2011-11-28

研究がときめく片づけの魔法

「人生がときめく片づけの魔法」を読みました。なかなか説得力がありました。


ということで,唐突にラボにあった蔵書の断捨離を行いました。自分の体重ぐらいはバッサリと処分しました。上記の本で共感したのは,「モノには捨てる順序が存在している」という部分です。まず初級編として衣類があります。次に書籍です。衣類・書籍は,捨てる難易度が低い部類に入ります。一方,難易度が高いものとして,思い出の写真集とかがあります。

この本で面白いと思ったのは,例えば本を捨てる場合,「自分がときめかない本」はバッサリと捨ててしまうことなのです。気に入った本だけが,純粋に本棚に残ることになります。僕もそうなりたいので,自分の書棚から全部の本を引きずりだして,一冊一冊,「ときめき的に」対峙していきます。そんなに好きな本もないので,半以上は処分することになります。これで本棚がスッキリしました。捨てるのに困るのは,値段が高い本です。もっと困るのは,高いけど,そんなに読んでいない本です。しかし,「高いからいつか,しっかり読まないと」みたいな本も捨てることにしました。お金を払ったあげく,本から変なプレッシャーをかけられても困るので,自分とは合わなかったのでしょう。人間でも本でも,あわないなと思ったら,そこで一線を引くべきなのです。

ちなみにラボの本棚には,専門書だけではなく自分の好きなマンガ,小説,ブラジリアン柔術の解説書などもまとめておいてあります。いざひっくり返してみると,ここ数年,忘れていた本たちが,たくさん出てきました。そういった本も全部捨てました。残った本は,ここ10年ぐらいのなかで,自分的にベストなのだと思います。

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断捨離した本棚は自分の好きな本しかないので,大抵の本の場所をつかむことが可能です。要するに自分を取り囲んでいる空間の認識がよりクリアになるのです。「自分とモノ」との境界線をはっきりさせる。そこが本書の狙いだと思います。取り囲んでいる空間の認識能力を上げていくのが,古代から伝わる「風水」です。「気の流れ」を良くするというのは,すなわち「空間の認識能力を上げる」ことだと思います。ということで「人生がときめく片づけの魔法」は,直球勝負で好感がもてました。




2011-11-26

Thunderbolt Display + Mac mini SSD

皆さん,お元気ですか。本日より僕はThunderboltな日々を送ることにしました。また,スタッフや学生さんはIntel Coreに移行しており,マジで速いらしいので,僕のMac miniもCore i7に移行しました。さらにツイッターでフォローしているchicchaimonoさんがSSDが爆速だというので,ハードディスクはSSDにしました。今までのMac miniは,一昔前のCPUを投入していた感じがするのですが (大きなタワー型のマシンが売れなくなってMac mini 高性能作戦に転じたのかもしれません)今回はしばらくこのCPU+SSDでいけるんじゃないか!という速さを感じました。

ラボではスタッフ・学生さんがデュアルディスプレイで仕事をしており,シングルからデュアルディスプレイに移行すると効率がいいのかなと思い,Thunderbolt Displayとナナオの液晶モニターを併置しました。僕にとっては大改革でした。

CPUの恩恵は感じられますが,デュアルモニターにするとメニューがすごく遠くに感じられます。これはモニターごとにメニューがあれば解決する問題なので,SecondBarというユーティリティーを入れて,どちらのモニターにもメニュー項目が現れるようにしました。また,FinderPopという機能拡張?を入れて,マウスクリックだけで,頻繁に使用するフォルダーへアクセスできるようにしました。これでメニューやDockにマウスカーソルをあわせるという操作が大幅に軽減されました。

ということでコンピュータ環境はかなり良くなったので,あとは結果をだせ! ということでしょうか。


新しいマシン

移行はあっという間に終わりました。

はたしてサンダーボルト規格は生き残るのでしょうか。。。下から2番目のケーブルです。

僕的にはモニター位置がまだまだ高すぎるThunderbolt Display。あとノングレアタイプがあれば良かったと思う。スピーカーがついているけどOlasonicと比べると,今ひとつの音質でした。ので,黒いたまごは未だに健在です。

2011-11-23

邂逅

先週の金曜日に,埼玉医科大学 卒後教育委員会後援学術集会にて,特別講演会を行いました。病態生理部門の片桐岳信教授にご招待頂き,発表の機会を得ることができました。

片桐先生は大学の後輩で,僕が修士の修了間際に,卒研生として配属されてきました。僕と片桐先生が同じラボで過ごしたのは,ほんの少しの間でした。当時,遺伝子工学は黎明期で,僕はその言葉の響きだけで,遺伝子の世界に入ったような気がします。学生だった頃,そこにあるものは最先端のサイエンスでした。cDNAのクローニングで,皆がざわざわしていた頃の時代です。

そんなときに僕らは「遺伝子という共通言語」で,ラボに在籍していました。片桐先生のすごいところは,当時の研究テーマの延長線上に,現在の研究テーマである「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の全体像解明があることです。現在に至るまでには,大変な苦労があったかと思われます。片桐先生は持ち前のポジティブな性格で,自身の研究領域を切り開いていきました。講演会のあと夕食を御馳走になり,あの頃に,しばし戻って行きました。お互い大学院時代の研究テーマは,まったく違っていましたが,ライフサイエンスの世界を通じて片桐先生と再会できたことは,思いがけない出来事であったと思います。

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実験一つ一つで行われることは,長期的な研究プロジェクトからしてみれば,点のような出来事であります。しかし,それをどう紡いでいくのかによって,誰も行ったことのない研究の領域に足を踏み入れることができるかも知れません。当時,制限酵素は数えるほどしかなく,クローニング自体がすごい時代でした。限定された知識のなかで,それでも遺伝子工学は発展して行きました。「遺伝子工学」という言葉も,今では陳腐な響きがあります。僕の20代は研究資金もなく,暫くの間,ヒートブロック上の「柿の種 空き缶」3つが,手動によるPCRマシンでした。空き缶に水を満たして,温度を良い塩梅に調整し,手動でエッペンチューブを移動させて,遺伝子増幅を行なっていました。今は何もかもファインチューニングされていて,研究者間の技術的な格差は,縮まったと思います。それなら「何に焦点を絞るのか?」に,尽きます。そんなことを想いながら高麗川駅をあとにしました。

お互いに良い感じのオヤジになりました。片桐先生(左側)の今後の発展をお祈り致します!

2011-11-20

バイクラン: Wahoo Bike Pack

この夏に長野県上田市に引っ越してきて,生活環境も大きく変わりました。基本的に週末は上田で過ごすようになりました。これまで週末はラボに行って,土日のどちらかはブラジリアン柔術で汗を流していました。上田に引っ越してきてからの,体力増強を図るべく,各種運動を検討してきました。

登山は楽しいのですが,これだと一日じゅう山に入るので,家族からクレームがきそうです。そこで,効果的に有酸素運動が可能なサイクリングを日常に取り入れることにしました。これまで,iPhoneのGPS機能で,バイクランのスピードや距離などを管理していたのですが,ケイデンス(一分間のペダル回転数)の情報も知りたくなりました。自転車では,一定回転数で走る方が効率が良いとされており,長距離を走りたくなったので,ケイデンスについても知りたくなりました。測定装置についてはガーミン社が有名ですが,iPhone 4Sを購入したのを契機に,ケイデンスもiPhoneで管理することにしました。そこでWahoo fitnessのBike Packというモデルを海外通販で取り寄せました。このキットには,Fisica Sensor Key,スピード+ケイデンスセンサー,頑丈なiPhoneケースが付属しています。 スピード+ケイデンスセンサーはANT+という無線通信規格に対応しており,これらの情報は,iPhoneケースに内蔵されたFisica Sensor Keyにひろわれ,iPhoneアプリに連動するしくみです。ANT+に対応するiPhoneアプリはたくさん出されております。

今回は女神岳周辺にてテストランを行いました。今回使用したiPhoneアプリは,LiveCyclingというソフトです。このソフトが優れているところは,スピード,ケイデンスが大きく美しく表示されるところです。ラン終了後はツイッター,フェイスブックで共有することも可能です。イチオシの機能はgpxファイルをメールにてエクスポート可能なところです。これによって,TrailRunnerのようなMacアプリでログを管理することが可能です。心拍数のモニター画面もついているので,ANT+対応の心拍数センサーをあとで取り付けることも可能です。ただしメインメニューについては変更できないので,次回のバージョンアップに期待します。

今まで愛用しているRunmeterは,メインメニューの切り替えが可能ですし,音声でスピード,高度,その他多くの情報(設定で変更可能)をアナウンスしてくれる機能があります。また,区間ごとの平均スピードもエクスポートでるので,情報量についてはこちらのソフトが秀でています。ただし,LiveCyclingはリアルタイムで表示される画面がとても綺麗なので,迷うところです。。。バックグラウンドでRunmeterを起動させておいて,音声のアナウンスはRunmeterで管理して,走行中の画面はLiveCyclingを表示させることが可能かも知れません。予備バッテリーが必要ですね。

今回はあいにくの雨模様で,峠の頂上は寒さで震えましたが,iPhoneをおさめたケースは完璧に乾いておりました。強い雨がケースをたたきつけましたが,ケイデンス,スピード情報は安定していました。

自転車の泥を落とした後,凍えた体をもとに戻すべく,真田にある日帰り温泉「十福の湯」に行きました。夕暮れに染まった梢からは,枯れ葉が小鳥のように舞い飛びながら,露天風呂に落ちてきます。「どうして僕はここにいるのだろうか?」という違和感に包まれる場合がありますが,長野の冬ごもりに備えていきたいと思います。
米国のWahooから通販で手に入れたBike Pack。これ一つさえあればケイデンスを測定可能。

ペダルに取り付けたケイデンスセンサー。これでクランクの回転数を測定する。

こちらはスピードセンサー。スポークに磁石をとりつけて,これを感知する。

かなり大きなiPhoneケース。3GSにも対応している。

iPhoneアプリのLiveCyclingのヒストリー画面


LiveCyclingは,gpxファイルを生成する。TrailRunnerで開いてみた。

2011-11-15

アップル

ご無沙汰しております。長野県上田はすっかり秋の気配に包まれております。

先日,ラボのiMacも秋の気配に包まれて,ハードディスクの調子が悪くなりました。一体型マシンは,調子がおかしくなったときに苦労します。かついでの修理はきついです(アップルのほうで取りにきてくれる修理もあります)。

そこでこれを機会に,Mac miniとサンダーボルトディスプレイという選択肢を試しました。Macの良いところは,タイムマシーンというバックアップ機能があることです。新機種を購入しても,今までのiMacのデータを何の苦労もなく転送することが可能なはず,でした。しかし,ラシーのネットワークハードディスクが,うんともすんとも反応しません。スタッフの桑江君とさんざん悩みましたが,何とこのハードディスクは,Macの新システムであるライオンに対応していないことが分かりました。先日,2テラのハードディスクを2連装し,RAIDを構築したばかりなのに。。。ライオンは僕を千尋の谷(せんじんのたに,と読みます)に突き落としてくれました。

桑江君がああでもないこうでもないと孤軍奮闘していると,iMacに外付けのハードディスクをつけてシステムを入れると,内部の故障しているハードディスクを経由せずに,外部ハードディスクから起動することがわかりました。僕はOSXになってから,外からブートはできないと勘違いしておりました。SSDの外付けハードディスクが安くなったときに,爆速になる可能性がありますね(Firewire 800の転送レートに依存しますが)。

話を戻すと,iMacの外付けハードディスクのシステムはスノーレパードなので,ここにタイムマシーンのデータを復元させ,さらにライオンがインストールされている新Mac miniに転送させるというウルトラC級の技で移行が可能であることが分かりました。桑江君,ご苦労様でした。

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先日,帰りの長野新幹線のなかで,雑誌WIREDのスティーブ・ジョブス追悼集を読みました。僕のなかで最高にCoolなマシンは,Quadra 700でした。 68040CPUは当時のアップル製品のなかで最速でした。カナダに留学する当日の朝まで論文が終わらずに,妻に先に成田へ向かってくれと言い残し,ぎりぎりまで論文を直しました。その時のマシンがQuadra 700でした。僕はこのマシンを担いで,東京郵便局経由で論文を出してから,成田に向かいました。朝まで徹夜したのにもかかわらず,機内では神経が高ぶって眠れませんでした。

アップルがこれからどう成長していくのかわかりませんが,Quadra 700は僕にとって一番のマシンだったと思います。

2011-11-06

モンゴル乗馬

先日,長門牧場でモンゴル乗馬を楽しみました。
金曜日は仕事がある日なのですが,有休を取って家族でゆっくりすることにしました。それに久々に,仕事から解放されたいという欲求がありました。ま,ここでの仕事は雑用(学会関連)ということになります。研究は仕事であるけれども,こっちの仕事は大好きで,先日購入したScanSnap携帯版をカバンにつめこんで,久留島君の3報目となる論文のやりとりを,上田ー東京間でしているところです。

話を元に戻すと,長門牧場は広い! ので,ぼーっとするにはちょうど良いところです。先日,チビが引き馬で,乗馬らしきものを体験しました。こんどは少し本格的にやりこもうということになり70分のコースを申し込みました。モンゴルの馬に乗るのは初めてでした。牧場ノーサイドの馬は本当に愛されているようで,どの馬も人間にとても親切でした。チビは馬に草を食べさせて,わざと遅れをとって,馬を早足で走らせエンジョイしていたようです。僕がのったのはイブという名前の馬で,栗毛でかわいい目をしておりました。馬に乗るときは,体をまっすぐに,天に伸びているように意識しながら,全体をリラックスさせて下さいとアドバイスを受けました。馬が走り出すとどうしても体がこわばります。そういったこちら側の緊張を,馬は敏感に察知して「馬の素人」を見分けているのでしょうね。

上田に移住してから,ブラジリアン柔術の稽古時間が減ってしまったのですが,登山,サイクリング,ランニングの機会は増えるようになりました。僕の良くないところは,この運動は何々に良いとか,ついつい考えてしまうことです。まあでも一番重要なのは,スポーツを通して「素」の自分に戻ることだと思います。「素の自分」については,ついついおろそかになってしまいますが,まわりのちっぽけな評価で,自分の生き方がぶれないようにしていきたいと思います。これについては,愚妻のコメントが的を射ているので,またリンクしておきます。
長門牧場にきました

愛犬はヤギにびびってました

晩秋な感じです

モンゴル乗馬「ノーサイド」にて散歩

僕をのせてくれたイヴ