先日,フィットネスジムで筋力測定をしました。左腕はアスリート並の筋力で,ジムのお兄さんも驚いていました。マシンを使ったトレーニングをほとんどしていませんが,これも総合格闘技ジムのおかげです。しかし最近は,2年ぐらい前なら楽勝で勝てた高校生たちに完敗することが多いのです。彼らも一回り大きくなり,真剣に考えないと,このままやられ続けてしまうことになります。スパーリングをどんどん続けていくと,体がいうことを聞かなくなります。でも本当は,「脳がこれ以上戦うとちょっとしんどいから動くのやめなよ」と制御をかけているのです。体の限界を超えないようにしているのが,普段の脳の働きだと思います。一方,総合格闘技のプロを目指す方は,体の限界を超えても動き続けられるように,脳のリミッターを訓練により少しずつ解除していきます。プロの格闘家も述べていますが,最後は「脳の力」で勝敗がつくといっても過言ではありません。
脳力の限界点を少しずつあげていくことで,プロ仕様になっていきます。
また話が変わりますが,脳力の強さも研究者には必要なことだと思います。論文を投稿し,レフリーに叩きのめされたときに,論文レベルを下げて再投稿するのか,それとも再度イバラの道を突き進んでレフリーにリベンジするのか,能力よりも脳力で差がでる部分だと思います。まあしかし,意気込んでもどうにもならない場合がありますが,負けても強くなっていくような論文作りを心がけたいものです。
脳力について話を戻します。
先日,アグレッシブな相手と対戦しました。予想通りきついスパーリング展開となりました。ポイント的にはぼこぼこにされていたので,相手がマウント取ったときにウパという返し技で上下を入れ替えて,すかさず袖車絞め。首頸動脈に完全に極っていたのでタップするのかと思ったらなかなかタップしません。こっちはポイントで大差取られているので,全力で一本狙い。すると相手が急に脱力したので「あ,落ちた」と思いました。しかし,この相手がすごいのはここからなのです。半落ちした状態で,まだ体が十分に動けないのにも関わらず,しびれる体で必死に私に向かってきました。
現実世界に戻ったときに,彼が最初に発した言葉は,
「俺,タップしましたか」と。
タップはしなかったよと聞いて,安心した様子の彼。自分はここまで追い込みはしませんが,ていうかできませんが,脳力はまだまだ開発していく必要があります。