2014-10-05

格好いい

「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」

 僕は大学時代にハードボイルド小説にのめりこんだことがあります。男なら誰でも,強くて格好いいものに憧れるはずです。今でも「格好いい」が,行動の規範だと思っています。そこで,僕が影響を受けたものを,あげてみました。

【イボン・ショイナード】
 僕が学生の頃,イヴォン・ショイナードという人が創ったパタゴニアが,フリースジャケットを開発しました。当時,冬山でセーターが濡れたらかなり厳しかったのですが,フリースジャケットは違いました。「濡れてもそんなに冷たく感じないし,すぐ乾く!」に,とても衝撃をうけました。
 それ以来,僕は,何処へ行くのにでもフリースジャケットでした。当時,フリースを着ている大学生はいなかったから,笑われました。羊みたいだと。。。パタゴニアのジャケットは新大久保の石井スポーツでしか扱ってなかったし,素材的にとてもマイナーな存在でした。
 なので,「格好いいという基準」は,自分だけが満足すれば良いのだ! ということで納得するようにしています。

山行の準備は楽しいですね。冬だとフリースが必需品です。

【Apple】
 就職すると,当然,コンピュータを使うようになりました。当時は,Macがまだ市民権を得ていない時代でした。ウインドウズマシンは公費で買えたのですが,Macはダメでした。
 まあしかし,ダサいマシンは嫌いだということで,独身時代の給料のほとんどを,LC, IIcx, クアドラ,その後に続くベージュ色(このへんの機種は,ウインドウズマシン並にブサイクでした),,,に費やされました。
 LCを買った時には,ちょうど博士論文を提出しなければならない時期で,しかし,Macの使い方はまったくわからない,そんな状況でした。大学の有機合成系の人間は,ケミドローというソフトを使っていたので,聞きまくりました。
 1日,16時間ぐらいMacと格闘しました。文字化けしたコンソールが夢のなかにも現れて,これはヤバイと思いました。しかし,あの当時,「僕は何としても今は死ねない。Macを使いこなせるまでは死ねない」と,純粋に考えていたのです。色々なコマンドを覚えていくことに,狂喜があったのです。
 IIcxに内蔵したハードディスク30GBの値段で,MacProが買えるのですから,良い時代になりました。秋葉原のパーツ屋さんで,メモリ5GBを5万4000円で買ったときの興奮は,今でも忘れられません。

モニターの後ろに隠れて,Mac miniが見えません。。。それぐらい小さくなりました。

【ブラジリアン柔術】
 この格闘技に出会ってから,もう10年になります。僕はCarpe Diemという道場で練習しています。道場でインストラクターをされている青柳さんのブログにも,僕が通っている道場の紹介があります。

 実はブラジリアン柔術が最高に楽しいと思えるようになってきたのは,つい最近です。青帯になったときに,白帯には負けられないと思うようになりました。そして,紫帯になったときに,少し憂鬱な感じがしました。それは,もっと強くなければならないという気持ちです。しかし,紫帯になって2試合連続で負けたときに,色々考えることがあり,スパーリングを思い切り楽しもうと思うようになりました。フルパワーでおこなっていたスパーリングをあらため,リラックスしたなかで行うようになりました。

 スパーリングで負けることで,自分の欠点を相手に尋ねて,弱点を補強していくことができます。負けるところから,練習がはじまる感じがします。このように思考を変えたことで,日々の練習が本当に楽しくなりました。

 おとなしい感じのサラリーマンがバリバリに強かったりして,意外性を感じるのも道場です。あと,皆さんが強烈にオシャレです。道場に通うようになってからネペンテスというお店を知りました。

Carpe Diem 広尾の練習風景。広いです。

【格好いいのまとめ】
 結局,格好いいというのは,自分のスタイルを貫き通すということだと思います。
 また,こうあったら自分は気持ちよく楽に生きていける,というライフスタイルでしょうか?
 僕は研究者という生き方も,相当,格好いいと思っています。道の最端に立っているという自負があります。たとえ小さな発見でも,それを紡いでいくことで,日々のワクワク感があります。

 外は雨が降っていますが,論文執筆には最高の日和です。