石川先生のブログにわしが写っておる。
もちろん右端が,わしじゃ!
いやいや真ん中がわしじゃ。
陽だまりのなかでの柔術は,格別じゃ。若いあんちゃんたちが,くるくるまわったりして,一瞬の隙をついて,絞め技や,関節技をかけてくるのじゃよ。
わしも筋肉が衰えてきたものの,若い者に負けるわけには,いかん。上四方で抑えられた時に,ふわっと後ろにつく技は,わし以外の人間はめったに使わん。滅多に極まる技ではないが,後ろについて形勢をひっくり返した時の瞬間は,格別じゃ。
柔術が楽しいのは,この一瞬の煌めきに,皆が,全身全霊を賭けているからじゃよ。
若いあんちゃんは,もう少し,年寄りに優しくすべきじゃ。
だが,わしに負けては,若い人たちの沽券に関わる。だからこんなおいぼれにでも,真剣に相手にしてくれるのじゃ。練習が終わっても,お互い生きている。しかし確実に,命のやりとり,いや,魂のやりとりをしているのじゃ。
だから,わしは礼を尽くして,感謝しながら,戦いたい。いつまで続けられるか知らんが,一瞬の煌めきのために,今日も道場へ通うのじゃよ。
石川先生に感謝しとる。それから,道場の皆にも感謝じゃ。
また,陽だまりの中で,戦うのじゃ。
あと,もう少し,強くなれそうな気がするのじゃよ。