2018-07-20

ファストパッキングで行く夏山 テント泊縦走(6泊)

そろそろ夏山の季節がやってきました。ここでは6泊のテント泊縦走に向けての僕なりの全装備を書き出してみました。また,赤字で実際の縦走後のコメントを書いております。南アルプス縦走の旅はこちらを御覧ください。これからテント泊をされる皆さんのご参考になれば幸いです。

なお,2019年にこれら装備のアップデートを行いましたので,こちらも御覧ください。

飯豊山 石転び沢。誰にも会いませんでした。

なお,カリカリにフルチューンしたUL系ではなく,雨の日にもストレスがたまらないような装備にしております。基本的には背負うザックの重さは,水と食料を除いて 8.5 kg に抑えております。トータル14 kg を超えると,僕の場合,歩くペースに影響するので,なるべく軽量で行きたいと思います。
(結果的に,水2 L と1週間分の食料を含めてトータル15 kgになりました。予備のバッテリーと食料のウエイトが大きいです)



A. デフォルトで必要なもの
  1. 登山靴 (個人的にはグリップ力がとても高いモンベルのアルパインクルーザー2000を愛用しております。アッパーは 2.2 ㎜ 厚のヌバックレザーを使用し,それにゴアテックスファブリクスを組み合わせております。皮革製にも関わらずツオロミーブーツとほとんど変わらない重さは評価できます。ツオロミーブーツはトータル 200 km ぐらい歩いたところで浸水してきたので,防水性を考えるとヌバックレザーを採用したアルパインクルーザー2000が優れていると思います。また,厳冬期にはアルパインクルーザー 2800,ハードなアイゼンを使用しない残雪期にはLOWA タホー プロ GTX WXLというスタイルです。アルパインクルーザー2000は古いタイプのものも出回っているので,モンベルのサイトで確認してくださいね。)
  2. バックパック(意外と見落としがちなのが,ザックの軽量化です。ここはグラナイトギアの Crown V.C. 60 で行くことにしました。60 L という容量にも関わらず,重さは 960 g です。また,ロールトップ式なので大荷物を飲み込むことができます。他メーカーではどうしても1.5 ~ 2.3 kg の重さになります。ずっとこの余分な重さがついてくると思うと,躊躇してしまいます。また,オスプレーのレヴィティ 60 も 830 g という思い切った軽量化を行っております。こちらは試しておりませんがトップリッドがついているので使いやすいかもしれません。)(実際には1週間分の食料が収まらずに,パラゴン68で出かけました。これだと重さが1.4 kgとなります。)
  3. プラティパス 1 L(デュオロックソフトボトルを使用しております。旧タイプと比べて給水口が取れるので洗浄しやすいです。また,旧タイプはキャップを無くしやすいという欠点がありましたが,この点も改良されております。これ以外にペットボトルの1 L を持っていきます。)
  4. プラティパス ハイドレーションパック 2 L(ビッグジップ LP 2.0 L を使用しております。給水口が大きいので使いやすいです。寝るときは枕代わりにもなるのでオススメです。空気式の枕だとなんとなく落ち着かないのですが,水枕は夏の暑いときにも重宝します。)(結果的に1日の山行において,2 L の水で間に合いました。最初はプラティパス 1 L にも水を入れて運んだのですが使うことはありませんでした。)
  5. サンダル(XERO SHOES ウマラ ゼットトレイル サンダルを使用。クロックスを山で見かけるのですが,ウマラのサンダルはぺしゃんこになり,また,かなり過酷な使い方も可能です。登山靴のソールが剥がれた場合にも代用することができます。)
  6. ストック(普段はストックは全く使用しませんが,足の怪我を考慮して Gripwell Gem Carbonを一本だけ持っていきます。)(今回は荷物の量が多いので,普段使うことはないストックの恩恵にあやかりました。持参して正解でした。)
  7. 熊よけの鈴(あまり効果がないという見方もありますが,熊がいるところでは持参してます。)
  8. スントアルファ(これは必需品です。避難小屋やエスケープルートなどの分岐の位置情報を入れてから出かけるようにしております。詳しくはココをご参照ください。)
  9. 財布,免許証,保険証 (財布はパーゴワークスのトレイルバンクMを使用しております。よく考えられた作りで,普段使いにも便利です。)

B. バックパックの上部に入れておくもの
  1. トイレットペーパー(芯は抜いておきます。)
  2. ノート・ペン(山行のタイムコースなどを記入します。)
  3. MSR ろ過フィルター(ストロータイプよりも重いのですが,ハンドポンプがついていてボトルに水を入れるときに重宝します。マップに水の記載があっても,茶色の水だと,かなりテンションが下がります。万が一のためにも携行をオススメします。)
  4. ポイズンリムーバー(虫刺されにあると便利です。)
  5. 行動食(ShotzからMag-on エナジージェルに変えました。何と言っても足の攣りに関係するマグネシウムが含まれているからです。以前は,ナトリウム塩の補給が重要視されていましたが,マグネシウム補給も重要であることが明らかになっております。晩ごはん以外はエナジージェルによるエネルギー補給がメインです。)(個人的にMag-on エナジージェルは身体にあいませんでした。山に入る前にテストしておくべきでした。)

C. バックパックのベルトポーチ
  1. 左:ヘッドライト(これはいつもバックパックのベルトポーチに入れております。所定の場所を決めておくことで,暗くなったときに探さないですみます。)
  2. 右:ミント系タブレット(夏場の縦走には,暑さで唾液がネバネバしてくるので,ミント系タブレットで喉の渇きを癒すようにしております。)

D. チェストパック(パーゴワークス スイングL を使用しております)
  1. iPhone7 Plus(GPS精度も優れており,また,防水性,耐寒性がアップしております。キャリアは山岳地帯に強いドコモにしております。特に,ソフトバンク系は繋がりにくいです。)
  2. ANKER バッテリー, ケーブル(バッテリーは信頼性が高い Anker 製です。)
  3. GoPro + 3脚,バッテリー(防水で軽量コンパクトなので,GoProを使用しております。音声コマンドが便利です。GoPro純正の三脚であるショーティーは引っかる部分がなくとても使いやすいです。)
  4. ナイフ(コンパクトなレザーマンのマイクラに確定です。ナイフよりもハサミのほうが重宝するというのが僕の考えです。)
  5. 行動食(エナジージェルをチェストパックに入れておくと,歩きながらエネルギー補給できるので便利です。)

E. 電源のバックアップ
  1. iPhone 予備のケーブルとバッテリー(過去にマイナス20℃ぐらいの冬山でケーブルが断線したことがあり,それからは予備のケーブルとバッテリーを用意しております。)
  2. 電源タップ (iPhone用の電源タップです。山小屋で使えるところはないと思いますが,下山したときにあると便利です。)
  3. GoPro備品(バッテリー4個,充電器,充電用のケーブルなどなどです。)
  4. スント用ケーブル(スントの充電用ケーブルです。特殊な形状なので忘れないように注意します。)
  5. 予備電池(ヘッドライトの予備電池です。場合によってはヘッドライトごと,予備を持っていくこともあります。)
  6. FMラジオ(気象情報などの収集のほかに,大雨や吹雪で閉じ込められたときに気休めとなります。)

F. パック1
  1. ビニール袋,ジップロック(ゴミ袋にジップロックを使用するととてもコンパクトになるし,匂いもしないのでマストアイテムです。)
  2. ダイニーマライン(テントのガイライン,洗濯物干し,登山靴の修理に重宝します。僕は2mm のダイニーマラインを使用しております。物凄く引っ張り強度に強いです。)
  3. ダクトテープ(テントポールやストックの補修に重宝します。あと,足にマメができそうになったときに,ワセリンを塗ってからこのダクトテープで覆うと効果的です。バンドエイドの代わりとしても利用できます。また,テントの破れや登山靴の応急修理など,利用範囲がとても広いです。市販品を購入して,軽量化のためにプラスチックのロールなどに巻いておいて使用します。)
  4. エマージェンシーブランケット(万が一のために一番軽量なものを持参しております。)
  5. ハンガー X 2(折りたたみ式の軽量ハンガーは,あると便利です。)
  6. LEDランタン(ソーラーチャージできるLEDランタンを使用しております。)
  7. 蚊取り線香,クリップ(数センチに折った蚊取り線香を持参しております。それをクリップで固定して簡易スタンドにしております。)
  8. 軍手(火傷防止のために持参しております。)

G.  パック2
  1. 常備薬(下記をご参照下さい。)
  2. ワセリン,日焼け止め(特にワセリンは山の必需品です。火傷,切り傷,足のマメなどの対処に重宝します。また,雨の日に身体に塗っておくことで,水をはじき身体を暖めるために利用することができます。あと着火剤としても利用可です。何はなくても,ワセリンです。)
  3. ウエットティッシュ(真冬にスースーするウエットティッシュを持っていき,使えなかったこともあるので,注意が必要です。。。)
  4. コンタクトレンズ(眼鏡のバックアップとして持参します。)
  5. バンドエイド(ダクトテープでも代用可です。)
  6. 虫除けスプレー(アブ,ブヨ避けにハッカ油のスプレーを持参します。)

H. ウエア
  1. ドライナミックメッシュ半袖(山といえばドライナミックメッシュですね。ファイントラックも似たようなものを出しておりますが,一旦,変な匂いがつくと洗濯してもなかなか取れません。ミレーのこの製品は匂いがつくこともなく気に入っております。)
  2. モンベル・ジオラインTシャツ(発汗対策と縦走の軽量化にオススメです。)
  3. ジオラインパンツ(発汗対策と縦走の軽量化にオススメです。)
  4. 靴下,インナーソックス(FITSのヘビーラグドブーツという靴下と INJINJIのライナークルーという五本指のインナーを使用しております。指と指が擦れずに発汗対策にもなるので靴ずれを防ぐことができます。ただし,登山靴のサイズは0.5 cm アップするので,靴下も持参で登山靴を購入したほうが良いでしょう。)(ヘビーラグドブーツとライナークルーは替えを持参して正解でした。)
  5. 半袖シャツ(ファイントラック,マムートを使用しております。このへんは好みの問題だと思います。)
  6. パタゴニア・バギーショーツ(インナーも着いているので,下着なしに縦走することが可能です。膝があらわになって危ないという意見もありますが,逆に僕の場合,皮膚感覚が繊細になって,このほうが安全であるという結論に達しております。)(これは正解でした! 南アルプス天然水をふんだんに浴びました。)
  7. 帽子(夏場は必須です! マムートの折りたたみできる帽子を使用しております。)
  8. モンベル・トレントフライヤージャケット(このゴアテックスジャケットは何と言っても軽量です。雨の日以外,使わないので軽量にこだわります。)
  9. アウトドアリサーチ ヘリウムパンツ(ゴアテックスではないのですが,超軽量なので使用しております。)(朝露がある午前中にも使用しました。晴れてきたら脱いで,パタゴニアのバギーズとなります。)
  10. ゲイター(夏場はモンベルの短めのものを使用しております。)
  11. ATOM SLフーディー(年間を通して一番愛用しております。少々の雨ならこれでオーケーで,薄手なので寒いときの重ね着にもベストです。また,ゴワゴワしないのでシュラフにくるまって寝るときにも最適です。最初のウエアの選択で失敗するのは,ついつい厚手のものを買ってしまうことです。暑すぎて着用時間が寝るとき以外はないという経験を通してたどり着いたのが,このジャケットです。)
  12. ダウンパンツ(正確には,モンベルの U. L. サーマラップパンツを使用しております。気軽に洗えるのでメンテが楽です。あと速乾性なので雨にも強いです。)
  13. コクーンタオル・ハンカチ(速乾性であればどんなものでも良いと思います。)
  14. アークテリクス・フェイジック サンフーディ(UPF 50+の紫外線防止効果を有しており,37℃のなかを歩いても暑いという感覚はほとんどなく,風が吹くと涼しいぐらいです。汗があっという間に乾きます。夏の一枚としてオススメです。)(実際には水洗いしても汗の匂いが気になりだして,活躍したのは最初の2日間ぐらいでした。機能的には良かったので短期間の縦走なら良いのかもしれません。。。そのあとはファイントラックのジップ T で登りました。こちらのほうが汗の匂いは気になりませんでした。)

I. テント,シュラフ類
  1. NEMO TANI 2P(もっと軽いテントもあるのですが,雨の日の停滞日を考えて2人用にしております。テントの高さが低いものは,長期縦走に,絶対,オススメできません。テント内でご飯を食べたり,着替えるときに上体をかがみながらだと,とても疲れます。重さを削りたいときにはファイントラックのツエルトをオススメします。冬場の荷物はかさばるので,ほとんどがツエルトでの縦走となります。透湿性もそこそこあって最高です。)
  2. テントポール(北アルプスのテン場で「しまった!テントポール忘れた!」と隣のオジサンが叫んでいたので,きちんと書き出しています。)
  3. ペグ(ここは軽めのジュラルミンペグにしております。チタンペグも最高ですが値段は高めです。。。)
  4. ファイントラックシュラフ(夏場はポリゴンネスト 4×3 です。化繊の割にコンパクトで,何と言っても 450 g という重さが最大のメリットです。ただし,3000 m 級のテン場では冷えるので,これに上記のサーマラップパンツを着込んで寝ます。)
  5. FPmat125(ロールタイプのマットも愛用しておりますが,岩稜帯ではついつい引っ掛けてしまうこともあります。なので折りたたみタイプのものが長期縦走には良いと思います。ザック背面に収納することで,ULタイプのザックのクッションとして利用もできるので,一石二鳥です!)
  6. X-lite マット(とはいいつつも上記マットは少し固めなので,こちらと併用することで快適度を上げております。)(上記のFPmat125との組み合わせで快適に眠ることができました。)

J. 調理用具
  1. SOTO マイクロレギュレーター(普段はアルコールストーブなのですが,長期縦走には火力調節が楽なガスストーブです。風にも強いので安心の一台です。)
  2. SOTOガス(2種類の大きさがあるので,山行日数に合わせて変えております。)
  3. ライター(上記ストーブはライター不要で着火できるのですが,念のために持参します。)
  4. EVERNEW チタンマグポット 500 (これでお湯を沸かします)
  5. EPI シングルチタンマグ カバーセット(コーヒー,スープを飲みます)
  6. ユニフレーム スプーン&フォークセット(折りたたみ式のものでチタンマグポット 500に収納できます。)
  7. ジップロックスクリューロック(もう,これしかないですね。蓋をしめて密閉することもできるし,何しろ軽量なので助かります。)
  8. 食料(エネルギー補給のジェルとか,レトルト製がメインとなります。)

K. 常備薬
  1. マルチビタミン,レスタミン,アスピリン
  2. 芍薬甘草湯(68)ー こむら返り防止
  3. 補中益気湯(41)ー 疲労回復
  4. BCAA粉末