今回,とある出版社から,専門書の執筆依頼がありました。ありがとうございます! これまで,総説の場合には書くための手段として,ワードでどうにかなってきました。総説は多くても10,000万字ぐらいの世界です。ところが専門書になると10-15万字ぐらいで,原稿用紙250-375枚の世界。「章立て」を行うと30ぐらいのセクションに分割されます。当初はそれぞれのセクションを,コンピュータ上のフォルダーで分割して執筆していたのですが,各章のコンテクストを確認しながら書き続けることが,とても億劫になってきました。また,関連資料はエバーノートに入れておいたのですが,各章ごとに資料をまとめておくエネルギーもなくなってきました。
全体のコンテクストを俯瞰しながら,その一方で,物書きに集中できるソフトはないものか?さらに,論文PDFなどの資料も各章ごとに整理できるような都合のよいソフトはないものか?と物色しておりました。探せばあるもので,Scrivenerというソフトがエディターのなかでは,最強である! みたいな記事があちこちにありました。熱しやすく冷めやすい僕は,とりあえずトライアル版をダウンロードしました。
早速,移行作業です。これまで執筆してきたワードファイルの原稿を,Scrivenerにインポートしました。何のトラブルもなく作業が完了。次に今まであつめた資料を,全部放り込みました。書類はDraftというフォルダーに収められ,その他のファイル(PDF, Quicktime, その他多くの画像フォーマットをサポート)はResearchフォルダーに収められます。Draftフォルダーに各章ごとのファイルを作成します。このソフトの秀悦な点は,できあがった原稿を1つのファイルにコンバインしてくれる点であります。編集時には各章ごとに仕事を行い,最後に,複数ファイルを一つのファイルとしてエクスポートすることが可能です。各章の入れ替えも自由ですし,まさにかゆいところに手が届くソフトです。また,MindNode Proで作成したファイルもResearchフォルダーに入れることが可能でした。専門書の目次に相当する部分をMindNode Proで作成しているので,全体を俯瞰しながら書き進めることが可能です。動作も安定しているので,昨日,App Storeにて購入しました。皆さんもいかがでしょうか。
2カラム表示の画面。シングルカラムにすることも可能。また,垂直分割も可能。資料をみながら原稿を書く時に便利です。 |
カラム右下にはプログレスバーが現れます。例えば1000文字に設定すると,1000文字書いたところでバーが100%になる仕組みです。どれぐらい作業が進行したのか,視覚的に確認可能です。 |
最後のトドメはフルスクリーンモード。他のアプリを全て消して,執筆作業に集中できるモードです。よく考えられております。 |