「あべちゃん,今日は真面目な話をするよ」と言って,山村さんは唐突に話しだした。
「あなたは何かを成し遂げられる人間だから,これから2年間はがむしゃらに働きなさい。そうだな2年間だと短すぎるから,プラス半年つけますよ」と,山村さん。
こっちは「そうなんですか。。。」と返事するしかなかったけれど,山村さんはかなり真剣に僕の将来について話してくれた。その日のとりへいは空いていて,僕以外に話す相手はいなかったのだけれど。。。
ともかくも「人の期待に応えるのは良いことだ」と思って,山村さんの僕に対する野望を実現すべく,2年間と半年分のカレンダーを打ち出した。いざ印刷してみると,30ヶ月はあっという間だ。その期間には,僕の還暦もあり,大学の在職期間も残りわずかだと教えてくれる。
実は残りの在職期間で,今のプロジェクト以外のことをやろうと考えていて,そういったときに,酔いが回っている山村さんから予言を頂いた。
多剤耐性菌についてはまったくの門外漢であったけれど,僕は多剤耐性菌に対して,はっきりとした僕なりの解答を出そうとしている。
20代の頃には無限に思えた時間も限られたものだと知る。
今こそ,有限な時間を大切にしようと思う。