2016-02-15

雲取山でのテント泊はそれなりに寒かった

鴨沢からのアプローチ。雲取山を目指して。
いつもというわけではないのですが,ソロキャンプに無性に行きたくなるときがあります。今回は,東京都の最高峰である雲取山に向かいました。僕にとってはじめての山であり,また,久々の雪山でした。


昨年の秋頃から,ひたすら雪山装備のセットアップをしてきました。雪山で GPS が機能しなくなったときのために「入門講座 2万5000分の1地図の読み方」を熟読して,読図の再勉強もしました。今回は鴨沢からアプローチしたのですが,10分おきぐらいに1/25000の地図を確認しながら登りました。特徴的な地形,隣りあっている山塊,谷川の様子から自分の位置を探り当てるのは楽しいものです。

僕はアトリエブルーボトルというガレージカンパニーの Hiker's SACOCHE を愛用しています。このサコッシュには地図を入れるのに丁度良い透明な窓がついています。また,iPhone を入れておいて,FieldAccess2というGPSアプリを常時起動しております。地図で自分のポイントを確認し,このアプリで答え合わせをしながら歩いて行きました。通常の登攀時間より大幅に遅くなりましたが,個人的に満足したトレースとなりました。

地図をきちんと読めて GPSで補完できれば,登山はもっと楽しいものとなります。地図愛用派のなかには,GPSの利用に嫌悪感を示す方もおりますが,地図が吹き飛ばされてしまう激しい吹雪の日もあります。こんな日にはGPSとの併用が役に立ちますが,iPhoneもひらひらと吹き飛ばされてしまうので,iPhoneケースはカラビナに括りつけられるものを使用しています。

閑話休題。さてさて七ツ石山をまいて,やっと尾根が見えてきました。今回の目的は冬山装備を確認するための山行でもありました。そこで,MSRのスノーシューをブナ坂で試してみました。雪はそれほど積もっていないのでオプションのフローターはつけなかったのですが,自分の体重とザックの重さを合わせると 85 kg ぐらいになっていたので,ところどころスノーシューが沈みました。次回はフローターをつけて試してみたいと思います。

ブナ坂にて。MSR revo スノーシュー。サコッシュ。バルトロ75。

空は澄み渡り一面の雪景色を眺めると「来てよかった」と本当に思いました。奥多摩小屋の管理人さんに幕営料を払い,そして水場を教えてもらい,テントサイトを探しました。

奥多摩小屋。幕営料は500円。
ここで問題が生じました。雪のためツェルトをうまくペグダウンできずに,結局,木の間に張ることになりました。MSRのブリザードステークが高いので本数をケチったのが敗因です。。。なので,これよりも長いイーストン社のジュラルミン製ペグを購入しました。

奥多摩小屋付近からの夕日
上から,おまけでついてくるペグ,MSR ブリザードステイク,イーストンペグ

さらに,シュラフカバー代わりに買ったブラックダイヤモンドの twilight bivy は結露がハンパなく,すぐにシュラフを取り出しました。驚いたのは,ファイントラックのツエルトには結露がほとんどなかったことです。おかげで twilight bivy が機能しなくても,なんとか快適に過ごすことができました。冬山で意外に重宝するのがホッカイロです。これを足裏につけて寝ることで,足からくる冷えをかなり抑えることができます。
しかしそれでも,明け方は寒かった。。。僕のもっているシュラフは冬山用ではなかったので,なおさら twilight bivy に頑張ってもらいたかったのですが,ホッカイロに救われたかたちになりました(注1)。


むさくるしいツエルトのなか。なんちゃってククサにワインを注いで寝袋にくるまりながら,まったりしています。

夜中に,ときおり強い風が吹いてきてツエルトを激しく叩きました。ラジオから流れてくる音楽を聞いて,ミニストップで買った1コインの赤ワインを楽しみながら,何とかやりすごすことができました。

翌日も快晴となり風も穏やかで,遥か彼方にそびえる富士山がくっきりと見えました。誰もいない雲取山の頂上に立って,コチコチになったクリフバーにかじり付きながら絶景を独り占めできた優越感に浸りました。

雲取山山頂からの眺め。さすが日本百名山で,眺めが最高です。

それからテント場まで戻り,カレーヌードルとレトルトシチューで身体を温めて,サーモスに余ったお湯を注いでから,奥多摩小屋の尾根をあとにしました。

結露の発生がほとんどなかったファイントラックのツエルト

久々の雪山で問題点も多々ありましたが,このような問題点を見つけるのも今回の山行の目的でした。スノーモンスターはまだ先になりそうですが,今,歩いている行程を大切にしたいと思います。

風が吹いて木々がこすれあってギイギイ音がします。普段,空を見上げることはほとんどないです。こういった風景が贅沢だったりします。

注1:賭け的な山行は危険なので,ナンガのオーロラ450DX というシュラフを購入しました。このシュラフのアウターは透湿性防水素材なのでシュラフカバーが不要です。重さは1 kg と少々重いのですが,3レイヤーのゴアテックスシュラフカバーは400 g ぐらいあるので,これを買わなくてすみます。なので重さ的には釣り合いが取れると思います。

今回の冬山装備(ご参考までに)
https://www.evernote.com/l/ABamIOyMas9H2puAciW4TEkeqgaGXigOGVE