勝利者でありたいと激しく熱望する。
しかしその勝利のために、ひとりの敗北者も生まれない勝利だ。
ちょっと異様に聞こえるかもしれないが、自分が勝つために敗れたものがいるなんて、私には不潔な気がする。
戦いは人間の運命の透明な流れでなければならないのだ。
伝説とか芸術表現のなかに醜い敗者はいないのである。
岡本太郎