細菌学会の理事を仰せつかって2期目。はっきりいって,しんどい。総会会期中は中身に集中できませんし,昼休みもありませんし,走ってワークショップの会場に行って座長を努めたり,サイエンスに集中するより理事としての諸雑用に神経をつかいます。総会以外にも細菌学会をより良いものに変えていくために,年間にわたり細々とした仕事が舞い込んできます。来年の横浜総会のシンポジウム・ワークショップ企画はもう始まっていますし,次の年度のことも考えながら色々なことを決定していかなければなりません。昨年は「細菌学若手コロッセウム」も担当し,連日連夜,苦闘しました。
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これからもトータルで6年間,40代の研究者として非常に貴重な時間を自分の研究以外のことに費やすことになります。こういったことを全部,チャラにして自分の研究のためにだけ費やすことも可能でした。研究者人生としてこれからも失うであろう6年間,これを全部研究につぎ込んだらもう少し「コンスタントに論文を書き上げること」も可能でしょう。事実,雑用が増えるまではピペットを握ってきたし,「コンスタント」に自分にとって納得のいく論文を発信してきました。私は任期制教員ですし論文数がでないことには次へは繋がりません。まあ,そういった危険な状況に今の自分があるわけです。再任されなっかたら笑うしかないですね。
他人にごちゃごちゃいわれなくても,コンスタントにださなければならない自分の状況は,いやというほど解っています。また,任期制だから,論文を出すことが目的になったら,それは研究者ではなくサラリーマンですので,そういった生き方はしたくはないです。
まあでも朝起きて,新しい朝がやってきて,空も晴れていますので,これからの理事任期の3年間も加えて,「失わなかった6年間」にしたいと思います。あと3年間,「ああああ,面倒だな」と思うことは確実にあるでしょう。学会会期中に堀口さん(理事として2期を経験されました)とも話したのですが,細菌学会は確実に明るくなったと思います。またコロッセウムではたくさんの若手とディスカッションすることができて,何よりも「コロッセウム,楽しかったです」という若手の意見を聞いて,今でも完全燃焼して良かったと思っています。
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自分たちで書き上げる論文数はたかがしれていますが(いや,そんなことはないという気持ちもありますよ),細菌学会がもっと活性化して,世界と競合してもやっていける若手研究者が「コンスタント」に増えていけば,日本から発信する研究・論文はより良いものになるはずだと信じています。そこをきちんと見据えて今の雑用をこなしていくことが,現在の私の役目なのでしょう。そこがなかったら本当に「失った6年間」になります。だから今の雑用は必要なのだと思っています。他の理事の先生方もそういう気持ちで頑張っておりますし,様々な気持ちを押し込んで,仕事をされております。
私は未熟者なので,その軸がぶれてしまう。
しかし,自分が成長するチャンスでもありますので。。。