僕がこの学会を引き受けたときに「やらない」と思ったことは,次の4つです。
1 会費を取らない
2 情報交換会の会費も,若手・学生からは取らない
3 ネクタイをしない(あくまで自由意志ですが)
4 無駄なカネを使わない
学会を一人で切り盛りすることで,フリーな学会運営を可能にしたいと思いました。正確には,支部会の総会準備金を有効活用することで,可能な限り支出を抑えるというスタンスです。そこで「一人でできる学会運営」を解説いたします。
1 用意するソフト
- エクセル
- アクロバット
- ファイルメーカー
- イラストレーター
- Evernote
- Dropbox
2 ネームカード,領収書,抄録の作成
- 会員情報の把握(名前,所属,E-mail,会員情報など)。エクセルで集めておく。
- ある程度,情報が熟成されてきたらエクセルファイルをファイルメーカーで開いて,以後の操作は全てファイルメーカーで行う。
- ネームカードはイラストレーターで原寸大にて作成し,テンプレートを作っておく。このテンプ上に「名前」,「所属」のデータを流し込む。同様に領収書のフォーマットも作っておいて,会員情報(学生,一般会員)の抽出で,異なった金額の領収書を自動生成させる(今回はフリーなので,このオプションは使用しない)。ファイルメーカーを出力センターとすることで,抄録集の作成も行う。抄録を集めておいて,会員に発表順の番号を割り振ることで,番号のソートで抄録が並ぶ。これをPDF化することでプログラムの中身が完成する。
- ファイルメーカーにぶちこむことで,強力なソート機能が利用可能。これをネームタグ,領収書,抄録集の作成に利用する。
3 プレゼンの準備
- 今回の支部総会は時間的にタイトなので,プレゼンファイルを予め集めておいた。MacBook AirにVMware Fusion 4をインストールし,Windows pptファイルにも対応するようにした。一つのマシンで全てのファイル確認を可能とした。
- 実際のプレゼンにはMac,ウインドウズの2台のマシンを使用。プレゼンファイルはDropboxで同期しておく。データインストールはデスクトップPCで行い,会場に持ち込む2台のマシンをDropboxで同期する。プレゼンファイルをDropboxで管理することでデータインストールの混乱を防ぐ。ファイルには発表順に番号を割り振ることで,時間ロスを防ぐ。
4 学会HPの作成
- EvernoteでHP作成は可能。フォルダーを公開することでHPとして利用可能。
- プログラム・抄録などのデータはPDF化しておいて,オンライン上に置く。これにより印刷代・郵送代を省くことができる。
ざっとこんな感じです。学会運営はうまくいって当たり前の世界なので,個人で行うにはリスクを伴います。しかし,今回のキーワードは「フリー」なので,極力コストダウンに努めました。あとはプレゼンを如何にスムーズに乗り切るかですね。ということで小さな学会を運営をする方は,参考にして下さいませ。