2008-06-29

オープンラボ 2008

7月19日土曜日に北里大学大学院感染制御科学府にて,オープンラボが開催されます。細菌学の研究者になりたいという方がおりましたら,是非ともラボ見学に来てください。

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細菌感染制御学研究室はこんな感じです。
まあしかし,HPだけではラボの雰囲気はわかりません。

是非見学に来て,修士の学生さんとじっくり話し込んで,自分の将来の目的と合っているのか,しっかり確認することが重要でしょう。

ということで,7月19日に白金でお会いしましょう。

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近所においしいハンバーガーショップがオープンしました。

帰りにはモーリーの作るハンバーガーを試してくださいね。

彼のプロ意識は一見の価値ありです。

2008-06-25

bitに変換される時間=空

iPhone が国内で発売されるそうだ。
白いプランとパケットフリーで月額約7000円。
んー高い。便利だけど今はiPhoneなくても元気に生きているし,
この便利という言葉は,くせ者です。

事実,インターネットの普及ですごく便利になったけれど,個々の研究者が格段に論文数が増えたかどうか? それは疑問。ネットに繋がっていなかった頃は,実験が終われば暇つぶしもできないので,じゃあ帰るかあということになるけれども,今の時代,インターネットでいくらでも暇つぶしができる。煩悩が目の前にあって,自ら律することができなければ,どんどん時間がbitに変換されていく。今はそんな時代だ。アマチュアにはかえって厳しい時代なのかもしれない。

俺が怖いと思ったのは前にも書いたのが,ハードディスクは 0 だか 1 だか知らないけども,とにかくはじめは空で満たされているわけ。それが何か意味のあるもの,ますます意味のないもの,どちらも bit の羅列に変換され,重さも変わらない。

それははじめから空で満たされていて,たとえ満たされたとしても,概念的には空であるのと同じ状態。たくさん意義のある仕事をしたから,俺のハードディスクは重くなったとか,そうなれば解り易いのだけれども。。。

「あの先生のPowerBookは,20キロもあるのですよ」
「それに比べてうちの教授のPowerBookは,3キロしかないんだぜ」 「やっぱダッセー,うちの教授は」なんて事になりかねません。やはり業績で重さが変わるのは,なしと言う事で。。。

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ということで論文を書いたりしているときには,雑念を払うべくコンピュータを閉じる。しかし書いているうちに,web辞書をついつい開いてしまったり,関連論文のPDFを内部検索で確認したりと,やはりコンピュータに依存してしまう。おまけに老眼のせいか,論文書いている時は裸眼であるが,コンピューターを見る時は眼鏡が必要。こんなときにiPhoneがあれば,しかもパケットフリーであれば,小型の辞書として常時閲覧が可能である。しかも論文のそばにいつも置いて,眼鏡の着脱なしに利用可能。これは便利だ! iPhoneを購入しない正当性はいくつもあるが,購入する正当性も増えつつあるこの頃。。。

2008-06-22

ロングライフ

久々に山の店に行き,久々にクライミングパンツを買った。
クライミングパンツと言えばグラミチである,というぐらいグラミチが定着している。しかしグラミチは細身なので,トップクライマー平山ユージの意見が反映された,ノースフェイスのものを購入した。

すごく気に入ったので,本日,もう1着をネットで購入した。メーカー側が永久にデザインを変えない洋服を常にストックしてくれれば,買う方も楽であるのにといつも思う。

ということでラコステは好きだ。色とサイズを考えるだけで,いつものポロシャツが手に入る。

逆に考えると,自分はラコステ以外の定番をおそらく知らないのだ。おそらく。。。

D&DEPARTMENT PROJECT のような洋服屋さんがあれば良いなあと思う。

ロングライフなデザインというのは無駄がなくて良いですね。

ロングライフな研究。。。
65が定年だともう20年切ってますから,もう迷っている時間はありませんね。

2008-06-19

枯れ木も山のにぎわい

我らが宇宙人,嘉糠さん,GCOE採択おめでとう。
しかし,今後のGCOEの応募要項には「地球人に限る」と明記したほうが良いでしょう(笑)。

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ところで私の所属している大学は,科研費採択率がぐんと落ちています。また,科研費採択数の生命線でもある「たきぎ」となる枯れ木の数もそう多くはありません。大学全体の科研費採択率が20%だとすると,10人出せば2人しか採択されませんが,1000人だせば200人も採択される事になります。

ですから変な言い方ですが,不採択になる可能性はあっても,大学全体としては,個々のスタッフが必ず科研費を出すと言うスタンスは非常に重要なのです。不採択の数,つまり枯れ木の数は,やがては大学と言う山を潤します。

まあこんなこというと,生意気な奴だとお叱りを受けるかもしれませんが,私のほうも科研費採択率は3割ぐらい。7割の枯れ木の上に,3割の花があるのです。大学全体として科研費のエコシステムを個々の教員がきちんと認識していかないと,これからの大学でのライフサイエンスは非常に困難なものとなるでしょう。

ということで自分が不採択になってもそれは,

「枯れ木として大学に貢献している」

そう思うようにしています。

2008-06-18

ポンペ・ファン・メールデルフォールト

昨日,長崎大学に講義に行ってきました。
3年生の講義としてはちょっと難しい内容だったかも知れません。
それでも皆,食らいついてきてくれました。
私の方も気持ちよく講義をすることができました。
皆さん,頑張って良い医者になって下さい。

そういえば,平山壽哉先生から頂いた医学科のシラバスの表紙には,
下記のような厳しいお言葉が,

医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。
ひとたびこの職務を選んだ以上,もはや医師は自分自身のものではなく,
病める人のものである。
もしそれを好まぬなら,他の職業を選ぶがよい。

長崎大学医学部の開祖 ポンペ・ファン・メールデルフォールトのお言葉です。

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講義を終えた後,平山先生に空港まで送って頂きました。
空港ではウニ丼をご馳走になりました。
先生は長崎に赴任されて15年。
研究あるところなら,何処へでも行くのが研究者魂だと思いました。

2008-06-17

長崎移動日

研究室を出てバスで田町にむかう。バス停近くのあゆみブックスで単行本を2冊購入。地下鉄の三田から羽田行きの急行に乗り,空港へ。

いざ,長崎へとタクシーイングしていた飛行機は,油圧系統のトラブルのために乗客は空港ロビーへ一端戻される。通常は1冊しか単行本を買わないのに,2冊買っておいてほっとする。初めの一冊は,羽田での待機時間,空の上,バスで長崎市内に移動する時に読み終えてしまった。

長崎駅の近くでバスを降り,それから路面電車に乗り継ぎ,宿泊先の思案橋に移動。長崎の人は親切だというのが,第一印象。市電で隣のおばさんに宿泊先の地図を差し出して行き先を訪ねると,すぐに答えが帰ってきた。次は○○ホテルも良いわよとアドバイスも。いざ降りるときになると隣にいたサラリーマンが,先ほどのホテルはあっちの方向ですと教えてくれた。長崎,初めから30ポイント獲得です。

ホテルについてシャワーを浴びて,メールの返信をした後,明日の講義のチェック。夕方になり一人で食事へ。直感を頼りにその辺をぶらぶらしていると,外国っぽいの雰囲気の2人の女性バックパッカーがレストランを探していた。地元の言葉を話すのに,何故か他所からきたような違和感があった。

地元のチェーン店でお寿司を食べ,時間も早いので高台にある孤高のバーへ。 俺が直感で選んだバーは非常に急な石段を上らなければいきつくことはできない不思議なバーだ。酔っ払いはおそらくここで轟沈。初めから難易度が高そうだ。しかもバーだと思ったら,いきなり個人名の表札が普通の玄関に掲げてある。自宅かなと思って,おそるおそる中を覘いてみると,人のよさそうなマスターと視線があう。こうなったら入るしかない。バーの匂いを一瞬でかいでここは大丈夫だと安心する。マスターの作るマルガリータ,おいしかった。高台から見下ろす風景も格別だ。偶然にもマスターも,人とのコミュニケーションには匂いが重要だと持論を展開していたが,気が合った部分である。

しばらくマスターと話していると,さきほどの女性二人が隣のカウンターに座った。長崎にはたくさんのバーがあるのに,偶然というか単純に驚いた。一人のほうは長崎にある離島から,もう一人の女性は近県から長崎にやってきて,交友を温めるための再開であった。いい感じで日焼けしているので,

「島のほうは日差しが随分強そうですね」とたずねると,
「いえ,ハワイから帰ってきたばかりなので,焼けているんですよ」という返事が返ってきた。

これで全ての謎が氷解した。この近くに住んでいるのに,旅人のような感じを受けたのは,彼女の心はまだハワイにあるのだと。それで俺的には違和感が残り,偶然にも長崎で初めて立ち寄ったバーで「違和感」の答えを直接本人から聞くことができた。

これが,つい先ほどの路上で,
「あなたがた二人はなんか変ですよね,なんていうかその雰囲気が。。。」なんて聞いたら間違いなく,変人扱いされるでしょう。研究者と言うものは違和感が大発見に繋がったり,また大失敗を未然に防いだりしますから,日々の生活のなかにも気づきは重要だと思うのです。まあ,俺のクセですが旅先では人の流れに注意するようにしています。

長崎は今日も雨だったけれど,ていうか出張で初めて来たのに雨だけど,人情味にあふれ不思議なバーがあって,明日はがつんといきます。

(写真は,今回,お世話になったいい感じのバーです)



2008-06-12

特定領域班会議: 横糸研究会

横糸研究会が,東大医学部(本郷)にて開催されました。この研究会の趣旨は,縦糸をウイルス,細菌,寄生虫等の病原体に見立て,横糸は,それぞれの現象を紡いでいく事になります。

私が入っている研究会は,ウイルス,細菌,寄生虫等によって,どのような宿主応答が惹起されるのか,また,病原体はどのような宿主応答を利用して感染を確立させるのかということであります。

我々のテーマは,百日咳菌を含むボルデテラ属細菌は,如何にしてIL10の産生を誘導するのか,ということであります。今回の発表では様々なご意見,コメントが寄せられました。また,様々な領域の先生方に,ボルデテラ属細菌の感染戦略を説明できたのは,私にとってもラボの連中にとっても僥倖でありました。

しかし,IL10の制御自体がまだ解っていない部分もあり,この研究会でも「これさえやれば,IL10制御の全体像が掴める」というようなはっきりとしたビジョンをもつことはできませんでした。ということで,おそらく他のボルデテラの連中も攻めあぐねていますから,逆に言えばチャンスなのかもしれません。

また,京大の藤田先生からは,抗体のメーカーまでも含む細かな実験手法のことまで情報を頂いて,怖そうな先生でしたが,ほんとうは優しかったです。

とういうことで,我らなりに霧の中を進んでいきたいと思います。

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懇親会の席上では,九大の小林隆志先生と親しくなりました。小林隆志先生は,現在,慶應大学に移籍された吉村先生の懐刀です。このような横糸研究会の醍醐味は異分野のすごい先生方に何の偏見もなく飛び込めるというです。また,異分野領域の学生さん,元気な方がいました。今回は俣野先生のところの山ちゃんが特に印象に残りました。山ちゃんは何の話でも食らい付いてきてすごいなと思いました。将来も研究領域で活躍してほしいですね。彼ならやってくれるでしょう。

ということで,私のバックボーンは総合格闘技ですから,これからも異分野領域に乗り込んで,間合いを詰めた戦いをしてい
きたいと思います。もちろん,ノーガードで(笑)。

2008-06-05

梅雨の日には

先日,ジムでランニングマシンを適当にいじっていたら,スピード設定は同じなのに,どうも足取りが重い。。。

な,なんと,ランニングマシンが,傾いているではないか。

そこで,坂道を登りながらこう考えた。

智にはたらけば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。

いやそうではなくて,最近のマシンはすごいなあと。。。
普段なら15分ぐらいではそんなに汗も出ないが,傾斜をつけた走りで,どっと汗がでた。

格闘技系のスポーツは膝を痛める場合が多く,私も走るのを控えていたが,傾斜のあるランニングマシンで,素早く追い込みをかける事ができれば,まあこれはこれで楽しいですね。

ということで,梅雨の日はしばらくランニングマシンのお世話になります。

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今度の日曜日は,特定領域の班会議。しかしその前に講義。ちょうどグラム陰性菌の分泌装置の講義なのだけれど,昨年と比べてアップデートするところがたくさんあって大変なことになったと思う。まあ,忙しい時に,忙しい事がたくさん重なるのが世の常と言うもので,有り難い事だと思います。

ということで,「ボルデテラ属細菌はどのように自然免疫を回避して,長期定着を可能にするのか?」 というテーマを日曜日に発表です。永松の1年間の集大成でもありますので,頑張って発表したいと思います。

2008-06-02

運動会

日曜日に娘の小学校で運動会があった。全校生徒を合わせても100人ぐらい。
もちろんクラス替えなど存在しない。よくも悪くも6年間いっしょ。
校庭にはサクラの木,花壇があって,昔の小学校のイメージ。

しかしカリキュラムは私の時代と大きく変わっており,国際という英語の授業(しかもネイティブスピーカー)があったり,運動会でも日本語を話せない子供たちのために,英語のアナウンスも交えて進行したりと,村の小学校でまったりと国際化が進んでいるような感じであった。他民族で形成される小学校なので学校側の苦労も多い。特に給食での肉料理は,様々な宗教的背景を考慮しなければならない。都市部は学校がどんどん無くなっていくなかで,しかし,人種の多様性は増大しつつあり,小さな小学校でも運営は大変だ。

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運動会での綱引きや子供といっしょに走ったり,久々に自分の小さかった頃に戻ったような感じがした。
私が小さかった頃,1等賞になるともらえた紫色のリボンは,娘の小学校では3位。

「お,紫,すごいじゃないか」と40年前の記憶に戻る。

小学校の頃は運動音痴で,いつもビリばかり。それでも運動会は楽しかった。

どんなにテクノロジーが発展しても,昔ながらの運動会の風景は残して欲しい。