無敗の雀鬼,桜井章一さんの本に出会ったのは,格闘技をはじめてからです。本屋さんで格闘技関連の書籍は,分類的に麻雀書籍の近くに置かれているのです。その麻雀コーナーに,20年間代打ちとして超絶的な強さを誇った,桜井さんの本があったのです。「んなわけないだろ!」とからかい半分で,桜井師匠(今では僕の心の師匠です)の本を取ったのです。しかしその瞬間に,「マジハンパねえ」と,桜井さんに惹かれていったのです。それから,麻雀をほとんど知らない僕が,麻雀コーナーにあった桜井さんの書籍を漁るようになったのです(今では麻雀コーナーに置かれることが,少なくなりましたが)。
ある日,僕は等々力体育館にいました。僕の隣にはクロン・グレーシーがいました。僕は体重調整に失敗して引き込んだ時に足を釣ってしまい,初戦敗退でした。クロンは坪井さんみたいに髪の毛を伸ばしていて,バガボンドみたいでカッコ良かったです。なんとその大会に,桜井さんが来ていたのです。桜井さんは友人のヒクソン・グレイシーと話をしたあとで,偶然にも僕のほうに歩いてきたのです。僕は迷うことなく,桜井さん!と呼び止めました。
桜井さんは「試合に出たのか?」と話しかけてくれました。
僕が「負けました」と伝えると,僕の背中をポンと叩きながら,
「そうか。頑張れよ」と声をかけてくれました。
僕は昭和系ですから,有名人と出会っても声をかけるタイプではないのです。しかし,その時は何かを話す準備もなく,気がついたら桜井師匠に話しかけていました。その師匠が「体を整える」という本を出しました。そのなかで「指が開いていないと不自由に見えるが,軽く閉じたほうが自由に力を操れるのである」という一文がありました。この本で,力士がテーピングで指を閉じているのは,当たりのブレを極力少なくするため,という考察をしています。
ということで,先日,中指から小指までをテーピングで固定してスパーリングしました。僕的にはチョークスリーパーの入り方は,良かったと思いました。ということで,「力士グリップ?」につきましては,継続して調査してみます。