2019-03-03

日本語の学術論文におけるフォントの最適解: 游ゴシック + Helvetica Neue

 年度末ということもあり研究費が枯渇する時期ですが,ハンパなく圧倒的に,カツカツになってきました。まあしかし,生物にとって飢餓状態は様々な生命現象に関与しており,そんなに悪いことではありません。ということで,研究費の枯渇をポジティブに考えて,なんとか無い知恵を絞り出し(ココがメリット 笑),財団へのグラント申請を行っております。
 そこで今回は,科研費や各種財団の申請書,博士論文などで使用するフォントの最適解は何か?という深い問題を追求したいと思います。


 英語の原著論文だとフォントは「Helvetica」あたりでなんとかなるのですが,日本語で書かなければならない申請書とか論文だとそうも行きません。なぜなら,和文フォントと欧文フォントが混在することになるからです。特に僕の領域では,病原菌などの表記はイタリック体という約束事があるので,文章のバランスが崩れやすいです。たとえば,「Bordetella pertussisは人に感染する。」という文章を書いてみましょう。
 
フォントにおける最適解
 マックの環境だとゴシック体に「ヒラギノ角ゴ」を選択する場合が多いです。しかしイタリック体はサポートされてないので,無難な「 Helvetica」で 「Bordetella pertussis」 をイタリック体にします。しかし傾斜がきつすぎて,それに微妙に,Helvetica の部分だけ強調されております。

 とういうことで,何気に使用している「ヒラギノ角ゴ」と「Helvetica」の組み合わせは,実はそんなに良くないんじゃないか?という猜疑心がでてきました。

 そこでフォントに関していろんな情報を収集して,暫定1位の組み合わせを発見?しました。それは,「游ゴシック」+「 Helvetica Neue (ヘルベチカ・ノイエ)」の組み合わせです。実はどちらのフォントも今までスルーしてました(笑) 僕が「游ゴシック」を選んだのは,ぎっしりした申請書でもスペースがしっかりとしているからです。そのため目に突き刺さるような威圧感がありません。

文字の太さが4段階あるのも良いです。
 日本語フォントは「游ゴシック」にして次にこれと合う欧文フォントを探しました。灯台下暗しということで,「Helvetica」の改訂版である「 Helvetica Neue (ヘルベチカ・ノイエ)」に決定です。
圧倒的な表現力を持つ「 Helvetica Neue (ヘルベチカ・ノイエ)」
 改訂版と言うだけあって文字の太さもたくさんあります。上記文章では「游ゴシック」の太さに合わせて,「ライト・イタリック」を選択しました。オリジナルの「Helvetica」と比較してイタリックの角度がきつくなくて,日本語フォントとのバランスも良いと思います。ということで申請書の作成には,「游ゴシック」+「 Helvetica Neue 」の組み合わせが最適解です。

 いや,マイクロソフトのワードでは,「イタリック体をサポートしていないフォントでも斜体になるよ」と言及される方がおられるかと思います。あくまでソフトウエア上で「斜体」にしているだけであり,本来の「イタリック体」ではありません。このへんの混乱については,こちらで紹介しておりますので,お時間がありましたらどうぞ。