という本があります。激しく要約します。
お金とは何か?と子供に質問され,金持ち父さんは,以下のように答えています。
「『これがお金だ』ってみんなが同意して決めたものだ」と。。。
今の紙幣は金・銀に変えることのできる兌換紙幣ではありませんから,上記説明は至極,まっとうだと思いました。今のお金には実態はなく,国の信用と皆の同意で成り立っているのです。また,金や銀のストック量に依存しませんので,現在のお金(不換紙幣)は,ある意味,好きなだけ,ばんばん印刷することも可能であります。
元をたどるとヨーロッパの金を扱う職人・商人は,頑丈な金庫を所有していました。一般人は,金を持ち歩くと盗まれたりして困るので,そういった商人に金を預けていたのです。この預り証が,やがては金と同じような価値をもつようになりました。つまり預り証で,兌換紙幣と同じような使い方が,できるようになったのです。しかし国を治める者として,金細工屋が好き勝手にそんなことをしているのは面白くなかったのでしょう。金の預かり証は,いつの間にか通貨のような役割をすることになったのですから。。。
しかも,金庫に入っている金を,預けている人間がいっぺんに交換することはないだろうから(ここからが話のキモです),
「じゃあ預かり証を,たくさん印刷してもいいんじゃね」
「金と同じ価値をもつ預かり証を,たくさん印刷しても,バレねえんじゃね」
(不換紙幣が信用さえ勝ち取れば可能である,という下地を作っています)
ということになって,おそらくビジネスを一気に広めたのでしょう。国家としては,信用から成り立つ「預かり証のシステム」を,どうしても欲しかった。しかし,このへんは僕の勝手な推測なのですが,こういった金細工師たちは,たくみに中央に潜り込み,兌換紙幣・不換紙幣の運営にも関与していったのでしょう。国がいきなり不換紙幣を作るといっても誰も信用しないじゃないですか。日本も兌換紙幣からはじまったのは,はじめは信用してもらうことが重要だったのでしょう。ちなみに日本銀行券を発行している日本銀行も,国有ではなく公的資金と民間資本で運営され,ジャスダックに上場されている会社です。日本の紙幣も,他の国と同じように,国営で印刷されていないのです。
話を無理やりまとめると,「お金の価値も,皆が同意して決めている」のです。お金がないと不安になりますが,こういったあやふやな存在のものに対して,我々が大きく依存していることに問題があると,この本では教えているのです。本書はお金とは何か?を,とてもわかりやすく解説しています。学校では経済を教えても,お金の動きについては,全くといって良いほど教えませんからね。
僕の親の時代には,定期で10年間,お金を預けると2倍になりました。何もしなくても2倍になったのです。まあだから,頑張るだけで良かったのです。しかし銀行の利息はいつの間にか,しょうもないぐらいに下がってしまい,それがデフォルトになってしまいました。たんに貯金をしただけでは,資産をふやすことができない状況が続いています。
じゃあ,こんな時代にどうすべきか?
というモデルケースが本書に書いてあります。意外と奥の深い内容でした。この本はお金を儲けるための解説書ではなく,如何にお金という制度から自由になるのか?ということを追求しています。
それから,お金の成り立ちについては,僕の妄想がたくさん入っています。兌換制度から不換紙幣になったあたり,金細工屋の繁栄?についても,不正確です。しかし,本書を読んで,お金とは何か?ということを自分なりに落としこんで行ったのは事実です。年金制度もこのままでは,バラ色ではないことは織り込み済みです。まあだから,お金に関しては,きちんと考える必要があると思いました。