2010-04-13

それぞれのミッション

先週,土曜日に雑用をしていると,業者が入ってきて,今年度の予算申請に如何っすかーと,どさっとカタログをおいていった。高額機器のセットアップも含めて,研究存続可能な戦略を十分に練っておかないと,本当に大変なことになります。ああ,せめて宇宙服一着分の予算があったら,おそらく定年退職までの研究費はもつはずだ! などとスケールの小さいことを考えてしまう。生命維持装置等を含めると宇宙服一着は,約10億円。高いのか安いのか判らない。

情熱大陸にある日本人宇宙飛行士がでていた。「いつか地球が滅びるから,そのために宇宙ステーションで,地球外で暮らせるようなシステムを構築していくうんぬん,,,」という話があったが,どうなんだろうなあと思った。仮に地球という惑星が滅びるとして,どれだけの人間が宇宙にいけるのか。ふと「Gattaga」という映画を思い出した。

「バイオスフィア2」という計画があった。これは100年継続するプロジェクトであったそうだ。しかし2年で頓挫。バイオスフィア建設の目的も,人類が宇宙に移住する場合に,宇宙ステーションと同様に,閉鎖された生態系で生活が可能かどうか研究することであった。宇宙へ出ていかなくても,閉鎖的な,宇宙に近い環境は構築することは可能だ。宇宙へ行く理由は「単純に行きたいから」で良いのではないだろうか。宇宙空間で暮らしていけるような閉鎖系の構築は,地球上でさえうまく機能しなかった。それは宇宙飛行士なら当然知っていたであろう。

ということで,「いつか感染症で人類が滅びるかも知れないから,そのために私も研究しているのです」。まあそれもあるけど,純粋に病原菌の病原性発揮のメカニズムを解読して,それをワクチンに応用することが,私のミッションだと思っています。遠い将来ではなくて,自分が生きている間に納得できる成果を上げたいと思います。あ,定年とかあるので,あと十数年でミッションをコンプリートする必要があります!


2010-04-11

研究におけるライフハック

私は新しいものが大好きです。OSのアップデートもラボの誰よりも率先して行い,人柱になったりします。。。色々試してダメだったというほうが多いと思います。しかし,そういった取捨選択のなかで生き残っているガジェット,ソフトがあります。

1 ペリカンの安価な万年筆: 論文を書く場合はワープロでざっと書いていきますが,最終的な段階になるとプリントアウトした草稿に手描きで修正していきます。また,学生さんの書いた論文も手描きで修正します。以前は顔料ペンを使用していたのですが,インク交換が頻繁なので万年筆にかえました。インクはカートリッジではなくインク壺から吸い上げるタイプのものです。先日,卒業した大滝さんのお祝いとして万年筆を贈りましたが,初めて使うらしいです。また,他の学生さんにも聞きましたが,今は入学祝いに万年筆とか贈らないのですね。もっとも,中学校の頃にもらった万年筆はすぐに床に落として,ペン先がぐにゃっとなりましたが。話を元に戻すと,万年筆は弾力がありますので,たくさん書いても疲れにくいという長所があります。

2 スキャンスナップ: イメージスキャナーです。何でもPDFにします。大学関連の書類は何でもPDF化していき,どんどん捨てていきます。読み取りも速いので重宝しています。たまったファイルは段ボールにまとめて,セキュリティー会社で書類を溶解してもらいます。ステープラーの針がついていてもOKなので便利です。シュレッダーはあまり使わなくなりました。

3 ボーズのヘッドフォン: QuietComfort 3というノイズキャンセリングヘッドホン。集中するときに使用しています。また,飛行機,新幹線などの移動時に使用しています。ちなみにヘッドフォンとかつけながら,歩いている人が結構いますが,あぶなくないですか。私はだめです。ちょっと怖い。あと,関係ないのですが携帯を見ながら歩いている人も危ないと思う。ていうか,歩いている姿として美しくない。

4 iPhone: どこでもメール。以前,山奥の湿原で火急のメールを受け取り,添付されているパワポのチェックをしました。パワポ,エクセルのファイルもとりあえず閲覧可能なのが便利というか,ますます雑用を多くさせている原因かも知れません。「iPhoneしまいなさい!」と妻に恫喝されるシチュエーションが,多々あり。

5 iMindMap: BuzanのMac用のマインドマップ作成ソフト。ちなみにウインドウズ版もあり。マックOSのアップデートでしばらくver.3が動きませんでしたが,最近のアップデートで再び動くようになりました。これまでは,紙媒体のノートでミーティング内容をまとめていたのですが,ラボの打ち合わせのときもiMindMapでまとめるようにしました。このソフトの良いところは思考にストレスをかけないので,私に合っています。研究のプロジェクトもこれで練っております。枝の分岐とかも綺麗ですので,是非どうぞ。

これは便利,というものがあったら,是非紹介して下さいませ。
速攻でレビューします!

ラボミーティング

最近,メールでのご連絡が遅れています。すみません。

新年度を迎えるにあたり,ラボで何をやって,何をやらないか,優先事項は何か?ということを再確認しておりました。中長期的な優先事項は決まったので,私のほうからスタッフ・学生さんに,言う事はあまりありません。あとはミーティグでぐだぐだかき回して,会話数をなるべく多くするようにして,詰めるべきところのポイントで,「ポン」とアイディアがでるようにしています。私の役目は,そういった雰囲気作りでしょうか。

特に我がラボは,スタッフ・学生数が少ないので,皆がたくさん発言しないと,とうていアイディアの数は限られてしまいます。だから,じっくり考えぬいた発言ではなく,何か宇宙のかけらみたいなもので良いのです。指向性のない会話のなかにも,もしかしたら誰かが拾うかも知れないし,リラックスしたなかで,誰かが「ポン」と閃けば良いのです。みんなでボールを回していけばいいのです。

はたから見れば,「こいつら馬鹿だ」と思われるようなミーティングが理想です。

「ポン」と閃いたときには,ぱっと顔が輝きますから,そういう体験を皆がして最終的には全員がスーパーサイヤ人になれば良いのです。万人の万人によるスーパーサイヤ人。そんな感じです。とにかく研究はもっともっと,ゾクッとするべきものなのです。新たしい発見の最先端にいつでも研究者は立っているのですから。。。何処かに通じている道を僕は歩いているのじゃないと,高村光太郎も言っています(たしか道程)。また,未だ知らざる土をふみ,淋しくもすすむなりとも,言っています。道の先端にいるのは孤独です。でも,皆で先端にいけば怖くはない。そのようなミーティングを目指していきたいです。

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木曜日,久々にジムに行きました。ケトルベルでコンディショニングした後に,心拍数が150以上になるようにキープしながら,自転車を20分ぐらいこいでひと汗流した後,プロ練習を見学していました。プロ錬が終わりそうな頃に,Kさんとスパーリング。ぼこぼこにされました。それからプロで活躍している堀友彦さんに各種技のご指導を頂きました。最後は,新ジム生と5本ぐらいスパーリング。いつもはやられる一方なので,新人さんとスパーリングして「俺,強くなった」という雰囲気のなかで終わりたかったのですが,高校生にサイドをとられ,そこからV1アームロック。何とかエスケープしたかったのですが見事に1本取られました。この子は体を柔らかく使うので,将来,大化けすると思います。フックしても柔らかく抜いてくるので,当たりが弱いと思っていると,いつの間にかサイドをとってきます。ついこの間までは,楽勝でコントロールできていたのですが,技の吸収が早いです。皆,ゆっくり強くなっていけば良いと思います。あ,私の場合は,もっともっとはやく強くなります。







2010-04-10

お祝い事

ラボも新年度に突入です。

D2の久留島君の論文が,先月,Microbiology and Immunologyにアクセプトされました。

EspJ effector in enterohemorrhagic E. coli translocates into host mitochondria via an atypical mitochondrial targeting signal (p )
Jun Kurushima, Takeshi Nagai, Kanna Nagamatsu, Akio Abe
Accepted Article Online: Mar 8 2010 4:14AM
本来ならばアクセプトされたときにお祝いをしたかったのですが,細菌学会総会の準備とか年度末の雑用が重なり,それなら桑江講師がストックホルム大学から帰国してからお祝いしましょう,ということになりました。論文が通った時はシャンパンで乾杯しています。今回はモエ・エ・シャンドン アンペリアルのマグナムで祝いました。ぽんと抜いたコルクには久留島君の名前と雑誌名を記入し,ラボで永久保存となります。ここからが彼の研究人生のスタートです。これからもよろしくです。永松さんがワシントン大学に1月に留学し,桑江講師がストックホルム大学から戻ってくるまでの間,久留島君が引継ぎを担当し,オーバーロード気味でここまで頑張ってきてくれました。いやな顔をまったく見せずに,前線で戦ってくれたことに感謝です。

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また,今回は3年間の留学を終えて,桑江講師が無事に帰還。彼が戻ってきてからラボのミーティングが数段活性化されました。会話量が10倍以上増えました。これってアイディアも10倍に増えることになります。またラボで起きていることをもっと深く共有できるようになりました。感謝です。試作ワクチンのプロジェクトを行っている金木さんも,いい感じで研究が進行しています。正直,このプロジェクトはこんな少人数では無理だよと弱音を吐きたくなりましたが,金木さんのお陰で何とかこれました。感謝です。4月からは桑江君の帰還とともに,卒研生が新たに入ることになります。T倉さんという方でK戸大学のK済学部出身です。銀行でバリバリ仕事をこなしたあと天啓を受け?,北里大学薬学部に入りなおした強者です。証券アナリストの肩書きをもつ卒研生は初めてなので,今度のラボの経営戦略について相談したいと思います。ラボに来てくれたことに感謝。

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最初はシャンパンで始まり,ついこの間,修了した大滝さんも加わり,久保田の万寿をあけ,それから八海山の大吟醸を楽しみました(群馬大学の富田先生,ありがとうございます!)。知らない間に,他ラボの新修士1年生も参加して賑やかな会となりました。こういったお祝い事を通じて,学生さん同士の横の繋がりがもっと広がれば良いと思います。10人ぐらいかなと思っていたので,焼肉を2キロぐらいしか用意していませんでしたが,いつの間にかふくれあがっておりました。ということで,次はもっと用意します。

これだけの人数でここまでこれたことに感謝です。各人が実験と実験以外の自分でやるべきことを理解してくれているから,ここまでこれたと思います。スタッフ,学生の垣根をとっぱらって同じ目的をもつ仲間が集まってくれば良いと思います。

あとはボスがシャンパンを用意するだけで,ラボは動いていく? 

シャンパンをあける準備はできています。






久留島君へ: 次のシャンパンも用意しています!
大滝さんへ: 新社会人,おめでとう。



2010-04-04

最近の出来事

iPhone周辺のソフトが最近,進化してきた。正確には,iPhoneと親和性が良くなったソフトが充実してきた感じがする。一番はEvernote, Dropboxあたりかな。EvernoteはMac上でもiPhone上でもファイルの同期を可能にするソフト。私の場合,EvernoteはiPhone上でAwesome Noteというソフトと同期しながら使用している。一見,面倒臭そうだが,Awesome Noteでカテゴライズしたほうがはるかに管理しやすい。それに一旦同期させてしまえば,あとは同期ボタンを押すだけでEvernoteとシンクロする(Palmが懐かしい。。。)。また,PC上のEvernoteにもAwesome Noteで分類しているフォルダーが現れるので,あとはこれらのフォルダーに書類を振り分けていくだけ。

一方,Dropboxというソフトは,Evernoteと同じようなソフトであるが,こちらには主にPDFを保管している。何故ならDropboxはiPhoneアプリのGoodReaderというソフトと同期が可能で,重たいPDFもサクサクと表示可能だからである。結論としてメモ,スナップショットはEvernoteで管理して,PDF書類はDropboxで管理している。個々のソフトの性質上,このような整理方法が良いのではないだろうか。

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あと,ツイッター関連。

海外の研究者から,続々とiPadの使用状況が寄せられてくる。ちょっと複雑なKeynoteファイルは,iPadで展開すると文字がずれてしまうとか,Macからは充電が可能であるが,PCからは無理とか,速報的な話題が面白い。

ハッシュタグは,#ipad_bio で,まとめてipad関連の話題を眺めることが可能。ipad関連の情報を集めるべく,本日,ハッシュタグの有効性を理解したのですが,自分では今ひとつ使いこなせていない感じ。

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あと,どうでもいい関連。
本日,銭湯に行った。風呂あがりのおっさんで,右足の親指が床から浮いている人がいた。風呂上りでリラックスしているはずなのに,どうして緊張しているのだろう。湯上りのおっさんのなかで,俺に襲いかかってくる人がいるとすれば,このおっさんかもしれない。一応,マークしておいた。まあ,日常のなかでも,全体的に見渡すようにしている。

風呂に入っている時にKさんの技を思い出した。マウントから十字締めを狙ってきて,それを防ごうとして腕を伸ばすと,すかさず腕十字。十字絞めはフェイクなのが解っているのに,3度も同じ連絡技で負けてしまった。悔しい。この借りを早く返したいのだが,なかなかジムに行けない。具合も悪い。ということでロシアンパワー育成法という本を買った。日本の筋肉強化方法とは全然違う。眼からウロコ。まず,日本式では筋肉強化で反動を利用するのは結構タブーとなっているが,ロシア式では反動バリバリ使いましょうと指導している。国が違うとここまで違うのか。。。総合格闘でもロシア人は強いので,一度はロシア式で練習してみたい。最近,ケトルベルでの筋肉強化に興味があるので,ロシア式,意外といけるかも知れない。

数ヶ月前に脱臼をしてしまい,体の動かし方を変えなければならなかった。不思議なのは腕立て伏せもできない状態がしばらく続いたのに,ジムの練習には通っていたことだ。右肩を庇いながらスパーリングを続けたのは,脱臼ではないだろうという楽観的な気持ちから。。。脱臼していてもある程度は戦えるという自信には繋がりましたが,鎖骨がポンと浮き出ています。左肘の軟骨剥離のネズミちゃんは,ちょっと落ち着いてきた感じがします。アームバーくらって軟骨剥離。もう少し体を大事に,使っていきます。スパーリング中はアドレナリンのせいか,ほとんど痛みを感じないので,冷静に判断しないといけないですね。

俺の体,ありがとう。

2010-04-03

素になる覚悟

昨日は久々に桑江講師が参加したミーティング。彼はウプサラ大学,ストックホルム大学に3年間留年し,4月1日に無事に帰還した。久しぶりに彼を交えてのディスカッション。

永松さんがセントルイスのワシントン大学に留学し,桑江君が戻ってくる間,3ヶ月ぐらい私のほうで一方的に仕切って,ほんとに20-30分ぐらいで毎週のラボミーティングが終わっていた。自己完結している良くないミィーティングであった。そこで,しばしボルデテラ領域から離れていた彼がミーティングに参加し,学生さん,スタッフがこれまでの経緯を細かく説明していく時点で,私の色々な解釈上のミスに気がついた。

もしかすると面白い発見に繋がるかも知れない。ディスカッションはぐだぐだになりながら,いつもの倍以上の時間を費やして終了した。もちろん実験上の大きな軸のズレはなかったと思っているが,まだまだ洗い出しする必要はありそうだ。ディスカッションは,学会のようなディフェンスではないから,馬鹿をさらけ出して,誰もが自分の知りたいと思っていることを素直に受け取れるような場にしたいと思っている。本日はこうだと思っていた解釈が見事にひっくり返され,気持ちよかった。そして,あぶなかった。

結論として,ディスカッションは会話量を多くしていった方が楽しいということに気がついた。また,新たな視点からの発見は,馬鹿馬鹿しい意見も含めて,とにかくたくさん入り交じったなかで,ポンと飛び出るものであると思った。凡才が天才に打ち勝つためには,ひたすら馬鹿になることだと思う。本日は,久々に馬鹿になれて新しい論理に発展しそうな会話量の臨界点を超えた感じがした。

俺はノーガードで馬鹿でいく。
いまからでは天才になれない。
馬鹿になるほうが簡単だ。
素になって,一歩踏み込んで行く勇気,
そこを目指していきたいです。

2010-04-02

帰還

ストックホルム大学から,桑江講師が帰還しました。

留学ご苦労様でした。

卒研生のT倉さんに,留学の意義を質問されました。

私なりに自らの留学体験を振り返ると,それは人生のリセットだと思います。今まで自信をもってやってきたことが,ガラガラと音を立てて崩れる,人生のリセットだと思います。そのような過程で,自分で何でもこなしてきたと思っていたことが,実は多くの人々に支えられてきた,という事実に気がつきました。留学はそんなに大げさな事かと思われるかも知れませんが,私には貴重な体験でした。

ともかくも無事に生還,おめでとう。

朝の9時から夜の9時過ぎまで,間をおきながら,この3年間で何をしてきて,何ができなかったのか,また詰めなければならないところなどを,ディスカッションしました。

あらゆる繋がりに感謝です。