2014-07-13

就職とか,人材とか,いろいろ 

6月いっぱいで竹下さんが退職となりました。短い間でしたが,ご苦労様でした。



そして,薬学部からきている山根さんも,卒論を提出する季節になってきました。夏以降は国家試験にむけて頑張ってくださいね。




1999年にラボをもってかれこれ15年近くになりますが,ほんとうに人と人との繋がりを実感しますね。

ラボを持った当時は,(旧)北里研究所に所属していました。研究オンリーの環境なので,これはこれで楽しかったです。それから大学院に移り,教育と研究の二本柱の体制になりました。当時の僕は,研究の水準を落としたくはなかったから,それに若いということもあって,今よりも学生に厳しかったと思います。

まあしかし最近では,学生に厳しくすることもあまりなくなったように思います。ほとんどが修士課程で終わりますから,2年間を通して研究の面白さを味わってもらえれば良いと思います。しかし2年間の大半は就職活動に費やされますから,今の学生さんは大変だと思います。

企業の方もだんだん嫌な感じになってきて,説明会に出席しないとその先にエントリーできないとか,もうやりたい放題ですね。

以前,修士の学生さんが,企業の方に「そっちの研究よりも会社の行事が大切でしょ」みたいなことを言われ,卒業前におこなわれる研修会をなかば強制されたのです。

結局,彼女はその企業方針に腹を立て,僕の意見も聞かずに内定を蹴ってしまいました。僕は内心,嬉しかった反面,彼女がそこまでして修士研究にのめりこんでいたのかと,あとで知ることになりました。



今から考えると彼女の選択は正しかったのかわかりません。まあしかしそういった企業は品格がないので,就職しなくて正確だったと思います。内定をとることは本当に大変です。なので企業のほうも,もう少し大人のやり方で日本の若者の将来を考えて欲しいですね。

じゃあ僕は,これまで若者の将来を考えて,ポスドクとかを採用してきたのかというと,そんなことはなかったと思います。。。あくまで自分の研究領域の即戦略になる人材を採用してきました。ポスドクの戦力と研究領域がうまくマッチすれば研究が進展し,それがポスドクの業績となり,結果的に次のステップに進むことになります。

ただ,研究結果は予測はできないし,思うように進まない場合もあります。ポスドクのなかには,雑用にはまったく興味がなく,自分のやっている研究が進みさえすれば良いという考えの人もいます。それはそれで正しいのですが,何も出なかった場合はゼロ以下の評価になります。結局は2-3年という短い期間において,人との繋がりをどれだけ作れるかにかかっていると思います。

僕もカナダの大学でポスドクとして過ごしましたが,ほんとにキツかったです。その間,ボルチモア(アメリカ)の病院で,掃除係としてボランティアをしたこともあります。「畜生,俺はこんなこところで,何やってるんだ!」と腹がたったこともあります。しかし,こうした無駄のように思える経験も今の自分に繋がっているのです。前向きな気持で,研究に向かえないことが,多々ありましたけどね。。。

厳しいけど,実験・研究,ラボの雑用,自分がこれから何処へ行こうとしているのか? すべてをひっくるめて次に繋げる必要があります。ポスドクは大変ですがやりがいはあります。

一方,今までの僕の基点は研究が中心だったのですが,そうではなくて研究を次に繋げる人材を,これからの基点にしていきたいと思います。