前回,アナウンスしましたが,阪大微研にてAdvanced Seminar Seriesの第1回が開催され,最初のスピーカーという大役を与えられまして,感激しました。このセミナーはGCOEの一環として,若手研究者や大学院生を対象としているのですが,教授クラスのスタッフも参加しており,ちょっとずつ緊張の度合いが高まっていきます。しかも,感染制御の猛者による猛者のための研究所ですから,若手に刺激を与えると言うよりは,こちらがこれまでやってきたことが,どれだけ耐えうるのか,デフェンス能力が問われるセミナーとなりました。感染初期の宿主応答を制御するエフェクターの話を行ったのですが,自然免疫を生業とする植松 智先生から,するどい質問が浴びせられました。また,セミナーが終わった後に竹田先生からコメントがあり,自分たちが今後,詰めていかなければならないところがクリアになりました。セミナーが終わった頃には,激しく体力を消耗し,総合格闘技で鍛えておいて良かったと,思いました。
ダニエル・オーシャンと彼が率いる10人の仲間が,ラスベガスでカジノの金庫破りにいどむアクション映画,「オーシャンズ11」という作品がありましたが,微研はまさに,「オーシャンズ11」だと思いましたね。あれだけのスタープレイヤーが揃っている研究機関は,そうはないでしょう。また,Advanced Seminar Seriesがはじまる前に,先生方とディスカッションの時間を設けて頂き,各研究室を回ることができました。微研の研究者は何をやっているのか,また,こちらが何をやっていて,どういったことが今のシステムには足りないのか,洗い出すための良い機会となりました。堀口安彦先生,永井宏樹先生,吉森保先生,竹田潔先生という,非常にこゆい設定でした。堀口先生のところは,トッシーが展開している研究内容で,まだ論文になっていないのでここでは言えませんが,「あれにあんな活性の違いがあるの?」という面白いデータでした(堀口先生,このような表現で間違いないでしょうか)。永井先生のところでは久堀先生も加わって頂きまして,色々なお話をしました。堀口先生,永井先生は同じ学会ということもあり,話の流れはスムーズでしたが,竹田潔先生とは初めてのご対面。我々の行っている研究で,ここはどうしていいのか解らないという部分をお話しして,的確なアドバイスを頂きました。吉森先生の教授室は,一見の価値ありと,堀口先生のブログでご紹介されていたので,研究以外の興味も大いにありました。また「アヒルの謎」も解明しなければなりません(笑)。吉森研と言えば「アヒル」なのです! あ,「オートファジー」もすごいことになっていました。私の師匠,ブレットのラボで,サルモネラの細胞内動態については精力的に研究を展開しており,サルモネラは細胞内でSCVを形成し,,,というのが主流であると思っていたのですが。。。これ以上は吉森研の未発表データなのでお話しできませんが,オートファジーの研究から「細菌と宿主のせめぎあい」の未知なる部分が,解明されようとしています。
菊谷 仁先生をはじめとして,世話人の堀口先生,感染症学免疫学融合プログラム推進室の藤井先生,堀田様には,ほんとうにお世話になりました。いや,ほんと華やかでした。次のAdvanced Seminar Seriesのスピーカーは,北の宇宙人,嘉糠さん。GCOEの拠点リーダーである嘉糠さんが,自ら単独潜入するというストリー展開も,激しいですね。私もセミナーに行きたい。。。
これからも,Advanced Seminar Seriesの益々のご発展をお祈りいたします!