前回の細菌学会も忙しかったが,今回も余裕はなく,ギリギリでの発表であった。口演が終わったあと,羊土社のブースを偵察。「もっとよくわかる!感染症」も並んでおり,本誌編集を担当された吉田さんを発見。
午後3時頃,会場をあとにして,丸ビルで西村君に贈るネクタイを購入。彼も4月から社会人の仲間入り。紺色のものにしたが小さな花のドットで,あまり地味には見えないものを選んだ。久々の革靴は疲れる。もう地下鉄には乗りたくなかったので,タクシーをひろい,謝恩会の会場がある青山へむかった。皇居周辺を流してもらい,見知らぬランナーに自分の姿を少しだけ重ねあわせた。
謝恩会の会場は,青山に古くからあるホテルで,どことなく昭和で,ときが止まっていた。謝恩会がはじまり,今年も学生が卒業し,美味しいディナーをご馳走になり,ワインで酔いがまわった。はやかったけれど西村君にさよならの挨拶をして,ホテル前でタクシーをひろった。角をまがるときに,水槽のようなプラダのビルが見えて,根津美術館の坂を下るときに,僕の通っている柔術ジムが見えた。熱気で窓ガラスは曇っていたが,クローズドガードを割ろうとしている瞬間が,見えた。
翌日は学会ナカビであったが,この日は朝から教授会。人事関連の議題を先に回してもらい,ここだけ出席して,学会会場へとむかった。宮崎大学のH先生と昼食を楽しんだあと,北海道大学に在籍している学生さんと打ち合わせ。頂いたおせんべいが,美味しかった。それから,学会賞の受賞式に参加。今年は,同じ大学の三木先生が受賞された。おめでとう。
僕は,どちらかと言えば懇親会に出席するほうであるが,今回はそそくさと帰宅し,仕上げなければならない総説にとりかかった。学会最終日は,学内会議に出席しなければならず,ネクタイにすればよかったと思いながら,時間がすぎていった。
学会は遠くであるほうがいい。
そんなことを強く確信しながら,来週から新年度である。
連日の猛攻で,ややうなだれ気味の筆者と,羊土社の吉田さん。本書を購入して頂いた先生方に感謝! 改めて人との繋がりの大切さを感じました。 |