2009-06-13

現実世界と思っている世界は,実はトリップしている

昨日は晴れていた。
屋外で冷えたコーラを飲もうと思ったら,皆,同じような気持ちだったのか,ベンチが空いていない。しょうがないので薬用植物コーナーの地べたに腰をおろして,そのへんに生えていた雑草を眺めながら一休みすることに。
地べたに腰をおろすと,自分がまだ小さかった頃の視点に戻る。ヒメジョンが可愛らしく花を咲かせ,ツツジにはアリたちが密をもとめて,せわしなく行ったり来たりしている。そういったものに,素の状態で入り込んでいくと,視界が超鮮明になり,きちんとまとめていた左脳のはたらきが鈍ってきて,まわりの風景が動き出す。ヒメジョンがリアルカラーで周りの風景から離れて,自分に近づいてくる。

すごく綺麗なありえない世界。
すべての植物,生命のエネルギーが一体となっているようなフレームのない世界。
ずっとここに留まっていたい世界。

「あああ,この世界,忘れていた!」と楽しんでいたら,
「先生,大丈夫ですか?」と呼びかける声が。
(まじで,落ち込んでいると思ったわけ。ああ,でもありがとう。)

その瞬間に脳のマッピング機能が働き出し,花やアリたちは,記憶された情報に置き換えられ,仮想現実を,現実世界と認識する世界に戻ってしまう。RAW画像で脳がすべてを記憶していたらすぐに一杯になるので,JPEGあたりの圧縮画像に変換されのか。普段,現実と思っている世界から,画像処理のないリアルな世界を見せられると,「うわーなんだ,このぶっ飛んだ世界は!」となるわけ。しかし,この瞬間の情報処理されていない世界が本当であり,処理された過去の情報をもとに,自分の都合の良い未来のことを考えてる人間の思考のほうが,過去の情報をもとに未来へ,トリップしていることになります。それはひどく現実的に,個人的に,処理されすぎてしまって,つまらない。

「大事にしている私の取り囲んでいる世界」の垣根をとっぱらうと,リアルな世界がそこにある。

うまくいえないので,こちらをどうぞ。脳科学者が自分の脳が壊れていく過程で何を体験したのか,そして再生の過程で何をつかんでいったのか,素晴らしいプレゼンです。これからの人間が生きていくヒントがここにあると思います。


ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察の発作