2008-02-08

脳・再考とこれからの方向

本日,脳のマッピングの強化が総合格闘技に及ぼす効果を検証するために,出稽古にいきました。やはり技のイメージが想起される場所を一つに絞ってスパーリングした方が,技のスピードが違うことが判明しました。今日は強かったです。俺が。

ということで,こういったことをさらに研究に応用していきたいと思います。「最初から,研究に使えばいいじゃん」という意見もあるでしょう。まあでも,実際に自分の体で検証できる総合格闘技系のほうが,痛さもあって,こっちのほうがリアリティーがあるのです。研究脳のほうは,より緻密な戦略が必要だと思うのです。ということで日々,深化していきたいと思います。

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現在,感染免疫関連の研究を行っています。なんで感染免疫かと言うと,うちらの追いかけている病原因子が免疫系に作用することが色々と解ってきたからです(もちろん,免疫系に直接作用しないエフェクターも追いかけていますが)。風まかせではなく,ある病原因子を追いかけていったらいわゆる免疫という領域に,いつの間にか踏み込んでいたのです。俺的には免疫は面倒くさいというか,何かわけの解らない言語で,俺は絶対やだなあ,あんな哲学みたいな世界は。。。と思っていたのですが,やっぱ,人間,逃げていることからは,いつかツケを払うのです。ということでスタッフの永松に色々と教えてもらっている段階です。それで思ったのは,他人の土俵の感染免疫はやらなくて良いと言うことです。他人の言語で理解するのではなく自分の言葉で理解する。感染免疫も所詮,病原因子と宿主側因子の相互作用によってトリガーされる高次な現象であるから,今の自分のスタンスでそれを極めることは可能であると思います。まあ,しかし,1年前の自分には考えられなかったですね。こんな世界に入るとは思っていなかったです。だから研究は面白いのです。そして感染免疫が不得手だから飛び込まないのでは,追いつめた病原因子の機能を,取り逃がすことになります。

10年ほど前,病原因子の機能解析は,分子細胞生物学者に全部おいしいところをさらわれてしまった。「あれ,こいつ細菌学者だっけ。いや,全然違うな」みたいな。ああいう思いは一度でたくさん。だから感染免疫。気負うことなくやれば良い。俺は行くぜ。失うものは何もないのだから。どんな領域であろうとも,病原因子の機能をどこまでも追いかけていきたいですね。

感染という極端な宿主応答の解明は,新たな免疫の扉を開けることになるかも知れません。