昨日の投稿でも Scrivener について触れてきましたが,今回は,Scrivenerを実験ノートとして使う方法を解説したいと思います。
さて,はじめはレイアウトです。本来,Scrivenerはエディターとして使うものなので,「Page View」にはあまりこだわりません。しかし実験ノートとして利用する場合には,1ページのなかにマニュアルをコピペしたり電気泳動の画像を取り込んだりするので,実際のページレイアウトを把握したほうが都合が良いということになります。
Scrivenerの「Help項目」はとても充実しています。ここに「Page View」と入れると,メニュー項目のどこに「Page View」があるのか教えてくれます(下図)。
Scrivenerの「Page View」設定 |
また,Scrivenerのデフォルトで印刷するとマージンが1インチに設定されています。USレターサイズは横に広いので1インチマージンのほうが見栄えが良いのですがA4だとバランスが悪いです。なので僕は,上下左右のマージンを2センチにしています。
メニュー項目「File」>「Page Setup...」を開くと「Settings」という画面があらわれます(下図)。このSettingsのなかから「Scrivener」という項目を選択してマージンを設定します。
A4サイズに1インチ(2.5 cm)のマージンは間延びした感じがするので,2 cm に変えます。個人的にはUSレターサイズのほうがバランスが良いと思います。 |
余談になりますが,留学先のカナダではA4サイズの紙がどこにも販売されてませんでした。日本に提出する書類はA4サイズなので,自分でつくっていました。。。
そろそろ,本題に入りましょう。Scrivenerのデフォルト画面では「Draft」と「Research」項目というのがあります。「Draft」項目ではテキストを扱いますが「Research」項目ではほとんどすべてのファイルフォーマットをサポートしております。実験ノートは,この「Research」項目に書き込んでいきます。そうすることで,ゲル電気泳動の画像も貼り付けることが可能となります。
ほとんどすべてのマニュアルはWeb上にありますから,そういったものを実験ノートにコピペすることが可能です。 |
まあしかし,最終的にはプリントアウトし「紙媒体として保存しておくこと」が重要です。ここで重宝するのが30穴用の巨大パンチです。これでルーズリーフに閉じることが可能となります。
10年以上前に購入しましたが,とても頑丈です |
ルーズリーフはバラバラになるので実験ノートとして禁止しているラボもあるかと思います。ナンバリング用のスタンプで通し番号を入れておくことで,管理可能かと思います(下図)。僕のラボではファイリングして保存しやすいので,ルーズリーフを指定しています。
Scrivenerのヘッダーにはプリント時に日時が印刷されるので,これも気に入っています。実際には,Scrivener上で実験項目やプロトコルなどを記入しておいて,プリントアウトされたものに実際の反応時間とかを記入していきます。さらに,実験結果,場合によっては簡単なディスカッションなどを書き込んで,後から他人が見て追証可能なデータとして残すことが重要です。
なので,Scrivenerのみで実験ノートを作るのは現実的ではありませんが,プロトコルやWeb上からダウンロードしたマニュアルも管理できるので,しかも一つのファイルとして扱うことができるのでとても重宝しています。フォルダごとに各データがバラバラになることはありません。
すべての執筆作業はScrivenerで行っておりますが,実験ノートの補助としても活用していきたいと思います。