2014-11-25

ライフハックで雑用上等

本日は,第37回日本分子生物学会年会の初日でした。そして,拙著「ライフハックで雑用上等」が羊土社さんのブースに並ぶ日でもありました。

サイン入りです。思い切り,気恥ずかしいです。僕の書籍の上には,堀口センセのホリプレがありました。カバーデザインはトサカデザインの戸倉さんです。

ランチをそそくさと済ませ,羊土社さんのブースに向かいました。そこで,サイン入れというものをはじめて経験しました。「こんなことをしたら,中古で売れなくなりますよ」と言いつつも,なれない手つきでサインを入れていきました。記念写真では爽やかな笑顔で撮ったつもりでしたが,完全に固まっていました。。。
このようなハレの機会を与えて頂いた羊土社さんに感謝します。

閑話休題。ライフハックとは,ちょっとしたツールやデバイスを使って,日常生活をストレスフリーに変える工夫のことを指しています。それを研究者バージョンにもう少し拡大して,「独立してラボをもつためには,どうしたら良いのか?」ということも盛り込んで書いたつもりです。

僕が20代後半で研究者を目指したときに,いちばんの難関は,英語で論文を書くことでした。論文を仕上げることは母国語である日本語でも苦労します。しかし,論文のなかに筋の通った骨子があれば,日本語でも,そして英語においても,きちんとしたフォーマットで仕上げることが可能です。しかし,それを認識するようになったのは,大分あとになってからのことです。

本誌は,はじめて(英語)論文を書く学生さんも対象にしており,「まずは骨子を仕上げる」ところから解説しております。また,論文リファレンスの効率的作成法や,最強エディターであるScrivenerの利用法も取り上げています。本書よりも素晴らしい英語論文の参考書はたくさんありますが,本書ではモノを書くとはどういうことか? を掘り下げて,その土台の部分から盛り込みました。

自分が20代のときにどんな内容のライフハック本が欲しかったのかを自問自答し,研究者のためのライフハック本に仕上げたつもりです。もちろん,効率的に研究を行うためのノウハウをぎっしり詰め込みましたので,すでに研究者として第一線で活躍されておられる先生方にもオススメ致します。

僕は幸運にも30代後半でラボを構えることができました。僕の研究者生活は,テクニシャンからスタートしました。研究をしていくなかで「自分のラボをもちたい」と思うようになり,論文を書いて学位を取得しました。決して平坦ではありませんでした。そして,自分の道がその先に繋がっているという感じが,まったくありませんでした。

僕が20代のときに何を思い,どうしようとしてきたのかは,「おわり」の部分に書いてあります。これから研究者になろうという読者の皆さんにどうしても伝えたかったので,ここだけは本屋さんで立ち読みをして下さい。そして,気に入りましたら購入をお願いします!

番外編: 表紙のビビッドな感じは,トサカデザインの戸倉 巌さんにお願いしました。そして,カバーとプロフィール写真は,写真家の石毛倫太郎さんにお願いしました。お二人ともブラジリアン柔術のCarpe Diemでの練習仲間です。僕のワガママを通してもらって,好きなように作り上げたライフハック本です。また,羊土社の中川さんには臨機応変に対処して頂いて,彼女の明るさに助けられ,ここまで漕ぎ着けることができました。原著論文と同じぐらいにやりきった感があり,愛着もハンパないです。

思いがけない人との繋がりのなかで,このような本が完成しました。

すべての繋がりに感謝!

プロフィール写真撮影は,石毛倫太郎さんです。