝」として見れる部分はないのか? 本当にないのか,ポジティブに見つめ直すという気持ちが大切だと思いました。研究者は物事を様々な角度からああでもないこうでもないと視るプロでなければならないのに,ちょっと反省です。