2008-06-12

特定領域班会議: 横糸研究会

横糸研究会が,東大医学部(本郷)にて開催されました。この研究会の趣旨は,縦糸をウイルス,細菌,寄生虫等の病原体に見立て,横糸は,それぞれの現象を紡いでいく事になります。

私が入っている研究会は,ウイルス,細菌,寄生虫等によって,どのような宿主応答が惹起されるのか,また,病原体はどのような宿主応答を利用して感染を確立させるのかということであります。

我々のテーマは,百日咳菌を含むボルデテラ属細菌は,如何にしてIL10の産生を誘導するのか,ということであります。今回の発表では様々なご意見,コメントが寄せられました。また,様々な領域の先生方に,ボルデテラ属細菌の感染戦略を説明できたのは,私にとってもラボの連中にとっても僥倖でありました。

しかし,IL10の制御自体がまだ解っていない部分もあり,この研究会でも「これさえやれば,IL10制御の全体像が掴める」というようなはっきりとしたビジョンをもつことはできませんでした。ということで,おそらく他のボルデテラの連中も攻めあぐねていますから,逆に言えばチャンスなのかもしれません。

また,京大の藤田先生からは,抗体のメーカーまでも含む細かな実験手法のことまで情報を頂いて,怖そうな先生でしたが,ほんとうは優しかったです。

とういうことで,我らなりに霧の中を進んでいきたいと思います。

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懇親会の席上では,九大の小林隆志先生と親しくなりました。小林隆志先生は,現在,慶應大学に移籍された吉村先生の懐刀です。このような横糸研究会の醍醐味は異分野のすごい先生方に何の偏見もなく飛び込めるというです。また,異分野領域の学生さん,元気な方がいました。今回は俣野先生のところの山ちゃんが特に印象に残りました。山ちゃんは何の話でも食らい付いてきてすごいなと思いました。将来も研究領域で活躍してほしいですね。彼ならやってくれるでしょう。

ということで,私のバックボーンは総合格闘技ですから,これからも異分野領域に乗り込んで,間合いを詰めた戦いをしてい
きたいと思います。もちろん,ノーガードで(笑)。