「Infection Biology」は,微生物ー宿主間における相互作用を分子レベルで理解することで,感染症に対する革新的な戦略を確立することを目的とした学問体系である。また,「Infection Biology」という言葉のなかには,感染,炎症,免疫といった領域のアグレッシブな再統合をうながす願いがこめられている。病原微生物は宿主のシグナル伝達機構,膜輸送系,複製系などをハイジャックすることで,感染現象を維持している。一方,体内に侵入してきた病原体に対して,生体防御の最前線である自然免疫系が働き,パターン認識受容体が病原体の特定の分子パターンを認識することで,様々な宿主応答が誘導される。
本セッションでは,感染現象を包括的に理解することを目的としており,1) 細菌による炎症反応の撹乱,2) ウイルスの膜輸送・複製,3) 核酸認識受容体の同定と機能,4) 新たに発見されたナチュラルヘルパー細胞の制御,における最近の進展について討論する。
The main objective of “Infection Biology” is to understand host-microbe interactions at the molecular level in order to develop new innovative strategies for fighting infectious diseases. Specifically with this term “Infection Biology", the session aims at aggressive re-integration of three distinct categories including “infection”, “inflammation”, and “immunity”. Pathogens maintain their infection process by hijacking the host systems of signal transduction, membrane transport, and replication. In contrast, innate immune responses are activated as the first line of defense system against invading pathogens by the recognition of pathogen-associated molecular patterns (PAMPs) via pattern recognition receptors (PRRs). In this session, we focus on comprehensive understanding of infection phenomena and will particularly discuss recent progress of the following topics: 1) bacterial perturbation of host inflammatory responses, 2) viral membrane transport and replication, 3) the identification and characteristic of nucleic-acid sensors, 4) the regulatory function of newly discovered natural helper cells.
2W10III 12月12日 15:45 - 18:00
北里大・生命研・細菌感染
2W10III-2
赤痢菌の感染戦略 ~宿主細胞の炎症性細胞死に抗うカスパーゼ阻害エフェクター~
1東大・医科研・感染症国際研究センター・細菌学 2東大・医科研・感染免疫部門
3東大・医科研・細菌感染生物学 4(財)日本生物化学研究所
2W10III-3
ヘリコバクター・ピロリ感染によるインターロイキン1β産生誘導機構の解析
1北大・IGM・分子生体防御 2北大院・理・化学 3北大・IGM・感染癌
4北大・理・化学 5北大・人獣・感染免疫 6東大・医・微生物
2W10III-4
インフルエンザウイルスM1タンパク質の形質膜輸送に関与する宿主タンパク質の同定
1東大・医科研・ウイルス感染 2ERATO河岡プロジェクト 3東大・医科研・疾患プロテオミクス
2W10III-5
ウイルス性膜タンパク質Vpuによる生体内HIV-1増殖促進作用
1京大・ウイルス研・ウイルス病態 2京大・生命科学研究科 3JST, さきがけ
4九大・理学研究院・生物科学部門 5実中研
2W10III-6
B型肝炎ウイルスX蛋白質と相互作用する宿主因子の解析
阪大微研分子ウイルス
2W10III-7
核酸認識系TLRの応答制御に関わる分子の探索と解析
東大・医科研・自然免疫
2W10III-8
1東大大学院・医学系・病因病理学・免疫 2東大・生産技術研究所・分子免疫
3東大・先端研・分子生物医学分野 4東大・先端研・システム生物医学ラボラトリー
2W10III-9
GATA3はナチュラルヘルパー細胞の分化及びTh2サイトカイン産生に重要である
1慶應大・医・微生物学・免疫学 2理研・RCAI・免疫細胞システム
3理研・RCAI・シグナルネットワーク 4さきがけ JST 5東京理大・生命研
6東京医科歯科大・分子情報伝達学 7東大・医・免疫学