2009-03-29

You raise me up



本日のマイメロディーは、You raise me up。
昨日、私のラボを修了した佐藤さんの結婚式が横浜でありました。
そのときに挙式で流れていた曲が You raise me up (クリックで曲が流れます)。

挙式にぴったりでしたね。
新郎は隣のラボにいた金子君。
お二人ともお幸せにね。

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おめでたいので虹色カーネーションの画像をアップします。
本物のお花です。

2009-03-28

CORTEO IN TOKYO




Cirque du Soleilのコルテオ、観てきました!
実はサーカス観るの初めてでした。すごい!の一言。人間はこんな動きをできるのか? 改めて超人たちの無限の可能性を感じましたね。
音楽も生演奏で、それに合わせて繰り出される信じられない動き。。。特に足さばきが参考になりましたー。自分もブラジリアン柔術であんな感じで動けたら、かっこいいのになあと思いました。

ということで固め技「デッドマンズ・チェスト」の完成に向けて私も頑張らなければ。

相手がタックルにくる。タックル切って、
オーバーヘッドギロチンチョークに移行。
極まらないときに、相手の体の下においてある足を伸ばして、
ロックダウンに似た足がらみ。
チョークを解いて「デッドマンズ・チェスト」に移行。
これを今後の必殺技にしたいと思います。

コルテオ、是非、どうぞ!
あなたにも、新たなムーヴが舞い降ります!

2009-03-26

修了おめでとう!




久留島君、武末さん、修了おめでとう!

2年間、ご苦労様でした。

4月からは、それぞれの新天地で開花して下さい。

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ということで、武末さん、
出世したらステーキご馳走して(昭和系が漂いますね)。

ということで、久留島君、
がつんと良い研究をしていこうね。

ということで、私。
2年間で、進歩したのか。。。かなり微妙です。

ラボより
久留島君には定番のネクタイ、
武末さんにはMoleskineのステーショナリー。

ハードヒットで自分の世界を手に入れろ! 
各自、散開!
傷ついたら戻ってこい。

2009-03-16

エフェクター = はやりの研究

本日,有給です!
細菌学会で疲れているのかって? 現在,日本細菌学会誌の電子化を行っているのですが,白金の北里図書館に午後からこもりっきりになります。ここから蔵書を運び出して業者の方がスキャンしてPDF化して,オンラインになって晴れて日の目を見ることになります。本日は,大学の業務ができないので,あまり余った有給を消化しています。まあ,なにやっているんだろうなという気持ちはありますね。薄暗い図書館で。。。

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唐突ですが,私がエフェクター研究を始めたきっかけをお話ししたいと思います。
1990年の初め頃,サルモネラの転写制御の研究を行っていたのですが,病原因子を分子レベルで研究したいという想いがありました。どうせなら宿主側因子の解析を含めて研究をしたいと思っておりました。

心機一転してサルモネラと宿主側因子の研究をするために,1995年にカナダに留学しました。ところがボスに,サルモネラの研究はたくさんやっているから,腸管病原性大腸菌の研究をしろと言われ,ハイと答え「ハイは日本ではイエスと言うんだよな」と念押しされ(今でも日本語でさりげなく外国人に話してしまうクセがあります。。),腸管病原性大腸菌ってなんだ?ということになりました。そんでもって,in vivoの感染実験系を立ち上げろと。一人じゃ無理といったら,ボルチモアで習ってこいと言われ,「ていうか,もっと誰かに細胞の感染実験とか習いたいのになー」と思いつつ,どんどん人生の軌道から外れていく感じがしました。

腸管病原性大腸菌のin vivo感染系を確立することが,留学先での初めての実験でした。ところが,当時さかんに使用されているRDEC-1は何故か病原性がなくなっており(ま,SPFのウサギが腸管病原性大腸菌に汚染されていたということもあります),フランスのグループは菌株を送ってくれなかったので,菌株探しから始まって,最終的にIII型分泌装置の機能は,病原性に関与することを明らかにしました(正確にはEspAとEspBの2つの分子がです)。私の留学期間中に他のポスドクがTirを発見して,ボスの名も一躍有名になり,現在のエフェクター研究が始まりだしたのです。

1999年に日本に帰国して,北里研究所に戻ってきて,腸管病原性大腸菌はワクチンにならないということで,百日咳ワクチン関連の研究も行うことを確約し,今の桑江君のBopCの発見があるわけです。北里研究所でこのような研究が擁護されていたかとそうでもなく,ほそぼそと研究が進みました。この研究にしても当時,百日咳菌ではIII型分泌装置が機能していないという説があったのですが,それでも研究を進めていたのです。現在ではエフェクターはボルデテラ属細菌の定着に関与するデータが蓄積されつつあります。現在,その研究を永松がやってます(まだ,論文にはなってませんが)。

ここではっきりさせたいのは,我々のグループが,腸管出血性大腸菌のアウトブレークがあったから,とか,百日咳菌の集団感染があったから,「その時流にのって両方の研究を始めたのではない」ということです。

腸管出血性大腸菌による集団食中毒のアウトブレークは1996年ですし,腸管病原性大腸菌の研究を私が開始したのは1995年で,それも私の当初の意志ではありません。腸管病原性大腸菌のわけのわからないin vivoの研究なんか誰も留学時代に立ち上げたくなかったから(時間がかかるし,うまくいくかどうかわからない),私がやることになったのです。当時はノーと言えないタイプだったので。百日咳菌の研究にしても北里研究所がワクチンに関連している病原細菌を扱いなさいと言ってきたので,研究を始めたのです。もちろんやっていける自信はあったのですが,二つの細菌を選んだのは自発的ではなかったのです。かっこ悪くてごめんなさい。ですから時流にのってエフェクター研究を始めたわけではありません。

エフェクター = はやりの研究と誤解される方がいますので,はっきりさせますが,二つの菌の研究も向こうから,私の本来の方向性とは別なところからやってきたものなのです。

まあ流行の研究でも何でも良いのですが,結構,面倒臭いので,答えるのが。。。

そこんところ,よろしくです。

まあそれでもついてきてくれるスタッフ・学生さんがいて幸せです。

2009-03-15

失わなかった6年間

細菌学会の理事を仰せつかって2期目。はっきりいって,しんどい。総会会期中は中身に集中できませんし,昼休みもありませんし,走ってワークショップの会場に行って座長を努めたり,サイエンスに集中するより理事としての諸雑用に神経をつかいます。総会以外にも細菌学会をより良いものに変えていくために,年間にわたり細々とした仕事が舞い込んできます。来年の横浜総会のシンポジウム・ワークショップ企画はもう始まっていますし,次の年度のことも考えながら色々なことを決定していかなければなりません。昨年は「細菌学若手コロッセウム」も担当し,連日連夜,苦闘しました。

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これからもトータルで6年間,40代の研究者として非常に貴重な時間を自分の研究以外のことに費やすことになります。こういったことを全部,チャラにして自分の研究のためにだけ費やすことも可能でした。研究者人生としてこれからも失うであろう6年間,これを全部研究につぎ込んだらもう少し「コンスタントに論文を書き上げること」も可能でしょう。事実,雑用が増えるまではピペットを握ってきたし,「コンスタント」に自分にとって納得のいく論文を発信してきました。私は任期制教員ですし論文数がでないことには次へは繋がりません。まあ,そういった危険な状況に今の自分があるわけです。再任されなっかたら笑うしかないですね。
他人にごちゃごちゃいわれなくても,コンスタントにださなければならない自分の状況は,いやというほど解っています。また,任期制だから,論文を出すことが目的になったら,それは研究者ではなくサラリーマンですので,そういった生き方はしたくはないです。

まあでも朝起きて,新しい朝がやってきて,空も晴れていますので,これからの理事任期の3年間も加えて,「失わなかった6年間」にしたいと思います。あと3年間,「ああああ,面倒だな」と思うことは確実にあるでしょう。学会会期中に堀口さん(理事として2期を経験されました)とも話したのですが,細菌学会は確実に明るくなったと思います。またコロッセウムではたくさんの若手とディスカッションすることができて,何よりも「コロッセウム,楽しかったです」という若手の意見を聞いて,今でも完全燃焼して良かったと思っています。

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自分たちで書き上げる論文数はたかがしれていますが(いや,そんなことはないという気持ちもありますよ),細菌学会がもっと活性化して,世界と競合してもやっていける若手研究者が「コンスタント」に増えていけば,日本から発信する研究・論文はより良いものになるはずだと信じています。そこをきちんと見据えて今の雑用をこなしていくことが,現在の私の役目なのでしょう。そこがなかったら本当に「失った6年間」になります。だから今の雑用は必要なのだと思っています。他の理事の先生方もそういう気持ちで頑張っておりますし,様々な気持ちを押し込んで,仕事をされております。

私は未熟者なので,その軸がぶれてしまう。
しかし,自分が成長するチャンスでもありますので。。。

2009-03-14

論文のスタンス

私の論文に対するスタンスとして,これは以前のブログにも書きましたが,
「競合研究者がイントロに書かざるを得ない,掲載せざるを得ない研究」を論文として,まとめていきたいの。簡単に言えば被引用回数の多い論文を「結果的に」出すことでしょうか。

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細菌学会が終わった後,金山町に研究者連中と飲みに行きましたが,とある新進気鋭の先生に,コンスタントに論文を出していないとご助言を賜りました。このようなことを言われても,自分としては納得のいくかたちで,論文を出していきたいと思います。

それよりも,自分たちの研究成果である論文を,酔った席上の「肴」としてつままれるのは,やはり不快です。

ま,飲み会の基本は馬鹿になることですが,馬鹿になれない奴が多杉(あ,馬鹿=酒乱ではありません)。

2009-03-13

細菌学会初日

本日は,細菌学会の初日。

そんでもって,久留島,武末,修士2年の発表の日であった。
今年から学生会員の研究を顕彰するために「優秀ポスター賞」が開設された。2人ともこの賞には選ばれなかったが,授賞式のアナウンスがあったときにも2人はポスターに詰めかけた人たちに熱心にプレゼンをしており,このコントラストが美しかった。
修士2年間,ご苦労様でした。

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ということで,細菌学会は学生会員,若手会員の育成に,必死のパッチで頑張っております。このまま良い雰囲気が続いてほしいと思いますね。そのために私も頑張っていきたいと思います。学会前に私はある命令をスタッフ,学生さんにだしました。それは「スーツ姿では学会に参加しないこと」であります。もう少し肩の力を抜いて学会に集中してほしいと思いました。今は会場もだいぶカラフルになってきたような感じがします。

さあ,あすも頑張ります。
それでは。

ソフトあれこれ

今、Journlerというソフトをとても愛用している。このソフトは備忘録のようなもので、なんでもかんでも取り込むことが可能である。また各ノート(何でも貼り付けられる)にはタグ・カテゴリーを設定することができて、自由度の高いスマートフォルダーで分類可能だ。しかし2つのコンピューター間(メインのMacBookとMacBook Air)の同期がうまくいかずにしばらく悩んでいた。何をやってもうまくいかない。考えたあげくMacBook Airをメインマシンとして使用することを決意した。本来ならCDドライブもあって、イーサーネット対応のMacBookをメインマシンとして使用すべきであるが、機動力で勝負のAirのほうに全データを移行した。また、バックアップはタイムマシーンで管理して不測の場合に備えるようにした。

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先日、堀口さんが細菌学会の企画調整委員会で北里大学に来て、仕事が終わった後,マック関連の雑誌をおいていった。これをぱらぱらとめくっていると、OmniDiskSweeperというソフトが載っていた。このソフトは大きなファイル順に並べ不要なライブラリーを検索するソフトである。これで不要ファイルを削除したら、なんと20ギガ以上のファイルを削除することができた。。。次から次へと余分なファイルで肥えていった私のハードディスクが身軽になった。ついでにFont Bookというフォント管理ソフトで、自分では絶対に使用しないフォントをオフにした。ソフフォントが何十種類も読み込まれると個々のソフトの起動時間も遅くなっていく。使用しないフォントをオフにするだけでも圧倒的に起動時間が速くなった。サファリは2秒ぐらいで起動! 日本語だけならヒラギノ、小塚明朝、小塚ゴシックぐらいで満足してしまう私である。

と、このブログもJournlerで書いてアップしてます。

2009-03-05

さびしきみち

私が好きな詩。 
研究者に似合う詩だと思います。

そう,ちからのみちをすてよう。
いまだしらざるつちをふみ自分であるいていこう。
そこには孤独がつきもの。

研究でがんばっているヒトがんばれ。
俺もフルスロットルでがんばるぜ。


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さびしきみち

かぎりなくさびしけれども
われは
すぎこしみちをすてて
まことにこよなきちからのみちをすてて
いまだしらざるつちをふみ
かなしくもすすむなり

高村光太郎

2009-03-03

マニア




本日はスタッフ・学生さんとあつい団結式を行いました!
みんなには,これからも生き残ってほしいので,120%のハードヒットを目指して頑張ってほしい。
まじで,あとはまかせた。各自がフルスロットルで前に進んでほしいです。

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昨日は,ブラジリアン柔術で炸裂。ジムにあるリングでプロを目指している方と対戦しました。相手が3人いて入れ替わりで対戦していきます。一人5分の対戦(45秒のインターバル)で1巡するのに約15分。4巡するまでびっちりとスパーリング。1時間の練習のなかで私が1本とったのはわずか1回でした。あとはひたすら負け続けました。でも上を目指している方が,手加減なく私と勝負してくれることに感謝です。

この日,これまでの戦い方は間違っていたと気がつきました。スパーリングをして40分ぐらいたった頃に,もうだいぶ体力が消耗してきて,でも何故か精神的にはぐわーっとやれると思ったときに「前に向いていく精神力」みたいなものがこれまでは足りなかったと実感しました。相手に向かっていくエネルギーが足りなかった。。。具体的にわかるような感覚を,ちょっとつかんだのです。これを知り得ただけでも,十分ありがたい体験でした。

試合が終わった後,何故パスされるのか,欠点を指摘して頂きました。セオリー通りの動きで対処したのですが,その方はセオリーとはまったく異なったさばきで対処していました。簡単なことですが,このセオリーしかないとたたき込まれていたので,他の動作は考えもしませんでした。5年間,何をやっていたのかと愕然としました。

柔術にしても研究環境にしても,今は大きな流れの変換機にきているような感じがします。あと1年で何もかもがらりと変わる予感。自分が上にいくのか,下に流されるのか,そんな感じが本能的にします。

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ということで,本日,ひな祭り&バーガーマニアの1周年記念パーティーです。バーガーマニアはモーリーが毎日つくるハンバーガーのお店です。ちなみにモーリーはうちの娘に言わせると「ハンバーガーのお兄ちゃん」です。娘はモーリーに頂いたお店のロゴ入りのTシャツを着てパーティーに参加しました。手には自分で選んだチューリップをもっています。本日もモーリーの手塩にかけたハンバーガーをおいしく頂きました。これからもマニアぶりを発揮して,ハンバーガーの道を究めて下さいね!
ともかくも若い人が一生懸命何かを成し遂げようとする姿は気持ちが良いものです。そして,それがうまかったら,俺は食らいつきますね。

2009-03-01

おそるべし,焼き肉!

昨日,スタッフ・学生宛に「実験量の少なさに対して」メールを出しました。
正確には実験量のことではなく,本当に研究者として生きていく,生き残っていく向上心があるのか? という問いかけです。
「研究者として生きていく」のは並大抵のことではありません。

それでも「研究者として生きていきたい連中がここにいる」と思っているから,敢えて苦言を述べました。もちろん楽しく研究することが大前提でありますが,それを続けていくためには,いつの日か,そう遠くない将来に,独立した研究グループ長(大なり小なり)に就かなければなりません。そのためにはどうしたらよいのか,今,何をなすべきか,その自覚が足りないと思いました。
明日からよろしくお願いいたします。

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土曜日は前線基地からベースに戻って録画してため込んでおいた情熱大陸を見ました。そしたらマー君が出ていました。マー君こと田中将大はすごいなと思いました。何がすごいのかって,若干二十歳ぐらいできちんと焼き肉の動作がしっかりしているのです。話していてもきちんと肉を見ている。黒こげにならない。マー君は可愛がられるだろうと思う。そう,単純に可愛がられるのも重要だと思う。

俺が大学の上層部のほうにいてPI獲るとしたら,研究よりも焼き肉をいかにうまく焼くのか,こっちを大切にしたいですね。研究は皆それなりにできるけど,焼き肉をうまく焼くほうがさらに上のレベルを要求されるので,そこを見てみたいです。焼き肉なんか簡単だと思うけど,まじで俺的な合格ラインに達していたのは,今,エール大にいるK君ぐらいでしょうか。やっぱ,特別研究員-SPDぐらいになると,焼き肉のレベルも次元が違うなと感じたわけ。楽しく会話が進んでいる間でも,K君の焼き肉具合を冷徹に分析している俺がいるわけ。焼き肉は立派な面接(註1)でもあるので,内定もらう前に,将来の上司から「焼き肉行こうか」なんて誘われたら,腹が痛いとかインフルにかかっているとかウソついて,絶対断った方が無難です(笑)。

「研究者を募集する」というのは,そこに多くの研究者があつまるのだから,実験能力,論文数とかはドングリの背比べみたいなもの。そんときにだせるプラスα,自分の武器は何かと言うことですよね。そういったところも鍛えなくては。

本当に大変だと思います。研究者として生きていくには。。。

だからうるさい俺がいるわけ。
だってそうでしょう。
半端じゃない金使って,君らに先行投資しているのだから(笑)。
出世払いで,でっかく返してくれ。

10年後はまかせた! まじで。

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註1: 安田佳生さんの本に書いてあります