2015-01-31

メンテナンス

 唐突ですが,僕の趣味はブラジリアン柔術です。現在,Carpe Diemという道場で練習しています。ブラジリアン柔術は,体重,年齢,帯別とカテゴリーが細かく分類されており,また,打撃もありません。したがって,格闘技のなかでは比較的敷居が低い部類に入ると思います。

 昨年,道場の石川先生より紫帯を授与されました。今のところ,二戦二敗という不甲斐ない成績です。敗戦を機に,自分なりに弱点を少なくしようと練習を重ねています。

 最近,体幹を鍛えるために,ランジとデッドリフトを取り入れました。ランジは8キロぐらいのウエイトを手に持って,ジムのマットを歩くようにして行っています。また,デッドリフトは50キロぐらいの負荷で,姿勢に気をつけておこなっています。

 ウエイトを利用したメンテナンスはこれまで行ってこなかったのですが,体幹があれば相手をパスできることもあるので,しばらく継続していこうと思います。それに加齢により体力が衰えてくるのも事実です。まわりの仲間に突き放されないように,ついていこうと思います。

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 ここ1年の大きな変化といえば,食生活をマクロビから,プチ糖質制限に変えたことです。マクロビでは魚を含めて一切の肉は食べずに,乳製品,卵,油も極力ひかえていました。マクロビでのタンパク質はほとんどが大豆製品でしたので,ちょっとやり過ぎた感もあります。。。

 これまで,朝はコーヒーだけのスタイルでしたが,豆乳,ヨーグルト,バナナ,ブルーベリー,プロテイン,フルーツグラノーラ等をミキサーにかけて,自家製スムージーを楽しんでいます。朝は極力胃に負担をかけたくはないので,しかし,ある程度の補給は必要と考え,このようなメニューにしました。

 ちなみに写真のMasonマグは鎌倉のLosangoさんで入手しました。オーナーは黒帯で,Carpe Diemでお世話になっております。場所は,僕の好きなシードレスバーの近くです。海に行った帰りに,Losangoさんの素敵な商品を眺めるもの良いかもしれませんね。

自家製スムージー。ブルーベリーの色です。。。

 ランチは大学の職員食堂で炭水化物も含めて好きなものを摂っています。ご飯も大盛りです。ただし,夜は炭水化物を極力ひかえ肉を中心としたメニュー構成にしています。
 当初は,ご飯を食べたくて仕方がありませんでしたが,2週間ぐらいすぎるとご飯を食べたいと思う欲求はなくなりました。たまに,うどんなどの炭水化物を摂りますが炊飯器は使わなくなったので物置にしまってあります。完全な糖質制限ではありませんが,この程度の制限でも体脂肪率は常に10%ぐらいをキープしています。こういった食事は我慢しておこなっているのではなく,自分も気に入っているので,しばらくは継続していきたいと思います。

SARUのサラダです。美味しいです。


2015-01-27

「ライフハックで雑用上等」 売れております

「ライフハックで雑用上等」(羊土社)でお世話になった編集者の中川さんから,本日,嬉しいお知らせを頂きました!

羊土社さんのバイオサイエンス系書籍のなかで,なんと本書が 売れ筋ランキング 〔1月前半(2015/01〜15)〕にて  “1位” を獲得しました(2015年1月27日現在)。

つかの間の輝き?かも知れませんが,本書をご購入下さいました読者の皆様方に,あらためて感謝致します。

また,アマゾンにおいても☆5つの評価を頂きました。ご購入頂いた上にフルマークをつけて頂きまして,本当に嬉しいです。ありがとうございます!

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本書は,実験医学の連載をもとに作成しておりますが,原型をとどめないぐらいにバージョンアップし完成しました。書籍化では「自分が二十代のときに,どんなライフハック参考書なら手に取るのか?」ということにフォーカスを当て執筆しました。

やはり一番の悩みは,どうやったら英語論文を書けるようになるのかだと思います。

そこは避けて通れませんでした。しかし,僕がそこまで突っ込んでいいのか?という躊躇もありました。なぜなら優れた参考書がすでにあるからです。

そこで,既存の参考書にはない内容として,Papers 3 でのリファレンス作成法や英語でモノを書くときのスタンス(精神論?)なども盛り込みました。僕が目指したかったのは,原著論文を思うように書けずに,つまずいている若い研究者の背中をドンとおせるような参考書でした。

英語に不慣れだった二十代の僕に説明するつもりで,一気に仕上げました。これまでの羊土社さんの方向性からだいぶ離れた参考書となりましたが,細部にわたり僕の伝えたかったことを,出しきりました。

もちろん論文執筆以外のライフハックについても最新情報が満載です。羊土社さんのウエブサイトにて チラ見できるので,ご興味がありましたら是非お願いします。

本書を手に取られた方々が,一人でもしあわせな研究者ライフをおくることができるよう祈念しております。

追記: 以下本書の目次となります。

第1章 ムダをなくし仕事をこなせ ─クラウド化のススメ

1 コンピュータは快適か? デスクトップ環境を整える

2 時間を有効に使えているか? デスクトップからクラウドへ

3 データの管理は万全か? クラウドを持ち歩く

第2章 情報を発信せよ ─ネットによる情報収集と発信

1 サイトの確認に追われていないか? 効率のよい情報収集

2 「戦闘能力」をアピールできているか? 研究者情報の発信

3 ラボをアピールできているか? ネットを活用した情報発信

第3章 あふれる情報を活かせ ─知の集約と整理

1 書類は整理できているか? 書類の山から逃げない

2 モヤモヤ書類を整理できているか? Evernoteで一発解決

3 情報収集はうまくできているか? Evernote をハブとして使いこなす

4 手書きメモを活かせているか? デジタル化のススメ

5 パスワードは覚えきれているか? 1Password で集中管理する

第4章 論文執筆は効率よく ─管理と作成のノウハウ

1 見たい論文はすぐ見つかるか? PDF を効率的に管理する

2 骨子はしっかりしているか? 論文作成のためのアウトライン

3 論文作成の流れを押さえているか? 論文構成について考える

4 さあ、論文を書こう! WebLSD を使いたおす

5 カバーレターでアピールできているか? 論文投稿から受理まで

6 スマートに執筆できているか? 最強エディターアプリを使う

第5章 めざせ! ラボのボス ―苦難を乗り越えてPI になろう

1 PI になる覚悟はあるか? PI を理解する

2 心と頭の準備は万全か? 研究思考を強化するテキスト

3 ダラダラ仕事になっていないか? 集中力と持続力の強化

4 足場の固め方はわかっているか? PI になるための3 つの歯車

5 リフレッシュできているか? 研究は長距離ラン

2015-01-16

Mac mini (Late 2014) と EIZO EV3237 の組み合わせで 4K 出力を試してみる

唐突ですが,現在使用しているMac mini に不具合がおきて,新たにMac mini (Late 2014)を購入しました。

今回,アップデートされたMac miniは,4K出力がようやく可能となっています。マシンスペック的には,Mac mini (Late 2012)よりもCPUスペック (2012版では,2.6 GHzクアッドコア Intel Core i7 を実装していた)では落ちているという奇妙な現象が起きています。スペックをMacProに近づけるな,という配慮ですかね?

ともあれ,下記の内容でBTOしました。
 - 3.0GHzデュアルコアIntel Core i7
 - 16GB 1,600MHz LPDDR3 SDRAM
 - 1TB PCIeベースフラッシュストレージ

フラッシュストレージ容量に進化がみられますが,1 TBで7万円もします。まあしかし,往年の名機 IIcx に積んでいたマクスターの240 MB (GBではありません)のハードディスクは当時30万円ぐらいしましたから,隔世の感がありますね。

閑話休題。そして,マシンのスペックに合わせて,4K出力が可能なナナオのEIZO EV3237 (3840×2160, 31.5 インチ)を試してみました。結論から言うと,上記マシンにて何の問題もなく4K出力が可能でした。画像が精細で,これなら長時間の操作でも疲れにくいと思いました。

実際には,文字が小さすぎて低解像度で表示しています。それで画面が見にくくなることはありませんし,このモニターを購入して正解でした。詳しくは追記をご覧ください。

実は先月,目に異常が生じモニターを見ることさえできませんでした。そこで,大学病院にて精密検査を行いました。眼科医からはサプリメントをきちんと取るようにと言われました。

ルテイン,ブルーベリー,DHA,ビタミンC,アスタキサンチンをきちんと取るようにしたら,目の疲れが大きく軽減されました。目の異常が軽減されサプリもあなどれないと思いました。また,PC用の眼鏡も使用しています。目に刺さる感じがなく,これからも使用していきたいと思います。

話をナナオのモニターに戻すと,EcoViewモードという機能が目にやさしいです。環境光の明るさに合わせて,モニターの明るさも変わるしくみです。僕は EcoView の詳細設定で,最大輝度を50%にセットしました。60%ぐらいの輝度でも僕には明る過ぎます。こういった細かな設定も可能なところが,ナナオブランドを購入する理由です。また,写真のようにギリギリまでモニターをさげることが可能です。ドライアイにならないためにも,モニターの高さと角度を柔軟に変えられるデザインは重要です。
何年たっても高さを変更できないアップル製のモニターは,デザイン的に大きな疑問があります。。。

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マシンのスペック的には,これ以上,速くならなくてもいいかなと思っております。これからは,画面の解像度であるとか,もっと使いやすいデザインへとコンピュータが変わっていけばと思います。

たとえば,MacBookを外部モニターにつないだときに,MacBookのモニターは邪魔になって,モニターわきに置いたりして,変な姿勢で外部モニターに向かうことになります。

そういうときに,MacBookのモニター部分が分離できれば,ちょうどキーボードのように大画面に向かって作業ができるのではないかと思います。僕的にはアリだと思うのですが,,,

結論的には,Mac mini と EIZO EV3237 の組み合わせは,とても良いです。マシンが全面にでることもなく,全体的にシンプルな構成になりました。

最高の環境が整ったので,最高の仕事ができるはず,,,です。

シンプルな構成です

カレンダーだけはミニモニターで常時稼働かな。。。観葉植物のウラにすっかり隠れてしまうMac mini. このへんの謙虚さも好きなところです。

2015-01-15

月光浴

二十代の終わりに尾瀬をナイトハイクしたことがあります。その日は月が明るく,夜露に濡れた木道が,冷たいレールのように光を放っておりました。

そこを一人でポクポクと,歩きました。とても気持ちが良かったのを覚えています。

五十代のはじめ,登山靴を新調した僕は,夕暮れの独鈷山に登りました。頂上についたのは6時ぐらいだったと思います。家々の明かりがつくのが,綺麗でした。しかし,帰りの登山道は真っ暗で,どうしても明るい方向に足が向いてしまいました。沢が月の光に照らされ,流れていました。明るい方向に足を向けたときに,僕は沢に滑落してしまいました。さいわい何事もなかったのですが,この山の夜は,僕の世界ではないことを認識しました。

暗さは,人の感覚に良くも悪くも影響を与えますね。

僕はお風呂にはいるときに,電気を消して真っ暗のなかでリラックスします。あるとき,キャンドルをつけたら,オヤジだけどロマンチックな気分でリラックスできるのか?という疑問が浮かびました。

そこで,長女がもっていたケーキ型のキャンドルを拝借して,お風呂にはいりました。

バスタブからあがってくる細かなミストが黄金色に反射し,月に照らされた湖面のように光りました(まあしかし,月に照らされた湖面を見たことがありませんが)。

キャンドルひとつで,激しくロマンチックオヤジになれる! という結論に達しました。

ケーキ型キャンドルも少なくなってきたので,「パシフィカ タヒチアン ガーデニア」というアロマキャンドルを購入しました。ガーデニアは花の名前だそうです。

包装を開けたときに,ちょっと香りがきついかなと思いましたが,お風呂のなかではミストと交じりあって,ほどよい感じでした。

疲れたときにオススメします。 

気分はもうタヒチ! 



2015-01-14

DANNER x SLOWGUN 「BIG D」

長年,愛用してきたイタリア スカルパのシューズが,現役引退のときをむかえました。
今までありがとう。

そこで,DANNERとSLOWGUN がコラボした「BIG D」というブーツを手に入れました。このブーツの特徴は大きすぎるD環にあります。実際の山行には向かないと思いますが,使用している皮革の存在感とか,D環と靴紐 (4本の細いレースを編み上げています) などのバランスがとても気に入りました。

購入後,何度か蜜蝋系のワックスを塗って防水性を高めました。登山靴系だと本能的に防水性が気になります。。。ミンクなど動物由来の油脂はカビの原因となるので,蜜蝋系を愛用しています。ちなみに僕が使用しているのは「革の達人」というベタな名前の製品です。履き込んで2ヶ月弱たちましたが,いい感じでエイジングしています。

購入直後のBIG D

約2ヶ月後の状態

僕が二十代の頃,登山靴といえば革靴でした。あの頃,思い切ってガリビエールのスーパーガイドを購入したけれど,あまりの重さに数回の山行にしか使用しませんでした。実家の靴箱に眠っているかもしれません。

話は変わりますが,僕の衣類やシューズは,ほとんど増えることがありません。借家が狭いということもあって,何かを購入したら何かを捨てるようにしています。そのため,クローゼットはいつもスッキリしています。

買うたびに断捨離することで,自分が気に入ったもので包まれることになります。行き着くところまで行き着いたら,どんなものが残っているのでしょうか?

40代のはじめまでは,このような考え方はしませんでしたが,50代になってからはシンプルな生活をできるだけ心がけるようにしています。

五十にして天命を知る。使命をまっとうするためには,多くのものを必要としないのかもしれません。

それはそれで,贅沢な暮らしだと思います。

2015-01-13

BEDWIN & THE HEARTBREAKERS と CARPE DIEM のコラボフーディー

待ちに待った,BEDWIN & THE HEARTBREAKERSとCARPE DIEMのコラボフーディーがついに完成。さっそく広尾道場で受け取りました。

タイトなシルエットですが,動きを妨げる感じはまったくなく,とても気に入りました。このフーディーはサイドにジッパーが付いているので脱ぎやすいです。50を過ぎると肩の可動域が狭くなるので,これは嬉しいですね。素材はコットン100%で,起毛された裏のレイヤーが暖かいです。丁寧に作られたプロダクトは,着ていても気分が良いです。

BEDWINのディレクターである渡辺さんは,Carpe Diemでの練習仲間であったりします。強力なクロスニーパスをしかけてきます。柔術は,自分が強くなるためにはじめたのですが,それ以上に,人とのつながりも楽しくなってきました。

スパーリングを通して,いろいろな方とコミュニケーションできるのも,柔術の醍醐味だと思います。まあしかし,他人との強さを比較すると,柔術はつまらないものになります。あくまで,昨年の自分と比べて,強さを求めて生きていきたいと思います。

あくまで,他人比ではなく自分比

他人と比較して生きていくと,結局は頂点を極めた者しか,しあわせになれないとうことになります。

このスタンスは自分の研究にも通じています。


BEDWINのタグ
サイドのジッパー部分



2015-01-12

もっとおおらかなときが流れていた

しばらくブログの更新が滞ってしまいました。昨年は羊土社さんから2冊の本を上梓し,やりきった感がありました。

そして,現在,論文を書いています。「ライフハックで雑用上等」で,論文に関するノウハウを紹介しましたが,論文を書くとういう行為は,いつも産みの苦しみがありますね。だからこそ,アクセプトされたときには嬉しさもひとしおです。

今日は,朝10時からブラジリアン柔術の道場で汗を流したあと,洗濯機を回してから,ラボにきました。僕は基本,日曜・祝日も短時間ラボにくるのが日課となっています。それが今のリズムになっています。

修士2年の前田さんは,もうすぐ修論提出なので,正月休みもほとんどなく,そしてこの連休も毎日実験と修論に追われています。ぎりぎりまで頑張って,自分の納得したかたちで,ここから飛び立ってほしいです。また,卒研生の山根さんは,もうすぐ薬剤師国家試験です。静かなフロアで黙々と勉強しているのが印象的でした。

僕の修士時代は修論が手書きの時代で,「ここを修正しないさい」と言われると,ほんとげんなりしてしまいました。まあしかし指導教官もこっちの苦労を判っているので,最後のほうは,まあいいかで修論訂正のOKをもらった記憶があります。

今は直前まで修正がきくので,それはそれで大変だと思います。

昨日,映画「ノルウエイの森」を観て思ったのですが,僕らの時代は「もっとおおらかなときが流れていたな」と。。。

たとえばラブレターを送るにしても,書くのに2日ぐらいかかったりしました。そして,相手の返信が来るのを郵便箱を何度ものぞいて,今日は来ているかと,ハラハラしながら待ち侘びていました。高校1年時に,はげしく待ち焦がれたラブレターの返事は,「もうおつきあいは,やめましょう」でした。

今ならLINEで,「超〜納得いかないんだけど,なんで別れるの?」とか速射できますよね。それが手紙だとできないのです。待ち焦がれて,「終わりましょう」という文面を見た途端,もう一度,手紙を書いてやりなおそう! とかの体力が残っていないのです。

手紙ひとつとっても,相手の意向を聞き出すまでに,何日もかかったのです。

そして,大学に入っても依然として,おおらかなときが流れていました。僕は薬学部なので,他学部と比べると実習が多かったけれど,それでも緩やかでした。

今はインターネットが全世界に広がり,メール,チャット,SNS が当たり前となって,すぐにレスポンスがくる時代です。僕の学生時代のように,「ただひたすら暇」という時間がないのも,気の毒な感じもします。また,以前なら実験がトラブったときに,まず学生同士でディスカッションしてから,指導教官に教えを乞うという流れでした。今なら,Google先生に質問することで,問題が解決したりします。

僕らの時代は,大いなる時間の無駄のなかで,学生時代を謳歌したように思います。また,ひたすら何かを待ち続ける忍耐力もあったような気がします。高校を出て,さらに4年間も学び続けることで,僕が手にしたものは,ほんの一握りの知識です。

それよりも,4年間という時間のなかで友人と大いに語らい,大人(指導教官)との付き合いを通して社会というものを学び,持て余した時間のなかで,漱石や太宰治の全集を読んだりしました。

おだやかな時間の流れのなかで,生きていく上での取捨選択,行動における規範というものを,学んだような気がします。何かを深化して考えるためには,今の時代はあまりに性急すぎる感じがします。