二十代の終わりに尾瀬をナイトハイクしたことがあります。その日は月が明るく,夜露に濡れた木道が,冷たいレールのように光を放っておりました。
そこを一人でポクポクと,歩きました。とても気持ちが良かったのを覚えています。
五十代のはじめ,登山靴を新調した僕は,夕暮れの独鈷山に登りました。頂上についたのは6時ぐらいだったと思います。家々の明かりがつくのが,綺麗でした。しかし,帰りの登山道は真っ暗で,どうしても明るい方向に足が向いてしまいました。沢が月の光に照らされ,流れていました。明るい方向に足を向けたときに,僕は沢に滑落してしまいました。さいわい何事もなかったのですが,この山の夜は,僕の世界ではないことを認識しました。
暗さは,人の感覚に良くも悪くも影響を与えますね。
僕はお風呂にはいるときに,電気を消して真っ暗のなかでリラックスします。あるとき,キャンドルをつけたら,オヤジだけどロマンチックな気分でリラックスできるのか?という疑問が浮かびました。
そこで,長女がもっていたケーキ型のキャンドルを拝借して,お風呂にはいりました。
バスタブからあがってくる細かなミストが黄金色に反射し,月に照らされた湖面のように光りました(まあしかし,月に照らされた湖面を見たことがありませんが)。
キャンドルひとつで,激しくロマンチックオヤジになれる! という結論に達しました。
ケーキ型キャンドルも少なくなってきたので,「パシフィカ タヒチアン ガーデニア」というアロマキャンドルを購入しました。ガーデニアは花の名前だそうです。
包装を開けたときに,ちょっと香りがきついかなと思いましたが,お風呂のなかではミストと交じりあって,ほどよい感じでした。
疲れたときにオススメします。
気分はもうタヒチ!