2015-07-26

論文と研究者

4月の半ばに出した論文が,昨日,ようやくアクセプトされました。論文審査に加わった2人のレビューワーも好意的で,追加実験の指示もなく,久々にすんなり通りました。

本来,論文のレビューシステムというものは,自分の研究領域に近い研究者が論文の査読をすることで,論文のブラッシュアップをおこない,より質の高い論文として,世の中に送り出す役目を背負っているのですが,まあなかには,重箱の角をつつくようなコメントを頂くことも,多々あります。それでも,全てのコメントにレスポンスしなければ,リジェクトされる確率が高くなりますので,「めんどくせーな」と思いながら,黙々とこなす必要があります。なので,変にプライドが高い人間とか,他人の意見をふだんから聞けない人間は,研究者には向いていないのかもしれません。

話を元に戻すと,
今回の論文は,データ量が足りないと判断されるかもしれないと思って,レビューワーのコメントを想定した追加実験もしていたのですが,結局,既存のデータを全部吐き出すことでOKでした。

なので,今あるデータは次の論文にまわせるので,ツイていました。まあしかし,しつこいようですが,こういったことはそんなにないです。

なので,本日は,晴れ晴れとした気分で週末をおくっています。

研究者は潜水艦の乗組員みたいなものだと思っております。ほとんどのデータは水面下にあり,それらがまとまると,久々に陸に上ることができます。まあしかし,それもつかの間で,また大海原の深いところに潜っていきます。

晴れていても,曇っていても,水面下で黙々と仕事をこなし,アクセプトという陽の目を見る機会は1年に何回もあるものではありせん。

まあそれでも研究が好きだから,続けていられるのでしょうね。

*****

2日前に,蛍光顕微鏡にて,とあるタンパク質の培養細胞内での挙動を観察しました。FLAGタグで標識されたそのタンパク質は,顕微鏡下で眩い緑色の蛍光として検出することが可能です。眼下にある細胞はとても美しかった。

また,研究の世界に戻ることができて,幸せです。