2011-12-12

馬上少年過ぐ。いや,まだまだこれから。

先週、金曜日に細菌学会の理事会がありました。6年間の任期がきれて、やっと重任から開放されました。これについてはまた別の機会に書きたいと思います。新任理事との仕事の引き継ぎを行ったあと、長野新幹線にて自宅のある上田市に向かいました。この6年間を自分なりに振り返るべく、袋町にあるバー シャノアールで一杯。カウンターに座ってマルガリータのオンザロックを楽しみました。それから赤提灯がぶら下がっているラーメン屋で腹ごなしをして、タクシーを拾って帰宅しました。

翌日は、寝坊です。。。畑の霜が半分ほど溶けてかかっていました。まあでも、この時期は路面が凍結していますから、自転車「ベレーニョC9」を出すにはちょうど良い時間となりました。先週、タイヤをロードレース用に交換したので試乗会です。別所温泉の峠を越え女神岳周辺を軽く流し、自宅につきました。タイヤが軽くなったので、山間部の登りが楽になりました

自宅につくとチビがウズウズして僕の帰りを待っていました。ツーリング用の衣類から雪山用に着替えて、落ち着く間もなく長門牧場へ。車で1時間登っただけで,一面の雪景色でした。駐車場に着くと牧場のおじさんが待っていてくれて、そこからモンゴル馬がいるところまで移動。僕が想像していたよりも寒く、農作業用の長靴がすぐにひんやりしてきました。チビは生まれて初めて本格的な雪に遭遇し、雪の中で寝そべっていました。それから馬にまたがり、サークル状の馬場でしばらく感覚を取り戻したあと、青年に連れられて広い牧場を散策しました。かつてチンギス・ハーンは、持久力があって忍耐強いこのモンゴル馬で、世界制服をしたのです。西洋人にしてみれば、国家を超越した存在であるローマ教皇に、「日が昇って日が沈むところまで、我が支配する処なり」「敵対すれば、必ずや汝を滅ぼさん」と宣言したのは有名な話です。しかも、当時は紙というものが西洋文明には存在せず、「紙の書簡」=「未知のテクノロジー」をもった超大国に脅威を感じたのでした。

話をもとに戻すと雪野原となった牧場で、寒さに震えながらも乗馬を楽しみました。所々で休みをとると、馬たちは雪を掘りかえし牧草を探し当て静かに食んでいました。山中を降りる時に、木々に足をぶつけたりしましたが、馬たちの優しさに助けられ無事に馬場に戻りました。牧場で美味しいコーヒーをご馳走になりました。チビは一人で馬場に向かいました。手綱から解放された馬たちがチビに近づいてきました。チビは驚いて数メートル後ずさりましたが、立ち止まって,しばらく馬との距離を保っていました。静かに近づいてきた馬たちに,おそるおそる手を伸ばし、鼻のあたりを撫でていました。馬にもだいぶ慣れてきたようです。それから凍えた身体を温めるために、室賀にある「ささらの湯」に向かいました。露天風呂の竹林からは、これから月食になるであろう月が雲の合間から薄ぼんやりと輝いていました。

これからはまた普通の生活に戻ります。6年間,学会に参加してもほとんど聴講することはできませんでした。ラボにも迷惑をかけました。一研究者として,次の10年を生きたいと思います。


上田市袋町界隈。シャノワールは左手にあります。
キムチラーメン。美味しかった。
ベレーニョで購入した自転車の冬用グローブ
凍てつく長門牧場
初めての雪に戸惑う愛犬。



ゴキゲンなチビと一緒に。