2018-06-06

アンナプルナベースキャンプ トレッキング 準備編 2018年版

GW にアンナプルナベースキャンプ (ABC) にトレッキングに行きました。

GWなのに雪が降りました。それなりの準備が必要です。

 当初は,エベレスト街道を狙っていたのですが,4月後半になるとルクラ行き飛行機の発着に不安があったので,それならばポカラまで移動しジープをチャーターして4泊5日で ABC までトレッキングしたほうが良いと考えました。

そこで,僕なりに悩んだことについて,下記のような解決策で無事にトレッキングを終えましたので,報告したいと思います。


1. スマホのデータ通信
 ABC までの道のりにはロッジがあり,無償であるいは 300 ルピーぐらいで,WIFI が利用可能です。また,カトマンズやポカラのカフェ・レストランも無料で使える WIFI サービスがあります。通信状況は良い方だと思いますが,すごく遅くて使えない場合も多々ある,ということをネットで知りました。

 そこで,僕は SIM2Fly (AISアジア16カ国 周遊プリペイドSIM 4GB 8日間) をアマゾンで予め購入してから,ネパールに行きました。それを,SIM フリーの iPhone7 で利用しました。

 カトマンズ空港につくと,Ncell という通信会社につながります。ABC ではチョムロンぐらいまで繋がります。実際には,ネパールテレコム (NTC) のほうが,もう少し通信範囲が広かったように感じました。チョムロンから先は,ロッジの WIFI を利用しました。

 もちろん,下山後のカトマンズやポカラでは Ncell が遅いということはありませんでした。空港やタメル地区でも SIM は販売されておりますが,SIM2Fly は国内で買えるのでネパールについてからの時間を無駄にしなくてすみます。

 SIM カードのスロットを開けるピンを忘れずに持っていきましょう☆

2.ポーターは必要か?
 もしあなたが,日本において4泊ぐらいの縦走をこなすのであれば,ポーターは必要ありません。僕は当初,ガイドもいらないと思っておりました。しかし,たとえば土曜日の午後にカトマンズに着いた場合,TIMS (Trekkers Information Management System) 許可証をネパール観光局で取得するのは困難で,時間的に月曜日となります。TIMS は山々の各チェックポイントに提出することで,入山管理とトレッカーが安全に下山したのか記録しておくためのものです。日本での登山届に相当するものです。

https://www.welcomenepal.com/plan-your-trip/tims-card.html

 なので予め現地旅行会社にお願いして代行にて取得しました。ただし,多くの旅行会社は,TIMS 代行のみは行っておらず,ガイドやポーターをつけることになります。

 なので僕の場合,ガイドのみをつけました。しかし後になって,ガイドをつけて良かったと思いました。なぜならガイド同士が頻繁に情報交換しており,すれ違うときに山の情報などを得ているからです。

 たとえば,デウラリからマチャプチャレのベースキャンプ (BC) に至るルートではガレた雪渓を歩くのがノーマルルートになります (下の地図も参照ください)。ガイドを付けていない登山者の多くはこのルートを選択していました。しかし,ガイドさん達は予め情報を入手しているので,迂回路 (河を渡渉した右側のルート) を利用しております。また,ガイド無しの場合,行方不明となることもあります(毎年,1-2 名の行方不明者がでるようです)。

デウラリからマチャプチャレベースキャンプに至るルート。最短ルートでは雪崩や落石の危険性があります。

3.それでもガイドは付けたくない方へ
 上記のような危険を承知でガイドはいらないという方は,MAPS.ME というオフラインでも利用可能な地図アプリをスマホに入れておきましょう。市内だけではなく ABC までのルートが記載されております。

神アプリの MAPS.ME。デウラリからマチャプチャレベースキャンプに至るルートなのですが,右手に分かれる迂回ルートも表示されております。上の星印はマチャプチャレBCです。

 まあでも,GPS 精度はスマホに完全に依存します。iPhone 7 の GPS 精度は折り紙付きですし,防水対応になってからは,嬉しいことに,防寒にも強くなっております。上記アプリはアンドロイドにも対応しておりますので,なるべく GPS 精度に定評があるスマホを選べば良いと思います。

 あ,ここで確認なのですが,Ncell はチョムロン以降,繋がりにくくなります。たとえ携帯が繋がらなくても,スマホの GPS 機能は動作しています。バッテリー温存のためにフライトモードにしてオフライン地図のアプリを利用すると良いかも知れません。こういったGPS アプリを確実に使いこなしてから,ABC 行きをオススメします。

4. 食事・ロッジについて
 旅行会社でガイドを雇えば,食事・ロッジも含まれたパック料金が主流だと思います。なので,休息時の食事や宿泊時のやりとりはガイドさんが行うことになります。料金を予め払っているので,ABC でお金を使うことはあまりありません。徐々に疲れが溜まってくると,色々とサポートしてくれるガイドさんの存在はとても大きいです。

 我々には Nawa さんというガイドがつきましたが,デウラリ,ABC では湯たんぽを出してくれたり,宿泊先での対応などもガイドさんの存在が大きいです。予めロッジに連絡してくれるので,食堂で寝るという事態も回避してくれます。

5. お金について
 ABC でドルを使えることろはあまりないと思うので,ポカラかカトマンズでルピーに換金しておいたほうが良いと思います。日本円でも米ドルでも換金可能です。ビールやミネラルウオーターの購入に必要です (メインの食事や休憩時のお茶などは,多くの場合,パック料金に含まれています)。ただし上にいくにつれて,ミネラルウオーターではなくフィルターろ過した水の販売となります。

6.ゴールデンウイークでの服装
 ABC のルートは森林地帯からはじまり4130 m まで到達するので,日本の 5 月から 11 月ぐらいの服装が必要です。実際に僕が登ったときには,最初はジットリと汗ばむぐらいでしたが,後半はかなりの雪が降りました。なので,薄手の手袋,ゴアテックスジャケット,あと,小屋で着るダウンジャケット,ダウンパンツはあったほうが快適です。また,小屋の布団は1枚だけなので,夏用シュラフにダウン上下を着込んで眠りました。シュラフなしでも可能ですが快適度が違います。

7.あとあれば良かったと思うもの
 ABC での登り始めは初夏のような気候ですが,ベースキャンプ付近では雪が降りました。下着にジオライン,半袖 or 長袖シャツ,寒くなったらアークテリクス ATOM SL,雨や雪のときはモンベルのトレントフライヤージャケットを着込みました。しかし,2日目のデウラリでは大雨にやられて,腹部が冷えてしまいました。モンベルの腹巻きがあれば良いなと思いました。

 あと,注意しなければならないのが食事です。普段,僕は白糖を極力摂らないので,甘めのミルクティーに注意する必要がありました(疲れているせいか,ついつい砂糖を入れ過ぎてしまいます)。4 日目の下山時には,腹部の冷えと胃の荒れで大変でした。

 また,朝も昼もガッツリ食事がでます。ご飯も多めです。普段の山行では朝・昼もガッツリと摂らないで,Shotz でのエネルギー補給が多いです。あまりに食生活を変えたのが,胃の不調の原因となりました。ここは皆さんも注意されたほうが良いかもしれません。

【まとめ】
 タイトなスケジュールなら現地旅行会社を経由してガイドを雇ったほうが良いと思います。TIMSなどの代行,現地でのフライト予約などにも対応してくれます。僕はカトマンズにある下記旅行会社を利用しました。各種オプションにも柔軟にご対応頂きました。何よりも日本人スタッフがおり,日本の旅行会社以上に対応が完璧です。当初は別な旅行会社にお願いしたのですが,この日程では無理と言われ,ヒマラヤン・アクティビティーズにたどり着きました。オススメです!

Himalayan Activities Pvt. Ltd.(ヒマラヤン・アクティビティーズ)
info@himalayanactivities.com

それと下山後に,ポカラで食べるピザとビールはかなり美味しいです。

ポカラにある Godfather's Pizzeria。とても美味しかったです。
地ビールのエベレスト。このジョッキ,欲しかった。。。
最強のグルカ兵を称える地ビールです。