2015-05-25

「ライフハックで雑用上等」のブックレビューが実験医学に掲載

「ライフハックで雑用上等」のブックレビューが実験医学(vol.33 No9)6月号に掲載されました。

うれしいことに,僕が敬愛してやまない A. Hill 教授(Pond Univ.)が寄稿された書評であります。ものすごく忙しい先生なので,本当に恐縮しております。

A. Hill 教授については謎に包まれている部分も多いのですが,オートファジーの世界的権威者であり,マラソン好きで,アヒル年生まれ,ということがわかっております。

A. Hill 先生による "ロジ裏" 的な書評はウイットに富んでおり,「何でもかんでもいいから A. Hill 先生の書いたものが読みたい」という気持ちになってしまいます。さいわいにも,先生の文章はこちらに収蔵されております。A. Hill 先生に興味をもたれた皆様は,是非とも訪れてくださいませ。

書評には「格闘技系教授の生活と意見」を執筆してほしい,との要望もございました。また,「著者が,全然研究者にみえないところもいい」と,お褒めの言葉をいただきました。

「ライフハックで雑用上等」を執筆したことで,A. Hill 先生からとても楽しい書評をいただくことができました。A. Hill 先生に深く感謝いたします。また,このような執筆の機会を与えて頂きました羊土社の皆様に感謝いたします。

先生の書評にも触れられておりますが,僕は Carpe Diem というところで,ブラジリアン柔術の稽古に励んでおります。道場主の石川先生に紫帯を頂きました。道場は様々な職業のかたが寸暇を惜しんで稽古にきております。
本書の,鮮やかでひと目を引くカバーデザインは,Carpe Diemで一緒に練習している戸倉さん「トサカデザイン」にお願いしました。また僕のプロフィール写真は,写真家の石毛さん(RINTARO ISHIGE OFFICIAL WEBSITE)に撮ってもらいました。ふだんはモデルさんとか美的な被写体なのに,無精髭をはやしたオヤジですみません。。。

戸倉さん,石毛さん,ともに柔術の紫帯。次は誰が一番はじめに茶帯をとるのか楽しみです。

******

常々,「僕はほんとうに一冊の本を書き上げることができるのだろうか?」という素朴な疑問がありました。そして,羊土社さんのお世話になり 2冊の本を上梓することができました。

そして僕は本格的に研究の領域に戻っています。本書を通して,自分の立ち位置を再確認することができました。

ラボの規模は小さいのですが研究者としてどこまでいけるのか,ライフハックを活かして実験とラボのマネジメントを両立していきたいと思います。

A. Hill 先生,書評,ほんとうにありがとうございました。

Photo by Rintaro Ishige

2015-05-09

FieldAccess2 の使用環境を aLOKSAK で完璧なものにする

山行には,iPhoneアプリである FieldAccess2 を愛用しています。

FieldAccess2 の画面。山行で利用する紙ベースの25000分の1地形図(国土地理院発行)をデジタル化したもので,日本地図センターが販売しています。紙ベース地図をもっていくことは必須ですが,稜線で風に吹かれた場合にはこっちのほうが便利です。
高校1年のとき,冬の安達太良山で遭難しかけたことがあります。広い稜線でホワイトアウトになりました。なんとか助かりましたが,心臓が締め付けられる恐怖感を味わいました。

iPhoneをもっているのなら,FieldAccess2 の利用をオススメします(ガーミンがあれば最高ですが)。

iPhone が圏外になっていてもGPSは絶えず動作しています。FieldAccess2 にあらかじめ地図をダウンロードしておくことで,圏外でも GPS と連動したマップ表示が可能となります。

人間はパニックになると,ついつい自分の都合の良い方向に歩いてしまいます。ホワイトアウトになっても自分の位置さえきちんと把握していればパニックになることはありません。山行を重ねていればホワイトアウトには確実に遭遇します。

何も見えないので,地図とコンパスだけで切り抜けるのは難しいです。また,吹雪のなかでは地図を広げることもできません。GPSがあれば遭難する割合は確実に減ります。

まあしかし,前回の磐梯山では雨にやられ, iPhone 画面に雨粒が落ちてきて,サッと見てサッとしまうというような貧弱な環境でした。そこで防水ケースを探していたのですが,山のお店で aLOKSAK という防水ケースを発見しました。正確に言うと防水完全対応のジップロックみたいな製品です。なのでポケットに入れてもかさばらないし,また,タッチパネル操作が可能なので雨風を完全にシャットアウトした状態で FieldAccess2 にアクセスすることが可能です。

体調が悪いときに登って雨に降られ激しくやられました。僕以外に誰も登っていませんでした

今回の山行は天候に恵まれていたので悪天候でのテストはできませんでしたが,タッチパネルの認識も大丈夫でした。

ジップロックに近いつくりです。まあでも,ポケットにも入れやすいです

とにかくも,山においては,身体も機器類もドライに保つことが大切ですね。




くろがね小屋: 源泉掛け流し完備の最強山小屋です

今年のGWは,安達太良山に行きました。

頂上からの眺め。こんなに晴れたのは,はじめてです
頂上付近の稜線。冬の安達太良山の稜線はハンパなく厳しいですが,この日は穏やかでした

この山には何度もお世話になっているのですが,山頂から少し下ったところにある「くろがね小屋」には泊まったことがありませんでした。

くろがね小屋。源泉掛け流し温泉完備の最強山小屋です

山開き前なのでゆったりと小屋泊まりを楽しむことができるのかと思いましたが,期待に反して満員状態でした。最初はギシギシでやだなあと思いましたが,同じ趣味ということもあり,すぐにまわりの人たちと打ち解けることができました。


使い古された小屋は整理が行き届き清潔です
僕が山小屋についたときは3時頃でしたが,結構,盛り上げっておりました。登山客の多くはアルコールを持参して,目の前に広がる雪棚で冷やし楽しんでいました。ちなみにビールや日本酒も山小屋で販売しています。キンキンに冷えたビールが飲めるのは,残雪期の醍醐味でもありますね。

くろがね小屋。まだ雪がたくさんあります
面白いのは,この山小屋の晩御飯は,デフォルトでカレーらしいです。晩御飯はカレーのみ。しかしこれがとても美味しかった。お代わりが自由なところも素敵でした。ちなみに朝はカレーではなく味噌汁付きの日本食です。温泉卵も添えられており,こちらも温かみが感じられました。また,自炊も可能です。

名物のカレー

さて,晩御飯が終わると,白色に濁った源泉掛け流しの温泉を楽しみました。浴場で他の登山客に話を聞いてみると,この温泉を目当てに関東からやってきたとのことでした。温泉付きの山小屋,たしかに贅沢といえば贅沢ですよね。

温泉で疲れをとったあとは,ペットボトルに入った安ワインを楽しみ,他の登山客の楽しい話を聞きながら,なんとも言えない一体感に包まれました。

ククサにちかい感じを醸し出すカップ。ワインのペットボトル入りはありがたい
これまで,ソロのテント泊がメインであったので,山でこのような楽しい雰囲気はなかったです。じゃあ何でソロでテント泊なのかというと,新田次郎「孤高の人」の影響が強いのでしょうね。
僕は若い頃,ソロで登れば精神面も鍛えられるのかと思いましたが,そんなことはありませんでした。。。なので,これからは家族と一緒に登る小屋泊まりもいいかなと思うようになりました。

9時になると,発電機が一度だけブルっと震えて,それからは静寂が訪れました。消灯になっても修学旅行生のようにガヤガヤしているのかなと思いましたが,そんなことはなく,皆,眠りについたようです。僕もすぐに寝てしまいました。

小屋から眺めるお月様

ということで,5月の連休あたりに残雪期の山々を楽しみたいと思うのなら,安達太良山で,くろがね小屋という選択肢もアリかと思います。

遠くに見える頂上。雪も緑も楽しめます









ベースレイヤーの最強タッグ: ドライナミックメッシュとメリノウール T シャツ

GWの連休は福島県の安達太良山に行きました。地元の山でもあり5月ならまだ雪渓があります。

以前のブログで取り上げましたが,今回はベースレイヤーのテストも兼ねた山行でした。

結論として,ミレーのドライナミックメッシュの上にホグロフスのメリノウール・ジップトップ T シャツを重ねることで,快適な山の旅を楽しむことができました。また,稜線上では HOUDINI のアルファー フーディーをジップトップ T シャツの上に重ねました。このフーディー,本来はベースレイヤーとして着用していますが,ホグロフスのメリノウールとの相性も抜群でした。

晴天に恵まれたために,今回,ストームクルーザーの出番はなかったのですが,収納もコンパクトで,今後の山行にマストアイテムとして携行する予定です。最新鋭のゴアテックス素材を破格の値段で提供するモンベルはすごいですね。

今回の山行で,ホグロフスのリザードパンツを試してみました。伸縮性に富んでおり,急な登りにおいても動きが妨げられることはありませんでした。夏用にもリザードパンツのショーツは良いかもしれません。

コットン素材のTシャツで,安易に山に出かけると汗でびっしょりとなり,冷えきって死にかけることになりますから注意が必要です。

*****

以上,磐梯山と今回の登山を通して,ベースレイヤー選択はとても重要であると実感しました。残雪期のベースレイヤーの参考になれば幸いです。

追記: 今回は晴天に恵まれ,気温が26度まで上がりました。おそらく20度以下なら,メリノウールTシャツの上にストームクルーザージャケットを着ていたと思います。


2015-04-29

Scrivener を実験ノートとして使う

昨日の投稿でも Scrivener について触れてきましたが,今回は,Scrivenerを実験ノートとして使う方法を解説したいと思います。

さて,はじめはレイアウトです。本来,Scrivenerはエディターとして使うものなので,「Page View」にはあまりこだわりません。しかし実験ノートとして利用する場合には,1ページのなかにマニュアルをコピペしたり電気泳動の画像を取り込んだりするので,実際のページレイアウトを把握したほうが都合が良いということになります。
Scrivenerの「Help項目」はとても充実しています。ここに「Page View」と入れると,メニュー項目のどこに「Page View」があるのか教えてくれます(下図)。

Scrivenerの「Page View」設定

また,Scrivenerのデフォルトで印刷するとマージンが1インチに設定されています。USレターサイズは横に広いので1インチマージンのほうが見栄えが良いのですがA4だとバランスが悪いです。なので僕は,上下左右のマージンを2センチにしています。

メニュー項目「File」>「Page Setup...」を開くと「Settings」という画面があらわれます(下図)。このSettingsのなかから「Scrivener」という項目を選択してマージンを設定します。

A4サイズに1インチ(2.5 cm)のマージンは間延びした感じがするので,2 cm に変えます。個人的にはUSレターサイズのほうがバランスが良いと思います。

余談になりますが,留学先のカナダではA4サイズの紙がどこにも販売されてませんでした。日本に提出する書類はA4サイズなので,自分でつくっていました。。。

そろそろ,本題に入りましょう。Scrivenerのデフォルト画面では「Draft」と「Research」項目というのがあります。「Draft」項目ではテキストを扱いますが「Research」項目ではほとんどすべてのファイルフォーマットをサポートしております。実験ノートは,この「Research」項目に書き込んでいきます。そうすることで,ゲル電気泳動の画像も貼り付けることが可能となります。

ほとんどすべてのマニュアルはWeb上にありますから,そういったものを実験ノートにコピペすることが可能です。

まあしかし,最終的にはプリントアウトし「紙媒体として保存しておくこと」が重要です。ここで重宝するのが30穴用の巨大パンチです。これでルーズリーフに閉じることが可能となります。

10年以上前に購入しましたが,とても頑丈です

ルーズリーフはバラバラになるので実験ノートとして禁止しているラボもあるかと思います。ナンバリング用のスタンプで通し番号を入れておくことで,管理可能かと思います(下図)。僕のラボではファイリングして保存しやすいので,ルーズリーフを指定しています。



Scrivenerのヘッダーにはプリント時に日時が印刷されるので,これも気に入っています。実際には,Scrivener上で実験項目やプロトコルなどを記入しておいて,プリントアウトされたものに実際の反応時間とかを記入していきます。さらに,実験結果,場合によっては簡単なディスカッションなどを書き込んで,後から他人が見て追証可能なデータとして残すことが重要です。

なので,Scrivenerのみで実験ノートを作るのは現実的ではありませんが,プロトコルやWeb上からダウンロードしたマニュアルも管理できるので,しかも一つのファイルとして扱うことができるのでとても重宝しています。フォルダごとに各データがバラバラになることはありません。

すべての執筆作業はScrivenerで行っておりますが,実験ノートの補助としても活用していきたいと思います。

2015-04-28

気がつけば。。。

気がつけば4月も終わりに近づいております。そして,ここ数年,続いていた企業との共同研究も一段落し,なんとか成果を残すことができました。本来ならばもう少し結果を出したかったのですが,vivo が絡む実験の難しさを改めて実感しました。

これまではテクニシャン2人を雇い,その一方で,報告書の提出に追われていたのですが,今は晴れ晴れとした気持ちです。雑事に追われ,また,怠慢ゆえにここ数年はピペットを握っておりませんでしたが,実験の現場に戻ろうという気持ちが強くなりました。ラボのマネジメントと並行して実験を進めることになりますが,ここはライフハック的なスキルで乗り切りたいと思います。

以前のプロトコルは使用せずに,桑江准教授にゼロからご指導頂いております。In-Fusionを実際に体験したことはなかったし,僕がもっていた今までの技術をすべて捨てて習うのも,リセット感があって感動しています。

まあしかしメガネは不便ですね。つけたり外したりめんどくさいですが,もう少しすれば慣れると思います。

その一方で,クラウド環境は確実に実験を後押ししていると思います。なかでも,すべてを高速スキャンする Sccanable は素敵すぎます。スキャンしたデータは Evernote にアップロードされ,それを Scrivener に書き出し,実験ノートとして利用しています。Scrivenerは,ほとんど全ての画像ファイル,データを取り込むことができますから,実験ノートしても最適です。

ほとんどのインプットメソッドでは「日時」と打ち込むと「2015/04/28 20:08」のように変換されますから,タイムスタンプとして活用することができます。さらに,Scrivener でテキストファイルをプリントすると,ヘッダにタイムスタンプが押されます。これをプリントアウトし紙媒体として,保管しております。そこに昔ながらのスタンプで,ナンバリングしています。一日が終わるときにスタンプを押すのは,何となく達成感があって楽しいですね。

これまでボルデテラ属細菌について,III型分泌装置に依存した感染現象に焦点を当ててきました。しかし,まだまだわからないことがあります。それらを新たな技術体系で再検証してみたらどうなるか?ということに興味があります。

独立したラボを構えて15年になりますが,流されることなく,自分の気持ちに正直に生きてみたいと思います。

このスタンプが便利です


2015-04-21

ベースレイヤー再考

先日の磐梯山ではベースレイヤーの組み立てがいまひとつで汗びっしょりとなりました。

稜線上で汗で濡れたTシャツをザックにしまい,肌の上に直接,パタゴニアのナノエア・フーディーを羽織りました。汗をかいたらジャケットを裏返しにして,極力,暖かさをキープしました。

この山行ではひたすら濡れまくったので,ベースレイヤーの再構築をおこないました。まず,肌に直接つけるものとして,ダイナミックメッシュ NS クルー (ミレー) を選択しました。このざっくりとしたメッシュ素材の上に,スーパーメリノウール L.W.Tシャツ (モンベル) あるいはメリノウール・ジップトップ T シャツ (ホグロフス)を,重ねたいと思います。

この上にナノエア・フーディーを着たいと思います。また,稜線上の雨ではポンチョがあまり役に立ちませんでした。なので,モンベルのストームクルーザージャケットを購入しました。

*****

だれもいない山で,横殴りの雨に叩きつけられ,湿った重い雪に足をとられ,GPSを頼りに下山しました。猪苗代のゲレンデに辿り着いたときにザックを敷いて滑り降りようとしましたが,思ったように進まず,結局は歩いて下山。とにかく冷えきった登山でした。

次回の山行で,これらベースレイヤーの性能を試したいと思います。

しかし,これらのアップデートにかなりの出資でした。まあしかし,冷えきった山行はかなり惨めな思いをするということも激しく実感しました。

遠くに猪苗代湖がみえます
最初の登りがきつかったです。2時間で頂上まで行く予定でしたが,結構,急登でした。
磐梯山,そんなに高くないように見えますが,手ごわかったです
磐梯山の頂上。誰もいませんでした。。。

色々なものをアップグレードして次回に備えます