2017-07-21

少しだけファストパッキングで行く夏山縦走:装備について考えてみた

関東地方も唐突に梅雨が開けて,東京もピーカンでした。
日差しが暑すぎるぐらいでしたが,先週末はベランダに山の装備を引っ張り出して,点検などをしました。夏の縦走の装備は以下のようになります。また,最後に装備リストを載せております。

今回の夏山は,石転び沢とよばれる雪渓から登る予定です。雪渓の最大斜度は40度ぐらいありますので,アイゼン,ピッケル,ヘルメットは必要です。


また,ファストパッキング 2018 年版はコチラになります。よろしくお願いします。



ヘルメットは雪渓以外にも岩場の多い山域ではつけるようにしております。また,長野県山岳遭難防止対策協会では,登山による滑落,転落,転倒事故の多い山域を「山岳ヘルメット着用推奨山域」に指定しているので,日本アルプス方面に出かける場合は確認しておいたほうが良いでしょう。

縦走では雨が降ったときの快適性も重要だと思います。たとえば,すわったときに頭が上部につくようなテントは窮屈です。食事のときとか着替えのときとか,ずっと頭を曲げていると鬱陶しくなります。まあでも,極力軽くしたい場合は,シングルウォールのテントを使います。こんな感じです↓ 



雨の多い地域の縦走には NEMO TANI 2P を愛用しています。あと,ファイントラックのポリゴンネスト 4×3 という化繊のスリーピングバッグも good です。重さは 450 gと軽量です。ただし,日本アルプスのような 3000 m 級の山が連なるテント場では着込んで寝ないと寒いです。それでも,この重さと濡れに強いのは大きなメリットです。

また,2−3 日の縦走ならガスストーブよりもアルコールストーブのほうが圧倒的に軽いです。僕は食にこだわらないので,ほとんどがフリーズドライ食品です。基本,お湯を作るだけなので,アルコールストーブで間に合います。

世の中には極々少数ですが,アルコールストーブ派がおります。僕もその一人です。これについては次回にじっくり語りたいと思います。

縦走では背負うパックの重さも重要です。これまでグラナイトギアの CROWN VC60 を愛用してきました。ロールトップによる伸長可能な構造が気に入っておりましたが,やはり上部にリッド(トップ部分のポケット)がないので少々不便でした(リッドがついた CROWN 2 が最近リリースされました)。

ちなみに阿曽原温泉での CROWN VC60 と NEMO です。最盛期は混雑している阿曽原も 11 月となると僕の他に一人しかいませんでした。露天風呂,独り占めしました(笑)


今回の縦走は,徐々に UL 系に近づきつつあるグレゴリーのパラゴン 68 で行くことにしました。CROWN VC60より0.5 kg 重いのですが,給水リザーバーパック (標準装備) を除いたときの重さは 1.5 kg でグレゴリーの進化をみた感じがします。


パラゴン 68 は残雪期の吾妻連峰縦走で使用しましたが,グレゴリーだけあって背負いやすいです。背面長の調節はベロクロテープで無段階に可能です。約 70 L で 1.5 kg なら十分 UL だと思います。

僕は虫が嫌いなのでツエルトの使用は冬期のみとなります。ダブルウォールでもシングルでも寒いときは寒いです。それなら重さが 400 g ちょっとのツエルトを選びます。

閑話休題。僕の場合,2 L の水と食料を背負ったときに,12 kg 以下になるようにしています。これ以上だと長距離を歩くのが苦痛になります。この 12 kg というラインを目安にして,夏の縦走の装備を組んでおります。

これからテント泊縦走にデビューされる方の参考になりましたら幸いです。

【無理やりまとめ】
1. (はじめての)縦走はゆったりめのテントがいい
2. 食のクオリティーを求めないのならアルコールストーブもいいかも
3. グレゴリーのパラゴンは,十分軽量,縦走にオススメ
4. 衣類は意外に重くなる。極力,少なくしよう


【夏山のテント泊装備】
A. デフォルトで必要なもの
1. 登山靴(4シーズン)
2. バックパック
3. 軽めのゲイター
4. ピッケル (雪渓用)
5. アイゼン (雪渓用)
6. ウレタンフォーム
7.   ヘルメット
8. サンダル


B. バックパックトップ
1. トイレットペーパー
2. ろ過フィルター
3. 化粧水,日焼け止め
4. サングラス
5. 歯磨きセット
6. ノート,ペン
7. 地図,コンパス
8. 行動食
9. コクーンタオル
10. ポイズンリムーバー


C. バックパックベルト
1. 右:ヘッドライト
2. 左:ミント系タブレット,虫除けスプレー


D. チェストパック
1. iPhone7,ケーブル,ANKERバッテリー
2. スントアルファ,ケーブル
3. コンパクトナイフ
4. 行動食
5. 財布,乗車券,保険証
6. コクーンタオル


E. キューベンファイバーポーチ (グレイ)
1. ビニール袋,ジップロック
2. ガイロープ,ダクトテープ
3. ライター
4. ANKER バッテリー,ケーブル(予備)
5. ソーラーランタン
6. UL テーブル
7. ホッカイロ(大)
8. プラティパス 2.0 L,
9. スノーバスケット(予備)
10. iPhone 6(予備)
11. 予備電池  x 3
12. 救急用具(絆創膏,ワセリン,アスピリン,ハッカ油)
13. コンタクトレンズ
14. 蚊取り線香,クリップ
15. エマージェンシーブランケット
16. 軍手


F. ウエア
1. ドライナミックメッシュ(上)
2. 半袖シャツ
3. メリノウールパンツ(下着)
4. 靴下,ドライレイヤー 
5. 夏用パンツ
6. ATOM SLフーディー
7. 帽子
8. プロテクション手袋
9. TNF ストライクジャケット
  10. OR ヘリウムパンツ


G. Exped 赤コンプレッションバッグ
1. T シャツ,パンツ下着 着替え
2. 靴下予備
3. フーディニシャツ


H. シェルター(避難用)
1. NEMO TANI 2P(フライ)
2. テントポール
2. ペグ (8本 + 小型4本)
3. NEMO グランドシート
4. ファイントラックシュラフ
5. モンベルマット,X-lite
6. モンベルダウンブランケット


I. 調理用具
1. アルコールストーブ,ゴトク,風防
2. アルコール予備
3. 綿棒
4. ライター
5. ククサ
6. チタンマグカップ
7. チタンスプーン,フォーク
8. ジップロックスクリューロック
9. 食料
10. ペットボトル 
11. 魔法瓶 (600 ml)