2017-07-18

Microsoft Word for Mac の半角英数字は,なぜ,不細工な「Century」なのかを真面目に考えてみた

僕は Microsoft Word for Mac (通称ワード)という不可解なソフトとは,なるべく関わらないように生きてきたつもりです。

それでも論文を書くときには,最終的に,このソフトのお世話になります。なぜなら,リファレンスを作成するときに Papers のお世話になるのですが,このアプリがワードに完全対応しているからです。あと,科研費の申請書を書くときにもワードが必要です。

今回はワード使われているフォント「Century」の謎に迫りたいと思います。


学生さんから送られてきたワード文書を開くと,半角英数字の部分が何故か不細工な太字になっていて「どうしたんだろう,,,」と思っていました。

ワードとはなるべく付き合いたくはないので,「Times」というフォントに変えて,そのままスルーしていました。

ところが先週,過去の卒研生のワードファイルを開いてみると,半角英数字部分だけ太い不細工なフォントに変換されていたのです。どれも「Century」というフォントが使われてました。どの学生さんのファイルも同じなので,不気味です。しかも,明らかに「Century」の字体ではありません。

ちょっと見にくいですが,こんな感じです。。。

残りの人生もこのまま不細工なフォントとは付き合いたくはないので,徹底的に解明してみました。

【原因は Font Book というアプリにあった】

Mac には「Font Book」というアプリがあって,僕が「Century」フォントを「切」にしていたのが,おかしな太文字になる原因でした。「Century」を使えるように設定すると,半角英数字の「Century」部分はきちんと「Century」として表示されるようになりました。

しかし,誰が今どき,こんなフォントを好きこのんで使うのでしょうか。
全日本 Century 協会とか,マイクロソフト社の Century クラブとか,あるんでしょうか。。。

僕の場合,論文で使わないフォントは徹底的に「Font Book」で「切」にしています。「Font Book」で使わない文字を「切」にしないと,アプリ起動時に 100 以上のフォントがインストールされますから,それだけ,アプリの起動が遅くなります。

それだけ,人生の時間が無駄になるので,必要最低限のフォントだけを使うようにしています。それがアダとなりました。。。

【なぜ,Centuryなのか】
しかし,ワードの文書では,なぜ半角英数字が「Century」になるでしょうか。。。

論文では絶対,使わないフォントです。何度も言いますが,決して使いません!!!

 たとえば,菌名の表記にはイタリック体が使われるのですが「Century」にはイタリック体のフォントが含まれてません。もちろん,「⌘ + I」でイタリック体風になりますが,単に寝せているだけで,不細工さは変わりません。たとえば,フォントメニューから Times を引き出してみると,下図のように「Italic」も使えるよ,と表記されるのですが,Century の場合は何も表れません。





インターネットで調べたところ,どうもワードの日本語版で,半角英数字の部分をデフォルトで「Century」にしているようです。もしかしたら最新版ワードでは違うフォントに変えられているかもしれません。また,全角文字はデフォルトで「MS 明朝」となります。このダサいフォントも使いたくはないですが,,,

【Century を Times に変えてみる】
僕は基本的に,英語の論文作成には「Helvetica」を使用しています。まあでも,MS 明朝とのバランスを考えたときには,「Times」のほうがしっくり来るかもしれません。「Helvetica」「Times」ともにイタリック体をもっています。

それではデフォルトの「Century」を「Times」に変える方法をご説明します。

1.  ワードのメニュー項目「書式」から「文書のレイアウト」を選択すると,以下のようなダイアログボックスが表れるので「フォント設定」をクリックする。



2.  すると下図のように,デフォルトで日本語用のフォントが「MS 明朝」で,英数字用のフォントが「Century」になっていることがわかります。


3.  英数字用のフォントを「Times」に変えることで,卒論でも純正なイタリック体の使用が可能となります。


4.   一方,英数字用のフォントに「日本語用と同じフォントを使用する」ことも可能です。下図参照。



【まとめ】
これで,「Century」の謎を解明することができました。もともと,このフォントはアメリカの「センチュリーマガジン」という雑誌のために1895年に作られたらしいです(ref)。まさに,1世紀以上も使われている古臭いフォントです。もう使わなくても良いんじゃないでしょうか(笑)

今回は僕の勝利ですが,ワードはまだまだ謎にみちております。全世界の生産性を落としているのもワードだと思っております。