2015-04-29

Scrivener を実験ノートとして使う

昨日の投稿でも Scrivener について触れてきましたが,今回は,Scrivenerを実験ノートとして使う方法を解説したいと思います。

さて,はじめはレイアウトです。本来,Scrivenerはエディターとして使うものなので,「Page View」にはあまりこだわりません。しかし実験ノートとして利用する場合には,1ページのなかにマニュアルをコピペしたり電気泳動の画像を取り込んだりするので,実際のページレイアウトを把握したほうが都合が良いということになります。
Scrivenerの「Help項目」はとても充実しています。ここに「Page View」と入れると,メニュー項目のどこに「Page View」があるのか教えてくれます(下図)。

Scrivenerの「Page View」設定

また,Scrivenerのデフォルトで印刷するとマージンが1インチに設定されています。USレターサイズは横に広いので1インチマージンのほうが見栄えが良いのですがA4だとバランスが悪いです。なので僕は,上下左右のマージンを2センチにしています。

メニュー項目「File」>「Page Setup...」を開くと「Settings」という画面があらわれます(下図)。このSettingsのなかから「Scrivener」という項目を選択してマージンを設定します。

A4サイズに1インチ(2.5 cm)のマージンは間延びした感じがするので,2 cm に変えます。個人的にはUSレターサイズのほうがバランスが良いと思います。

余談になりますが,留学先のカナダではA4サイズの紙がどこにも販売されてませんでした。日本に提出する書類はA4サイズなので,自分でつくっていました。。。

そろそろ,本題に入りましょう。Scrivenerのデフォルト画面では「Draft」と「Research」項目というのがあります。「Draft」項目ではテキストを扱いますが「Research」項目ではほとんどすべてのファイルフォーマットをサポートしております。実験ノートは,この「Research」項目に書き込んでいきます。そうすることで,ゲル電気泳動の画像も貼り付けることが可能となります。

ほとんどすべてのマニュアルはWeb上にありますから,そういったものを実験ノートにコピペすることが可能です。

まあしかし,最終的にはプリントアウトし「紙媒体として保存しておくこと」が重要です。ここで重宝するのが30穴用の巨大パンチです。これでルーズリーフに閉じることが可能となります。

10年以上前に購入しましたが,とても頑丈です

ルーズリーフはバラバラになるので実験ノートとして禁止しているラボもあるかと思います。ナンバリング用のスタンプで通し番号を入れておくことで,管理可能かと思います(下図)。僕のラボではファイリングして保存しやすいので,ルーズリーフを指定しています。



Scrivenerのヘッダーにはプリント時に日時が印刷されるので,これも気に入っています。実際には,Scrivener上で実験項目やプロトコルなどを記入しておいて,プリントアウトされたものに実際の反応時間とかを記入していきます。さらに,実験結果,場合によっては簡単なディスカッションなどを書き込んで,後から他人が見て追証可能なデータとして残すことが重要です。

なので,Scrivenerのみで実験ノートを作るのは現実的ではありませんが,プロトコルやWeb上からダウンロードしたマニュアルも管理できるので,しかも一つのファイルとして扱うことができるのでとても重宝しています。フォルダごとに各データがバラバラになることはありません。

すべての執筆作業はScrivenerで行っておりますが,実験ノートの補助としても活用していきたいと思います。

2015-04-28

気がつけば。。。

気がつけば4月も終わりに近づいております。そして,ここ数年,続いていた企業との共同研究も一段落し,なんとか成果を残すことができました。本来ならばもう少し結果を出したかったのですが,vivo が絡む実験の難しさを改めて実感しました。

これまではテクニシャン2人を雇い,その一方で,報告書の提出に追われていたのですが,今は晴れ晴れとした気持ちです。雑事に追われ,また,怠慢ゆえにここ数年はピペットを握っておりませんでしたが,実験の現場に戻ろうという気持ちが強くなりました。ラボのマネジメントと並行して実験を進めることになりますが,ここはライフハック的なスキルで乗り切りたいと思います。

以前のプロトコルは使用せずに,桑江准教授にゼロからご指導頂いております。In-Fusionを実際に体験したことはなかったし,僕がもっていた今までの技術をすべて捨てて習うのも,リセット感があって感動しています。

まあしかしメガネは不便ですね。つけたり外したりめんどくさいですが,もう少しすれば慣れると思います。

その一方で,クラウド環境は確実に実験を後押ししていると思います。なかでも,すべてを高速スキャンする Sccanable は素敵すぎます。スキャンしたデータは Evernote にアップロードされ,それを Scrivener に書き出し,実験ノートとして利用しています。Scrivenerは,ほとんど全ての画像ファイル,データを取り込むことができますから,実験ノートしても最適です。

ほとんどのインプットメソッドでは「日時」と打ち込むと「2015/04/28 20:08」のように変換されますから,タイムスタンプとして活用することができます。さらに,Scrivener でテキストファイルをプリントすると,ヘッダにタイムスタンプが押されます。これをプリントアウトし紙媒体として,保管しております。そこに昔ながらのスタンプで,ナンバリングしています。一日が終わるときにスタンプを押すのは,何となく達成感があって楽しいですね。

これまでボルデテラ属細菌について,III型分泌装置に依存した感染現象に焦点を当ててきました。しかし,まだまだわからないことがあります。それらを新たな技術体系で再検証してみたらどうなるか?ということに興味があります。

独立したラボを構えて15年になりますが,流されることなく,自分の気持ちに正直に生きてみたいと思います。

このスタンプが便利です


2015-04-21

ベースレイヤー再考

先日の磐梯山ではベースレイヤーの組み立てがいまひとつで汗びっしょりとなりました。

稜線上で汗で濡れたTシャツをザックにしまい,肌の上に直接,パタゴニアのナノエア・フーディーを羽織りました。汗をかいたらジャケットを裏返しにして,極力,暖かさをキープしました。

この山行ではひたすら濡れまくったので,ベースレイヤーの再構築をおこないました。まず,肌に直接つけるものとして,ダイナミックメッシュ NS クルー (ミレー) を選択しました。このざっくりとしたメッシュ素材の上に,スーパーメリノウール L.W.Tシャツ (モンベル) あるいはメリノウール・ジップトップ T シャツ (ホグロフス)を,重ねたいと思います。

この上にナノエア・フーディーを着たいと思います。また,稜線上の雨ではポンチョがあまり役に立ちませんでした。なので,モンベルのストームクルーザージャケットを購入しました。

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だれもいない山で,横殴りの雨に叩きつけられ,湿った重い雪に足をとられ,GPSを頼りに下山しました。猪苗代のゲレンデに辿り着いたときにザックを敷いて滑り降りようとしましたが,思ったように進まず,結局は歩いて下山。とにかく冷えきった登山でした。

次回の山行で,これらベースレイヤーの性能を試したいと思います。

しかし,これらのアップデートにかなりの出資でした。まあしかし,冷えきった山行はかなり惨めな思いをするということも激しく実感しました。

遠くに猪苗代湖がみえます
最初の登りがきつかったです。2時間で頂上まで行く予定でしたが,結構,急登でした。
磐梯山,そんなに高くないように見えますが,手ごわかったです
磐梯山の頂上。誰もいませんでした。。。

色々なものをアップグレードして次回に備えます