このカバーレターを編集者が読むことで,投稿されてきた論文が自分たちの雑誌にとって利益になるのか,値踏みするのです。ここでは,PLOS ONE の編集者にあてたカバーレターを例にあげて解説したいと思います。
編集者がカバーレターを読んで「この論文は面白そうだ」と判断した場合,査読者にレビューを依頼し,より専門的な視点で査読がおこなわれます。
しかし,カバーレターの内容によっては査読者に回さないで編集者レベルでリジェクトされることがあるので,気合を入れて書く必要があります。僕の場合,論文校正のついでにカバーレターのチェックも外部校正会社に依頼しております。
【カバーレターの中身】
カバーレターは下図に示されるようなスタイルをとるのが一般的です。カバーレターには,投稿論文がどのような目的と動機で出されたのか,しっかりと記述する必要がああります。
カバーレターの中身:ライフハックで雑用上等より改変引用 |
カバーレターでは,背景を簡単に説明したあと,この論文でどのようなことを新たに発見をしたのかについて,また,研究の重要性についてアピールする必要があります。編集者はあなたの領域の専門家とは限らないので,専門外と想定して丁寧にレターを書く必要があります。
何度も言いますが,研究者として一番つらいのは,査読に回されないで編集者のレベルで論文がリジェクトされる場合です。それは何としても避けたいので,先行研究とくらべて,どこが新たな発見なのかを魅力的に語りかける必要があります。カバーレターは編集者の目にとまるように,少し大袈裟に自分たちの発見を書いたほうが良いと思います。ウソはいけないけど。。。
【まとめ】
あなたがはじめてカバーレターを書く場合には,ラボのボスなどのレターを参考にすると良いでしょう。
論文を投稿したあとは,編集者からの返事を待ちます。
期日が過ぎてもレスポンスがない場合は,催促のメールを送ったほうが良いでしょう。自分の学位がかかっている場合には,コレスポンディングオーサーであるボスをプッシュして催促してもらいましょう。研究者生命がかかっているのですから遠慮する必要はありません。遅筆なボスは,こういうところも遅いですから,日頃から見極めておく必要があります。
また,クリスマスシーズンは大幅に遅れる場合があります。多くの査読者にとって,あなたの論文より,家族と過ごすクリスマスのほうが優先順位が高いです。あと,クリスマス前は,査読の依頼が多いです(笑)
次回は,論文投稿後の査読者とのやりとりについて解説していきたいと思います。
注)このブログの内容も拙著より引用しております。