2011-03-20

マスコミの使命

これまで私は勤務地から1時間弱ぐらいのところにある「本拠地」と大学付近にある「前線基地」を家族で行ったり来たりしていました。昨日,本拠地の整理を行ってきました。近い将来,借家である「前線基地」のみでの活動になりますが,今は不動産よりも現金のほうが重要であると判断しました。タクシーで前線基地にもどる途中,被災地である福島の弟から「やっと水道水が使えるようになった」と電話がありました。私の実家は軽微な被害ですが,それでも家屋をもとの状態に戻すのには,時間とコストがかかります。甚大な被害をうけた地域では復興にどれぐらいかかるかわかりませんが,皆で,前に向かって歩くしかありません。

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福島と茨城の「一部の地域」で作られている牛乳,農作物でヨウ素131が検出されました。ところが多くの報道ではこの「一部」という点は強調されていません。マスコミはインパクトファクターをあげることに躍起になっているのでは。。。マスコミ本来の使命は,情報を「正確」に伝えることであると思います。CNSクラスのインパクトがなくても,実直に報道を続ける姿勢が重要だと思います。特にマスコミによる風評被害だけは勘弁してほしいですね。「一部の地域」と明言しないだけで,確実に福島と茨城全体の農作物に大打撃を与えてしまったのですから。ちなみにヨウ素131の半減期は8.04日で,セシウム137は約30年です。放射性物質には半減期があることも,きちんと報道すべきでしょう。しかし,某雑誌の特集が「東京に放射能がくる」ですから,このような表現がスルーされてしまうこと自体,今のマスコミにはリテラシーが欠如していると思います。「インパクト狙いの下世話なタイトルである」のは,間違いないでしょう。

付記: 某誌「○エラ」を筆頭として,マスコミ各社には「あなたがたの情報は被災地の方々も見ている」ということを忘れないでほしい。